古い思い出ですが オイラが幼稚園時代の事、神戸にいた時に 父ちゃんに何処かに連れて行かれて その帰り道、
父ちゃんの背中でオイラは安心して寝ていました。
背中で寝ていたオイラは、父ちゃんの友達らしき人達の笑い声で目が覚めて、 それでも半分ウトウトしながら
全体重を父ちゃんに預けて 半分寝た状態、もう半分は何となく起きた状態になって 父ちゃんと その仲間の会話を聞いていました。
目が覚めた事がバレてしまうと 歩かされちゃうかもしれないので 黙って寝たフリをしていました。
父ちゃん達は ゲラゲラと皆で笑いながら歩いていました。 その頃オイラは、4歳前後だと思うのです。
オイラは 父ちゃんが 27歳の時に生まれた子ですから その頃の父ちゃんは31歳前後になります。
若かったんですね、でもその頃の子供というのは 100%親に頼っている訳で、
その頃の 父親の背中というのは かなり大きなものでした。
少し、話が逸れますが オイラは 5歳までの思い出、つまり、神戸に住んでいた時の思い出をたくさん憶えています。
6歳になって新潟に越してきて 言葉の違いから 苛められたせいか いつも 「 神戸に帰りたい! 」 って思っていました。
ですからオイラにとって 神戸の思い出は 自分のなかでは 大切な思い出として 心の中に大事にしまってあるのだと思います。
話を戻します(^。^)
その頃、父ちゃんは仕事なんて まるで続かず ギャンブルばかりしていて、いつも借金取りに追われている生活で
それでも止められずに 毎日が人に追われるような毎日でした。
その当時、母ちゃんに愛想をつかされ 父ちゃんは 母ちゃんが 居なくなるのが怖かったんでしょう、
麻雀や競馬パチンコ花札などに行く時は いつもオイラを連れて行きました。
いわゆる人質ですね^^; オイラを連れて行けば 母ちゃんは雲隠れしない! と、思っていたのでしょう、
実際に 母ちゃんは、オイラを心配して 一人で居なくなる事は ありませんでした。
そんな事情なんて知らないオイラ、 父ちゃんにアチコチ連れて行かれて 慣れてしまったのでしょう、
上の文章では、多分、麻雀した帰り道、疲れて眠ってしまったオイラを背負って、麻雀仲間と歩いている道中だったのではと思っています。
麻雀や他の賭け事で 父ちゃんが勝ったりすると、満面の笑みで オイラに勝ったお金を見せて
「 スゲーだろ! 」 って言って見せてくれました。
そんな笑顔が大好きで 父ちゃんの賭けたモノに対して オイラも一生懸命 応援していました!
でも、オイラは母ちゃんに対しての 人質だった訳で 帰ると必ず殴り合いのケンカになっていました。
事情の知らないオイラは 今までニコニコしていた父ちゃんが いきなり母ちゃんに 喧嘩を仕掛けられて
大騒ぎになってしまう訳ですから 母ちゃんに対しては ただの怖い人にしか見えませんでした。
小学校になって、父ちゃんとお風呂に入ると オイラは父ちゃんの手の甲にある キズの話を聞くのが大好きで
いつも同じ話を聞かされました。 思うと 子供ってドラえもんとか 同じビデオを何度も見たりして 飽きないのだろうかと思いません?
多分、それと同じなんでしょう、「 ヤクザが父ちゃんを囲んで 刀を振り回してきて・・・!
父ちゃんは刀を手で受けて! 出来たキズがこれだ! 凄いだろ! 」 オイラの目はキラキラ!
「 それからどうしたの? 」
お風呂に入るとこの話しばっか(*^_^*) でも、毎日聞いて興奮しましたね!
「 父ちゃんカッコいい! 」
それから、少し経って 本当にチンピラに 囲まれてしまい、オイラのの父ちゃんが やっつけてくれると思っていたのに
コメツキバッタのように謝っていました。 今までの話しは 全て作りモノの 話なんだと 初めて思いました。
そしたら一緒にいた 弟が、「 父ちゃんカッコイイ! やっつけられるのに 僕達が居たから 我慢したんだね! 」
その頃、幼稚園児だった弟は、 父ちゃんを テレビのドラマのように 意味のある行動だと思ってました^^;
でも、それからオイラは 父ちゃんは弱虫なんだと思うようになります。
中一の時、一家で海に行き、台風が迫っている荒れた海の中 オイラと弟が溺れてしまい
浜茶屋でビールを飲んでいた父ちゃん、
酔っていたのに 必死になってオイラ達を助けに来てくれました。
オイラは父ちゃんに助けられましたが、弟は助かりませんでした。
オイラは父ちゃんに 命を救われて今日に至ります。 あの時の父ちゃんの行動が無ければ オイラはこの世の人ではありません、
カッコ悪い所もあったけど、 オイラには たった一人の父ちゃんです。
なぁ 父ちゃん… もう少しでいいから、オイラの話しを聞いてください、
返事なんていらないからさぁ、
今の父ちゃんの背中は あまりにも小さくなりすぎて 可哀そ過ぎます。
こんなに父ちゃんの身体って小さかったっけ…

「 アタイ 最近、爺ちゃんに会ってないよね、 どうしたの? 」

