朝のお散歩ついでに イオンに寄って、ちょっとの間 ワカメさんに待って貰う事にしました。
「 えっ? ママ行っちゃうの? 」
「 えっ? 今回はパパまで行っちゃうん? マジ? 」
「 そんな訳ないよね、パパまでアタイを置いて行ったりしないよねっ!」
「 マジ? ウッソー! 信じらんない、ホントにアタイを置いてくん? 」
この椅子を見ると 6~7年前の父ちゃんを思い出します。
あの頃、父ちゃんは 脳梗塞が原因で認知症になっていて 身体もまともに動かす事が出来ませんでした。
それなのに 徘徊癖があって、 何度も探しに出たものです。
冬の寒い中、夜になって 薄着で何処かに行ったと 母ちゃんから電話が来くると
だいたいこの椅子に座っていました。
身体の不自由な父ちゃんが ここまで来るには 軽く一時間以上かかるはずですが
完全な認知症の父ちゃんが交通量の多い国道を渡って この椅子に座っている自体が 奇跡に感じたものです。
見つけるまでは心配ですが 見つけると安心とともに 少し怒りがこみ上げてきますが そこは我慢して
「 父ちゃん、どうしたん? 寒かったろう、早く帰ろうな 」 と言って 転ばないように腕を組んでゆっくりと歩きます。
しかし、逆にここに居ない時は 本気で青くなります。 家の裏には大きな川もありますし、
一度、吹雪の中 かなり遠くにあるバス停のベンチに座っていた時もありました、
多分、寒くて動けなくなったのでしょうね もう少し発見が遅ければそこで凍死してたかもしれませんしね、
少し探して見つからない時は警察に連絡して 協力してもらいます。
見つかると何度もお礼を言ったりして。
そのうち完全に全身麻痺で 寝たきりになって施設に入るのですが
母ちゃんも苦労したはずです。
イオンに買い物に来ると この椅子を見るたびに ココうずくまっている父ちゃんの姿を思い出します。
さて、買い物が終わって 外に出ようとすると 外からワカメさんがガン見してました^^;
ガン見はしてますが、はたして外から認識出来ているのでしょうか^^;
多分、 ココを出る 一人ひとりの客に ガン見しているのでしょうね^^;
「 やっと来やがったよー、 もう遅すぎだっつうの!」
「 え? アタイの爺ちゃんの事? うん、とてもよく可愛がってくれたよ 」
「 そんな事よか 待ってたんだから早くオヤツ投げてよっ!」
「 ヨシ! 今回は許す ♪ 」