前頭側頭型認知症 夫が前頭側頭型認知症に

夫が63歳で前頭側頭型認知症と診断されました。
若年性認知症なのだそうです。そんな夫の事など綴っていきます。 

174.今の夫のようす

2015-08-30 20:56:12 | 糖尿病と前頭側頭型認知症

平成27年8月30日現在

夫はとても安定しています。

今日も外出しました。

外出目的は、床屋で散髪です。

カットAという理容室で、65歳以上1500円で顔そりと散髪がセットでできます。

散髪後、草生津川の土手を私と一緒に散歩しました。

歩く様子も足取りがしっかりし、以前はお尻をクネックネッとさせて歩いていたのが、今はゆっくりながらすっすっ歩いています。
歩き方までしっかりして不思議です。

自宅に帰って来る車の中で、血糖値・インスリンの報告もありました。

利尿剤が四日前から飲まなくても良くなった。
利尿剤は、糖尿病の末期と言われ、腎不全の診断を日赤で受けた時、腎機能のために処方されたのです。
「飲まなくなって大丈夫?」
「おしっこが出なくなった」
「えっ?」
「コーヒー飲むと出る」
とのこと。

まずは私も夫の様子を見る事にし、内科の先生に問い合わせることはせず、お任せにすることにしました。

血糖値は就寝前は300位あっても、朝には90位に下がっている
そのため、インスリン量が下がった
ランタスが  22単位
アピドラ 朝食前 18 昼食前 15(?) 夕食前 6

抑肝散を日赤から退院して、今のS病院に戻ってから飲むようになっていま。


前頭側頭型認知症の特徴は、以前のように顕著ではないような気がする。

〇時間・時刻に固執する
 
 ・病院に迎えに行く時刻を私が気にして、時間前に着くようにしているし、遅刻したら、帰る時刻を遅刻した分だけ遅く家を出ている
 ・自宅に帰って来て食事をする時など、食事できる時刻を前もって宣告しておく
   *以前のように、自分から6:30に食べるとは言わなくなって大助かり
   *余裕があるようになったのは、階段から落ちてからの大きな変化
 ・外出する時刻は13;00、病院に戻るのに自宅を出る時刻は16:30

〇こだわり
 ・自分の決めた予定は、絶対変えない
   *外出の目的を決めて、絶対に変更できない

   ・本を買いに行く
   ・デパートに行く
   ・コーヒーをイオンのスタバにのみに行く
   ・散歩に行く   
   ・CDを聴く・・・その時に決めたジャンル

  一回の外出で二つの事をする時は、散歩が入る


(今の夫の楽しみ)
  読書・・・今野敏から西村京太郎に戻った
   今野敏はまだ作品が少なく、TVドラマ化されたと知ったら読まないと言った。
   西村京太郎もドラマ化されているのに、それは気にしないらしい。作品もたくさんあるし、飽きないようだ。
  野球観戦
   ・アメリカ大リーグ  
   ・日本のプロ野球(アンチ巨人)巨人以外のチームが勝っていると喜んで見ている
   ・高校野球 
      夏の甲子園でのわが県の代表校はどうでもよかったらしく、自分の応援している高校があったらしいが、どこの高校か、わからない
  自宅に外出・外泊して来ること
   ・散歩する
   ・洋服など持ち帰る
   ・レコードやCDを確かめる
   ・本を確かめる

〇不潔
  ・同じ洋服をずっと着たままで気にしない
  ・今は病院でお風呂に入るように言われて、習慣となっているので、3~7日で着替えている
    それでも、汗をかいたものを三日も着ていると、この暑い夏場は、汗臭くて酸っぱい匂いになっていた

〇失禁・失便
  ・一時期、ちょっとした外出でも、頻繁におしっこが出たくなったり、病院に戻る途中に我慢できず、野小便することがあったり、コンビニで間に合わず、失便の事もあったが、今は何故か失敗していない。


〇反社会的行動
  ・乱暴なことはしなくなった
  ・私や姑に悪態はあまり言わなくなった
  ・病院に入院している患者さんの事は相変わらず、「あれはよ・・・・」「あいつは、汚くてよ」と、顎でしゃくって悪口を言う
  ・相変わらず看護師さんの好き嫌いがある
  ・相変わらず女性蔑視・・・それでも、私と姑と娘達・妹や姪たちは別に悪口の対象でなくなった


以前、あれほどおかしげな行動をとっていた夫を思い浮かべるのが難しいほどに、今は普通に近い夫です。
穏やかで、素直で優しい口調の夫になっています。

これも認知症のなせる業なら、神様仏様がもっと残りの人生を大切にしなさいとおっしゃっているのかもしれません。
今の生活に感謝して、夫との生活を大事にしていきたいと思います。

  



173.充実老後としょんぼり老後

2015-08-30 19:07:58 | ふだんの生活

最近、TVで、≪年金生活をしている認知症の親の介護のため、早期退職して一緒に生活をしていた男性が、親の年金だけで暮らしていて、体調を崩しそのまま亡くなり、親御さんも亡くなっていた≫という出来事を放送していました。

また、つい最近のこちらの地方新聞の週刊誌『婦人公論』の広告欄に【「充実老後」と「しょんぼり老後」】<生活保護以下の”下級老人”への落とし穴>と言うタイトルがありました。

私は生活保護以下老人になりそうです。

こちらの生活保護者の貰っている金額は16万円位のようですので、すでに、夫は生活保護以下で、私と姑の年金で何とか生活している状況なのだなあと、残念です。今となってはどうしようもないでしょう。


胆のうの摘出手術をしてから、色々と自分のしまい方をかんがえるようになりました。

先のこと、お金のことも含めて、心配も不安もいっぱいです。

お金のことを考えると、今はなんとか不自由なく生活していますが、姑が亡くなったらとか、夫が亡くなったらとか、私が先に亡くなったらとか・・・。


こんなマイナスのことばかり考えていたのでは、楽しい老後は無いだろうなと思います。

マイナスなことを考えて、その通りになるのは嫌だし、とにかく楽しくすごすためにと考える事にしました。

お金が無くて、生活保護以下でも、楽しく過そうと思います。
節約して、つつましくても、満足して楽しく!
一日一日充実した楽しい(老後)生活を!


先ず第一に
この先、姑の介護と夫の介護をきちんとするために、私が健康でいなければなりません。
そうでなければ、娘たちに大きな負担を残すことになってしまいます。

そのためにできること
1、意識して歩くこと・運動をすること
  (車をできる限り使わないように)
2、食事に注意すること
  ・好きな物ばかり食べない
  ・甘いものを食べすぎない
3、自分の趣味を作って楽しむこと
  ・これは徐々にできつつある、ちょっと移り気で変化していきそうだけど
4、規則正しい生活をすること
  ・趣味に夢中になって、夜更かししたりしないこと
5、人との関わり合いを無くさないようにする
  ・どちらかというと、人づきあいが面倒だと思っている(姑に対しても)
  ・お金のかからない習い事とかサークルのような楽しみを見つけたい




172.お盆(H27年)

2015-08-30 11:19:32 | ふだんの生活

長女の夏休みが8月8日~16日までと、今年は長く、8日~14日まで帰省していられ、楽しくすごしました。

誕生日プレゼントのイラストの絵
それと片道の東京への新幹線の切符(有効期限11月)

片道切符とは・・・。
イラストも高かっただろうけれど、母親に親孝行して東京に遊びにきてほしいと思っての気持ちだとわかります。
ちょっと考えてしまいました。
娘達の気持ちは嬉しいし、行きたいのはやまやまなのですが、姑をどうするか?
手術し、預金が少なくなり、10月に車の車検があるので10万は寄せておかなければならないし・・・。
長女・次女がどんな所に住んでいるのか、孫の顔もみないし・・・。
これから、もう少し検討しようと思います。


長女とゆっくり話をすることもできました。
過去の事、今の事、これからの事


長女が持って着てくれた  DVD 
ありがたかったです。

生きていたころのなつかしい愛犬ポン太の様子がいっぱい録画されていました。

仰向けにソファの上に寝て、チンチン丸出しの姿

むしゃむしゃガツガツ餌を食べている所

私に待てと言われ、まだ?まだ?と食べたくて食べたくて、何度も口を出しながらも仕方なく待っている様子

散歩の様子

熟した柿の実を拾い喰いをして食べていたので、その柿の木を目指して、私の持つリードを引っ張って急ぎ足で散歩している所

近所の空き地でおしっこをしている所

そして、具合が悪くなり始めのころの様子
亡くなった姿
葬式の時の私の手作りの金メダルをかけたもう動かないポン太
火葬して骨になったポン太

夫の様子もいっぱい記録されていました。
いつ何時、何かあっても良いようにと記録したものか?
単に、楽しい記録として残しておこうと撮ったものか?
今は、どちらにしろ、記録に残っていて、良かったと思います。

甥の結婚式の様子が2回
この頃の夫は、まさしく前頭側頭型認知症の人です。
食べること、自分の考えを押し付ける、周りの状況はどうでもよいそんな様子

階段から落ちた時の顔面腫れあがり、変形した顔の夫
記憶喪失状態で、うわ言のように何度も同じことを繰りかえ聞く夫
ベッドで寝ている夫

回復し、日赤から今入院しているS病院に移ったばかりの夫
レコードを気にして、高い価値のあるレコードを私の手帳に書きこんでいる様子
死んだらこれを売れば金になると思って書いたようだった


それから、孫の出産までの次女の様子や、孫が生まれて次女の夫と共に家族みんなが勢ぞろいし大喜びで、孫を変わりばんこに抱いている様子


お盆に夫を連れて来た時に、このDVDを見るかどうか聞くと、
「ポン太ん死んだところは見ない」とはっきり言いました。
今、病院の自分ベッドのそばのロッカーにポン太の死んだ姿や葬儀の写真がはってあります。
甥の結婚式の様子と孫の生まれた時の様子はみました



お墓参り

出かけたのは夫と私と長女だけで、姑は行きませんでした
足が痛いとの事
歩けるのですが、自分を大事にする姑なので、無理に誘いませんでした。

午前に夫の父の墓参り
午後に夫の妹の墓参り

高校野球をTVで観戦

お寿司を食べ、ラーメンを食べ
私の作ったご飯を食べ

長女の見送りに駅まで行き、自分の勤めていた、そして連結やダイヤを組んだ列車を見て、とても満足して過ごしたようでした。
15日の病院に戻る時は、本当に満足そうな顔をしていました。


そして、長女は
とても大切な時間を過ごそうと意識してくれているのがわかりました。
わが娘ながら、有り難く、また心配をかけ、自分の事を思う存分やれていないのではないか、負担になっているのではないかと、申し訳なく思いました。


姑や夫。そして私が死んだら、
3回忌を行った後は、妹と相談し、墓の永代供養をしても良いと話しました。
ただし、夫の妹や妹のご主人の意見も聞かないといけない事
私も死んだら、私の弟を頼りにし、何か困った事・相談したいことが起こったら、弟にするよう伝えました。


171.還暦

2015-08-27 22:31:00 | ふだんの生活


7月9日 満60歳になりました。
その日は二人から電話でお祝いを言ってもらいました。
ぐっときました。

娘達がお祝いをくれました。(お盆)

二人から 【 イラスト 娘二人と一緒のわたし 】
 
 私は絵の中で赤い帽子に赤いチャンチャンコを着て
 赤い座布団に座って、
 後ろに娘二人がすっごい笑顔で立っているのです。


長女がお盆に帰省した時に持って来てくれました。

私はTVが大好きなので、TVの後ろの壁にかけました。
それを見つけた姑が
「それ何よ?」と、予想通りの反応。
 私の予想・・・ヤキモチを焼いて自分も同じものを欲しがる

耳が聞こえないので、何度も大声で説明をしないといけなくなり、
長女も終いには、筆談。

『お母さんの還暦のお祝いだよ』
 と白い紙に太マジックで書いて教える。

ちょっとうんざりの状況になりました。


夫も、お盆に2泊3日の外泊だったのですが、
同じ反応「あれ何よ?」
それでも、羨ましいと言う感情は無かったようです。

「 お父さん、私の誕生日覚えてる? 」
「 わかる! 7月9日だべ! わがってるで! 」

と言う言葉だけ、おめでとうと言う言葉はありませんでした。
でも、「覚えていてくれたんだ。嬉しい! ありがとう」
と言うと、目をパチパチしていました。
何かを考えている時の様子です。
どんなことを考えたのでしょう。

夫がなんでもなかった時から、
子どもたちの誕生日にはおめでとうと言っていたと思うのですが、
私の誕生日には言ってもらった記憶がありません。
プレゼントもありませんでした。

昔一度、デパートに行った時、5000円のサマーセーターを「結婚指輪以外には、プレゼント貰った事ないから、誕生日プレゼントに買って!」と許可を貰って、家計費から買ったことが一度あるだけなんです。

ボーナスで現金を貰う
子どもと旅行に出かける
デパートに食事に行く
自転車で一緒に買い物や散歩に行く
実家に行かせてくれる

それが夫の愛情表現だったのだろうと、今は思います。
そして、今、夫が入院して別居のような生活になり、夫の存在がいとおしくなってきているのは、自分でも意外です。
今の夫はとても素直に自分の気持ちを口にします。認知症のせいだろうと思います。
なので、意思の疎通があり、夫が元気だった時より、幸せな感じになります。

病院の面会での会話の終わりに、「もう帰っても良い。もう話す事なくなった。」の言葉に、仕事にも行かないといけないので、ホッとするのですが、あまりに話す内容が無いのが残念です。

帰り際、閉鎖病棟の廊下で、夫の方を見て、手を振ると、「うん」とうなずきます。
偉そうに見える時、優しそうに見える時、悲しそうに見える時と、様々です。その時の感情を読み取れるのは、長年連れ添った夫婦だからでしょうか。
例え、見合い結婚で、愛しているなんて感情は無かったけど、離婚しようとまで考えた事が有った夫婦だけど、今、夫が認知症になり、糖尿病が末期になり、お互い素直な言葉が出るようになって、なんか「私、この人を愛しているかも」なんて、最近思っているんです。
考えた事もなかった、私の変化です。

170.ホスピス見学

2015-08-26 22:19:20 | ふだんの生活

8月25日 私の年金請求手続き完了しました。

8月19日 ホスピス見学して来ました。

夫にも姑にも話していません。

私は地域の保健推進員と言うのを引き受けているのですが、その会の研修で、出かけたのです。

私の住む県に、ホスピス病院あるいはホスピス病棟のある病院はS病院一か所だけだそうです。

ホスピス病院には末期がん、エイズの方が入院対象

見学したS病院のホスピス病棟への入院は、末期がんの患者さんだけ

個人で申し込む方も稀にあるけれども
例えば、息子さんがこの病院の有る近所に勤務先があり、県外にいるお父さんが末期がんなので、転院させた
あるいは、一度退院したが、いよいよとなり再度入院した

ほとんどが、病院からの紹介で入院してこられるそうで、入院期間は50日~60日位との事でした。


どんな状態の人が入院するか
 ・自分の事は自分でできるが痛みが楽になるまで入院し、その後退院
 ・病状が進行し、看取りに至るまで継続的に入院
 ・レスパイトチア(介護者の休養のための一時入院)可

病名を知っている必要はあるか?
 ・がん告知はされていなくても良いが、ガンによる様々な辛さを楽にするための入院である事の理解は必要

入院するには
 1.ホスピス相談 → 担当・医療相談員・ホスピス外来予約
 2.ホスピス外来 → 担当 医師・看護師・医療相談員 (月~金 PM2~5)
 3.入院待機

外出・外泊  可

病院で行われるケアの内容
 ・痛さ・苦しさをやわらげる
  <その方らしさを大切にする>
    病気の説明
    治療の説明
    時間の過ごし方に関すること ← 傾聴ボランティア
    行事や趣味に関すること
    食事に関すること
    面会に関すること
    外出・外泊に関すること
 ・心のケア
    患者・家族の不安や悩みなど、気持ちを聞き受け止めながら支援する
 ・日常生活の支援
    食事・入浴・排泄・散歩・買い物など
    看護師・介護士だけでなく、訓練を受けたボランティアも患者さんの支援をしている
       ボランティア 180名(全国1位)
 ・家族ケア
    家族の悩み・不安・疲れ
34病床  全室個室(16床有料)

入院費用
  ①医療費
   70歳未満 3割負担
     高額療養費制度・限度額適用認定証も適応
     所得に応じて自己負担がかわるが
     おおよそ 31日~60日で 90,666円
   70歳以上 所得によって違うが
   70~74歳 2割負担 月額上限44,000円
   75歳以上  1割負担 月額上限44,000円

  ②食事 
    1食260円×3食×30日=23,400円
  ③その他 
    紙おむつ代、病衣、診断書等文書代 他
  ④室料差額の有る場合

面会は時間を問わず、いつでもOK
早朝・深夜でも、経鼻の方に話せば入れる

個室に室料のかからない所があるのは嬉しい
トイレ、洗面台、ミニ冷蔵庫、電話、カード挿入式のTV、ロッカー、二人掛け用ソファ

有料個室で
一日5,400円の一番広い個室は、とても眺めも良く、無料の個室にある設備の他に
お風呂、ミニキッチン、トイレ、ちょっとした畳敷きの小上がりがある

家族室あり(2室)
 宿泊の場合 3,240円(布団2組用意)
 日中のみ  1,620円
 キッチンが付いている
 冷蔵庫のついている部屋も有り
 個室には、付添い用のベットも入れられるが、本当に最後の時に家族が多く集まった時に利用している

付添い用簡易ベット  1日 216円


家族室を使わなくても、別に共用のキッチンと冷蔵庫があり、患者さんの好きな料理を作って一緒に食べたりしている

様々の特技を持ったボランティアさんがおり、私が見学に行った時は女性のボランティアの方が男性患者さんの将棋のお相手をしていました。
将棋の相手をしているのが女性のボランティア3なのにびっくりしました。

その他franzeさんのようにピアノやバイオリンの演奏を定期的にして下さる方もおられるようで、本当に至れり尽くせりだと思いました。

病院の目標
生命を脅かす患者と家族のQOL(生活の質・生命の質)を改善
身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな諸問題の早期かつ確実な診断早期治療によって、苦しみを予防し、苦しみから解放することを目標とする

スピリチュアル 
 → 心の奥底にある何故ガンになったのか?死んだらどうなるのか?はっきりとした答えのない問題

担当医師の
 生きる 楽しく生きる 自分らしく生きる

心に響きました