前頭側頭型認知症 夫が前頭側頭型認知症に

夫が63歳で前頭側頭型認知症と診断されました。
若年性認知症なのだそうです。そんな夫の事など綴っていきます。 

65.実家の片づけ

2013-05-13 01:19:15 | 健康・病気・認知症

今日 5月12日(日)実家の母の部屋の片づけに行ってきた。

実家の母は、認知症です。はっきり聞いたわけではありませんが、アルツハイマー型の記憶が無くなるタイプのようです。

弟が何度もリフォームの話をして、その時にわかったと言っても、すぐ忘れて、毎日毎日同じことを言わないといけないと、ぼやいていました。

そして、母は悲しそうに涙を拭きます。
私はとってもかわいそうになります。

何度も何度も忘れて、話を聞いてわかったと言っては、また悲しそうに泣くの繰り返しです。エンドレスです。

弟も、いらいらと喉小言をつくので。母も納得した振りをするのですが、やっぱり忘れるので繰り返し繰り返しとなります。


今日は、私が高校時代に使っていた衣装ケース(ファスナー付のロッカータイプ)を分解し、ぼろぼろにし、ごみ袋に捨てました。

贈答品でもらったシーツやタオルケット・バスタオルが、もう変色していました。もったいないですが、捨てました。

ゴミ袋3つで今日は終わりでした。

それでも母は、昼寝している間にやられて、何捨てたのよと気にして何度も聞きました。説明を聞いても、不満のようで、また悲しい顔をします。

来週は本格的に、箪笥の中を片付けようと思いますが、母に確認してもらいながら行いたいと思います。

『あんまり長生きすると辛い事が起こるもんだな。長生きするもんでないな。』 と言っていました。


本当なら、母が死んでから、家のリフォームをしてほしいのですが、弟夫婦の都合もあるので仕方がありません。

片づけをすることで母の認知症が進んでしまうのではないかと心配です。
これから、アパートに移り、その後、新しく建て替えられた自分の部屋に入ります。ますます認知症がどうなるかです。


明日は夫を外出させます。2時間の時間休をもらって、夫を病院に早めに連れ戻ります。そして、夫と姑と久しぶりに二人きりになる時間ができます。
姑から離れていられるか、姑に用事をたくさん言いつけないか心配ですが、姑にもしっかり言い聞かせ、言いなりにならないよう話しました。


先ずは経験です。姑がんぱれ! です。


58.4月24日 主治医と面談

2013-04-26 22:09:34 | 健康・病気・認知症

面談して来ました。

夫の症状は、とても落ち着いており、このまま病院で何もせず
置いておくのは、どうかと主治医は考えているようでした。

もちろん、うちの家族全員、いつか必ず夫を家に連れ帰ると、決めています。
でも、もう少し後にと思っていたのですが・・・。

作業療法は、精神科の閉鎖病棟からでて、一階の全く別の棟の
部屋で、階段昇降し、お茶とコーヒーを飲んで元の病棟に戻る生活を
しているとの事でした。

パズルやぬりえ、希望があれば他の事もやることができるのですが、
夫は勧められることに興味を示さないので、お茶を飲んで時間を過ごして
帰るだけのようです。

水の制限があるのですが、隠れて飲むようになってきています。

そのため、低血糖を起こす回数が増えてきています。
低血糖を起こすと、インスリン注射ができなくなり、高血糖になります。
なので、低血糖・高血糖を繰り返すというよくない状況が今の状況です。

それでも、症状は、つまり、暴言や暴行、異常行動がないので・・・
落ち着いているという事です。

低血糖は、明け方の3時頃起こしているらしく、、看護師の方が
夜寝る前の血糖値により、3時頃血糖値を測定して、

血糖値30~40の時には、
即効性のブドウ糖注射をしているとの事でした。

自宅に夫を連れ帰ったら、その看護師の仕事が私の仕事になる。
ただし、私はブドウ糖注射はできないので、
タブレットのブドウ糖(夫が嫌がって、かじっては吐き出してしまう)か、
粉末のブドウ糖をぬるま湯に溶かして、夜中に飲ませないといけない。

夜中の3時に果たして起きれるか今から心配してもどうしようもないが、
憂鬱になる作業だ。

お漏らしの回数と量も半端でなく多くなっている。

その洗濯ももうすでに始まった。洗ってもなかなか尿の臭いがとれない。

風呂の残り湯で何度も下洗いをして、ハイター・ワイドハイターにつけ、
洗剤と漂白剤を増量して洗濯しても、乾燥すると匂いが復活しました~
とばかりに、ストーブの熱で匂いが漂ってくる。
ファブリーズをたっぷり、尿臭いところにたっぷり噴霧!

インターネットで検索して、同じように尿臭い洗濯に悩んでいる人の
質問への答えをみて、同じようにしてみました。
すこし匂いが薄くなってきましたが、やはり、気温が上がると、フーンと
匂ってきます。ごはんを食べている時はちょっと嫌になります。

犬のポン太はなおさらだろうなと思います。
夫のおしっこで濡れた洋服を持ち帰ると、なんだ?と言わんばかりに
くんくんして風呂場にきます。

夫が帰って来ておしっこ臭かったらどうなるのでしょうか?

姑は、なんかあまり深刻でないのが、イラっとします。
きつい言葉で、
「出来ない事は出来ないとはっきり言って、自分の事だけやるようにしてください。」
と、話しました。
夫の指示に、NOと言えない姑です。
そこが一番心配なところです。

これから、外出・外泊をもっと経験させて、日常生活を普通にできるように
一緒に、普通に生活できるよう頑張ります。


半年の入院と主治医が夫に話していたので、その方向で行くのではないかと
想像しています。


51. 50 の 詳細 (夫が選挙と散髪)

2013-04-08 02:30:36 | 健康・病気・認知症

なんと、先週日曜日に引き続き、今週も外出!
ちょっと早すぎると思うものの、夫が市長選挙に行って、投票したいと前回の外出で言っていたので、今回また外出。

昨日から、暴風警報が発令されて、今日の昼頃までにピークが来るというので、おっかなびっくり、車を運転して行った。ピークと言う割には、風も雨もまださほどでも無かった。
病院に着くと、夫はホールに居たらしく、「今そこにいたのに、あれ?」と、看護師さん
「さっきまで、奥さんが来るとそこに居たのに」と言っていました。という事は、私が来たから、部屋に戻った?何の意味があるの?
看護師さんが、アナウンスして夫を呼んでくれた。

夫は、お風呂に入るからと、洗面道具一式を手に持て来た。看護師さん「家にあるだろうから持って行かなくてもいいんじゃない」と言ってくれるが、どうしても「持って行」くと言い張る。

その後、夫が外出願いに署名、捺印のために私が出したハンコに気が付かず、母音を押してしまう。「ハンコ出したのに」、と言うと、「何故言ってくれなかった」との返答、「今私出したの見ていたと思って」と言うと、若い男性看護師さんもそうだと言わんばかりにうなずいていた。夫は「わからなかった」と、手をカット綿で拭いている。私はその間、薬やインシュリンについての説明を受けた。

「早くしろ!早く!」と急き立てられる。「ちょっと待って」と言うと、「一分でも早く!」と言う。看護師さんと、後ろに居た他の患者さんを診ていたお医者さんが「一分でも早くか」と、ちょっと吹き出して笑っていた。私にはいつものことなのでおかしくもなかったが、はたから見たら、夫のゆっくりした行動からはおかしく見えるだろうなと思った。

ようやく閉鎖病棟のカギを開けてもらい、一階に下りる。「寒いんだな」「そうよ。低気圧が来ていて、暴風雨警報も出ているし、寒いんだよ」

お茶をすぐに要求される。自販機を売店と言い間違えても、気が付かない。ウーロン茶を欲しがる。それも、あったかいの。
ここで、買ったら、車の中で飲まれて、また、家で飲まれてと、多飲に繋がるのでここで防がないといけないと思った。運よく、温かいウーロン茶はなかった。

車の中で、どこかのコンビニで寄って買えと言われるが、おばあちゃんが待っているからと、暴風雨警報が出ているからと、理由を様々考えてお茶は買わなかった。

今度は妹の墓に寄って行くと言う。
墓に着くと、結構雨はひどくなってきたいた。雨の中墓の方に歩き出すと、突然ションベン出る発言。
急いで本堂に行くと鍵がかかって開かない。妹の家に向かう。運よく妹の夫が在宅、トイレを借りて、ついでに仏壇の妹にも手を合わせて拝んだ。

妹の夫が気を使ってお茶を出してくれると言うのを、夫は飲むと言うが、私は血糖値のコントロールが上手くいかなくなるのでと断る。
夫が飲むと言うのを、お昼のお茶が飲めなくなるよと納得させた。
なんとかかわして、無事自宅到着。

ちょうど10時を少し過ぎ、夫のお茶を飲む時間を少し過ぎてしまったが、お茶にする。
ほうじ茶、暑いのを2杯。一杯目はちょっとぬるかったらしくゴクゴク飲む。2杯目は暑いと少し冷ます。

選挙に行く。
病院から出た時に、「お母さんの手を引いたり、つかまらせたりして、親孝行をしてね」と、言ったことを実行してくれた。
車を降りるとき、夫に「お母さんの手を引いて」と言うと、傘を差して、手を引いてくれた。素直なところは子どものようだ。

投票。夫と姑と私3人分を一度に家族ですと渡し、一度に3枚の投票用紙をもらい、二人を連れて、掲示されている中から選んで書くように話す。県議員の補欠選挙の事は知らない二人、どちらでもよいから書くように言う、

市長は、きちんと漢字で名前を書けていた。投票箱に入れる時、あの人知っていると気持ちがそれて、投票用紙が箱に刺さったままで、用紙が中に入っていなかった。

投票所を出る時は、来た時より雨あしが強くなっていた。二人に傘を渡し、一緒に行くようにいくと、夫「親孝行する」と言う。姑、突然の夫の親孝行発言に、嬉しそうに「えがったごと」と、相合傘で車に向かう。(おとうさん、親孝行できて良かったね)

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この後、3人で、お昼の買い物。今回も夫は寿司を食べると言う。自分で決める。前回と同じものを選びたかったが、残念でしたねお父さん、ありませんでした~。
また、温かいウーロン茶を探す。でも、ウーロン茶の温かいのは有りませんでした。
選んだのは、温かい、 お~いお茶350ml 。

血糖値測定 なんと 515。 夫も私もびっくり。夫は原因もわからないよう。
「なんともならないな・・・。』と投げやり。『あと俺死ぬな。』
夫のショックが伝わってきて、・・・。『なんでそう思うの?』返答なし。
私もなぜか夫が死んでしまうような気がしてしまいました。

お昼を食べました。薬、水の量を多くと言うのを、血糖値のコントロールがうまくいかなくなるよと言い聞かせ、100ml以下で収めました。

1時、散髪へ。
予め、電話で『認知症の夫が散髪したいと言うので妻の私が一緒に行きますが、色々注文を付けてご迷惑をかけるかと思いますが、よろしくお願いします」と話しておいた。

案の定、途中で、理容師さんが私の方を見て、どうしようと言う様な表情をするので、夫の所に行くと、切った髪を「耳が出るように」と注文しているが、どうやら、その前に耳は出ない程度にと言っていたらしく、理容師さん再度「耳が出るようにしてもいいんですか?」と念を押して聞いた。夫「いいです」ときっぱり言っていた。

できあがり。短いのを気にして何度も鏡を見に行く。理容師さんに私「ご迷惑をおかけしてすみません」と謝り、早々に店を出る。

そのまま、またまた墓参り。夫の父の墓(自宅の墓参り)。拝んでいる途中で、また、ションベン出る発言。急いで、車で本堂に向かう。おしっこを我慢できると言うので、先に位牌所をお参りする。

おしっこをして出てくると、今度はうんちが出ると言う。がまんすると言うのを、我慢しないで、して頂戴といって、トイレで頑張ってもらう。
血が混じったと言うので確かめに入ると、なんと、うんちが便座にひっかかり、便器にこすった跡が・・・・・。(汚くてごめんなさい)
ここで、まさかのトイレ掃除。掃除用具を見つけれず、トイレットペーパーに水を含ませ、何度も拭いてきれいにしました。

お寺からの帰り、駅前を通って懐かしんでいくと言う発言。
このころから、私ちょっとイライラ、いう事が少しずつこだわりとしつこさで・・・。
でも、怒りませんでした。否定もしませんでした。ほんとうに我慢しました。夫をなだめるのは本当に大変!

自宅に着いたのは、3時少し過ぎ。またお茶の時間です。
残っていたペットボトルのお茶で我慢してもらうための説得に時間がかかりました。
お蔭でお茶を飲み終わるのに時間がかかり、あっという間に3時半。

また、時間もったいない発言。(なら、素直に残りのお茶だけで我慢してよと心の中で大声を出していた)

時間が経ってしまった発言。ゆっくりすればいいのに、この暴風雨の中墓参りするから時間が無くなったんだよと、ついに私も言ってしまった。

音楽聞くとかすればよかったのに・・・。
「音楽は聞かなくてもいい」と言う。
あんなに好きだった音楽鑑賞に興味が無くなった? なぜ?
これも、前頭側頭型認知症の特徴だった?無関心?無気力?

帰りの時間になると、また2階の自分の部屋に行く。前回のまま何の変化もない部屋を見て、「なんも変わってないな」。当たり前です。何も動かしていませんから、洗濯したものがちょっと増えていますけど・・・。

帰り、姑と握手したらと言うと素直に従い、握手する。
「冷たい手だね」と姑が言うと、「死人の手みたいに冷たいだろう」と言う。「何言うの」と姑。(そんな悲しむようなこと言ってどうするの)と思い、「もう一度ちゃんと顔を見たら」と言うと、これにも素直に従った。

車に乗ると、妹の墓に寄って行くと言ってきかない。「5分もかからないだろう」
根負けし、また、雨の中、妹の墓にお参りする。

夫の気が済んだようだ。

車の中で、「この後は私の仕事が忙しくなるから、外出はできなくなるからね」と伝えた。ちょっと、驚いて、悲しそうだった。あまり期待しすぎたら可愛そうなので、早めに言っておきました。

病院で、高血糖の事を話したら、看護師さんたちも首をかしげていた。

病室に着替えを置いて、引き止められそうなのを、「おばあちゃん、お腹すかして待っているから」と言うと、素直に聞き入れてくれた。送りにも出てきてくれて、握手しようと言うとちゃんと握手させてくれた。冷たいねというと、なぜかニヤリとしたり顔?
どういう意味のニヤリ?

気になる最後の出来事でした。



帰って来て、夕飯は、イワシの焼き魚と春菊のお浸しと切り干し大根の煮物を作りました。

明日8日は舅の精進日です。






50.S病院から2度目の外出 概略

2013-04-08 02:28:06 | 健康・病気・認知症

今日4月7日(日) 2度目の外出

目的2つ → どちらも達成
 ・市長選挙に行って、投票したい
 ・散髪

補足
 ・風呂に入ると洗面器等持参 → 寒いと言って入らず
              (姑と脱衣所にストーブを持って行くよと言ったがダメ)
 

 ・お茶のこだわり → お茶は絶対2杯、それもなみなみと入れて
               10時 昼食 3時(時刻表的生活)
               ウーロン茶か、ほうじ茶か、煎茶

 ・大小便 → もよおすと我慢すると言う 我慢できずに漏らすことあり
          (着替えと掃除が必要)

 ・時間を有効に使うと言う → 一分も惜しい(時刻表通り)
                      思い通りにならないと大声を出す
                      引っ張る、押す(今回は叩かなかった)

 ・親孝行する発言 → 選挙に行って、母親の支えになり傘を差す

                   Dvc00300


 ・墓参りをするというこだわり → 次回の外出時も墓参りしたいと言うか?

 ・床屋で髪型にいろいろ注文を付ける 
   → 色々言い過ぎて結局髪を自分の思っていたより短くされてしまう

 ・高血糖 → 今回は昼食前血糖値 515 と 非常に高い
          数値を見てショックを受け、『あと俺死ぬな』発言
          私もショックを受け、なんかそんな気がしてしまった
 

 ・時間がない発言 → 帰りの時間が迫ってくると何故か焦っている
                 もっと何かしないといけなかったと思っているらしい
            

 ・墓参り(自宅)は自分の墓参り発言 
   → 自分が死んだものとしてお参りしたと言う
      (血糖値が高く、死を意識してしまったか?)

 ・音楽鑑賞しなくなった → 関心が無くなった?
          私は元のように音楽に関心を持って音楽鑑賞してほしい
          そうしたら、コンサートにも一緒に行けるかもしれないのに
                      






49.糖尿病と認知症の関係

2013-04-07 21:36:26 | 健康・病気・認知症

糖尿病と認知症の関係をまたインターネットで検索してみました。
そこで、下記の記事を見つけました。
この後の、夫の糖尿病の参考のために、そのまま引用させていただきました。



ワイリー・ヘルスサイエンスカフェ(W
iley-JAPAN)

http://www.wiley.co.jp/blog/health

糖尿病と認知症:血糖コントロールで糖尿病患者の認知機能の低下を防ぐことができるのか?

当総説は全文に無料でアクセス頂けます
Cognitive impairment in diabetic patients: Can diabetic control prevent cognitive decline?
Takahiko Kawamura, Toshitaka Umemura, Nigishi Hotta

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中部ろうさい病院 河村孝彦先生によるご紹介

糖尿病者は非糖尿病者に比べ認知症の頻度が2~3倍高いとされている。ライフスタイルの急激な変化による糖尿病患者の増加と医療技術の進歩による寿命の延長から高齢糖尿病患者は増加しており、加齢と糖尿病が相俟って引き起こす認知症は重要な問題とされる。
このレビューでは糖尿病患者の認知機能障害について糖尿病の病態からみたアプローチが行われている。特に特徴的なのは副題にもあるように血糖コントロールが認知機能の低下を防ぐことができるかという点である。最近出された3つの大規模縦断研究―1型糖尿病を対象としたDCCT/EDIC(Diabetes Control and Complication Trial (DCCT)and Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (EDIC))、2型糖尿病を対象としたACCORD-MIND(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes-Memory in Diabetes)やARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)を主に取り上げ、この問題を考察している。これらの試験結果からはHbA1cレベルの上昇とともに認知機能、中でも前頭葉機能が低下し、この低下を防ぐには良好な血糖コントロール、その他の研究報告を併せ考えるとHbA1c(NGSP値)を7%未満にすることが示唆された。ただし、ADL(activity of daily living)の低下した高齢患者では安全性を考えてコントロールを緩めに例えばHbA1cで8%位を目標にするのが妥当のようである。さらに、血糖のコントロールはHisayama studyの結果から食後の過血糖にも注意が必要とされる
また、インスリンは認知機能の障害、特にアルツハイマー病の発症に深く関連することが報告されている。インスリンは血液脳関門を通って脳内に入り記憶や学習といった重要な機能を担っているため、その不足は認知機能の低下を招くことになる。最近のHisayama studyでは糖尿病患者の認知症リスクとしては過去に比べ脳血管性認知症よりアルツハイマー型認知症が多いことが報告されている。この原因としては肥満の増加とそれによる高インスリン血症やインスリン抵抗性が関与していると考えられている。糖尿病に限らず脳内のインスリン抵抗性によるインスリン伝達シグナルの低下がアルツハイマー病発症の原因であるという最近の報告もある。このような機序がさらに解明されば将来の有効な治療法の開発にもつながる可能性がある。
また、従来から低血糖による認知機能障害は議論の多い問題であった。しかし、最近の大規模コホート研究から低血糖が認知機能障害のリスクであることが示されており、特に高齢者では脳の器質的障害も生じやすく治療にあたっては低血糖を避けるよう十分な注意が必要とされる。糖尿病性細小血管合併症に関しては、特に腎症や網膜症が認知機能障害と関連することが報告されている。一方、近年のMR機器の普及によって無症候性脳梗塞、白質病変、微小出血など脳小血管病変がしばしば発見されるが、これらはいずれもが認知機能の低下に関連することが報告されている。また糖尿病は脳小血管病変にも深く関係し、アルツハイマー病の特徴とされる脳萎縮に加えて脳血管性因子の影響がその病態をより複雑なものにしている。その他、糖尿病者における遺伝因子(アポリポタンパクEε4アレル)の存在、高血圧、脂質異常症、うつなどの合併は認知機能障害をより増悪させる因子でもある。
以上、糖尿病患者の認知機能には多くの因子が関連するため認知症の発症を予防するには種々のリスクのコントロールとともに、早期に発見、治療が重要とされる。本レビューが臨床医にとって複雑な糖尿病と認知症との関係を理解する糸口となり、今後の臨床や研究の参考になれば幸いである。



この論文から、夫の認知症の事を考えると、やはり、糖尿病との因果関係が考えられる。

ピンク色づけしたと所に、前頭葉の機能低下とあります。機能低下は委縮にもなるのか?

またみどり色に変えたところ、脳内のインスリン抵抗性によるインスリン伝達シグナルの低下がアルツハイマー病発症の原因であるとの記述、気になるところです。今のところ夫には記憶の障害がそれ程見られませんが、低血糖高血糖を頻繁に繰り返しています。
インスリン抵抗性とは、血糖値のコントロールが制御できなくなり、高血糖になることもあるのだろうか?今度またどこかで調べるか質問してみたいと思う。

そして、青くした所、認知機能障害をより増悪させる因子の高血圧・うつも当てはまります。糖尿病者(夫にも)の遺伝因子(アポリポタンパク〇〇アレル)もあるのかな?

なんにしても、夫には、正常で、長生きしてもらって、
退職後は一緒に娘の住む町に遊びに行って楽しみたいと思っていたのに・・・。
温泉やショッピングや犬の散歩や、ちょっとした山登りや、県内の紅葉や桜見物、いろいろしたかったのになあ~~

でも、まだまだ夫は大丈夫!!!
夫のしたいことを、夫と一緒に、楽しもうと努力したいと思う!