Zapf 2004-2011

2000年代の暮らし。自転車・ゴルフ・Yセツ・城・リコーダー....
今に続くいろんなことが芽吹いた季節

カセットテープ讃頌

2010年11月15日 | music
先日、ヤフオクでカセットデッキを買った。

Dscf0660

考えてみると、この15年くらいはまともにカセットテープを聞ける環境がなかった。

机の上にあるDENONの簡素なステレオ装置は1996年に買ったものだが、
その時点で録音の主流はMDであり、今更オプションのカセットデッキを
一緒に購入する気はなかった。

昔のようにレンタルで借りてきて、録音するという習慣もほとんどなかった。
必要なCDがあればそれを買えばいい。

そうして、昔聞いていたアルバムはCDで買い揃え、録音済みのカセットテープは
書棚の一番手が届かない場所にまとめて追いやられた。

2004年には、SONY製の圧縮音源を溜め込むプレイヤーを買った。
手持ちのCDはその装置のHDDに全部入れて、ランダムプレイで聞く習慣になった。
世間では誰も彼もがiPODでMP3を聞いていた。圧縮された音に抵抗はなかった。

カセットテープに続いて、今度はCDも別の部屋のCDラックに移動し、
CDを触ることもほとんどなくなった。


Dscf0659
そして2010年も終盤にさしかかった頃に、カセットデッキがやってきた。
本体が出品価格ママで3800円、送料が1200円。

書棚の奥から最初にひっぱり出されたのは、10代の頃の演奏を録音したものだった。

本番の演奏はもちろんのこと、練習を録音したものもいくつか出てきた。
稚拙な演奏だけでなく、練習中の自分や当時の仲間の声がたくさん聞けて
なんとも懐かしく恥ずかしい。

Dscf0658

続いて、当時レンタルショップでLPを借りてきて録音したアルバムを聞いてみた。

15年以上触られなかったテープから流れ出す音の良さに愕然とした。

同じアルバムをHDDプレイヤーで聞き比べてみる。
カサカサ乾いて、今にも崩れてしまいそうな薄っぺらな音。

一方カセットテープの音は、しっとりと適度な湿度感で、みっちりと充実した印象。
HDDプレイヤーでは聞き取りにくいバッキングのパートも実に良く『聞こえる。
それでいてメインボーカルの芯が通った声が、凛としてそこに存在する。

なるほど。

HDDプレイヤーで圧縮された音楽を聞くようになってから
音楽を単なるBGMとして、ランダムプレイでアルバムを通して聞くことが
なくなったのはこういう理由だったのかと知る。
きちんと向き合って、長い時間聞くにはあまりにも辛い音。


ほんの気まぐれで手に入れたカセットデッキだが、これからは
もういちど昔のテープで音楽と向き合ってみたいなと思う。

それにしてもカセットテープって丈夫だな。










1 コメント

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大貫妙子が好きです。 (takako)
2010-12-03 21:10:25
大貫妙子が好きです。
ピーターラビットのおうちは大きなもみの木の下にある
仲良しと住んでる・・・
とかさまざま。
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