森の中へ
自然にいだかれたい
というのが、今回の旅の目的でした。
森に入りたかった。
小高い山があって、川があって…。
そう、先日見に行った
「おおかみこどもの雨と雪」
の世界。
なつかしい日本の自然に。
最後のクレジットに「富山」と見えたのだけど、
富山は何度か行っていて、
違う場所がいいかな。
富山、怒涛の自然。
もいいけど。
やわらかい自然。
というわけで
青森十和田の
奥入瀬渓流へ。
渓流沿いにホテルが建っていて、渓流側のお庭は林のようになっている。
旅行に行った日はかなり暑かったけど、林の中は木々で頭上が覆われているため、
若干、涼しい。
朝晩はすうと冷たく、木や葉っぱのいいにおいがした。
渓流沿いの道は
シャトルバスで途中まで連れて行ってもらって、
森の中をひたすら歩く。
これまた匂いを嗅ぎながら。
流れが速くなっていたり、滝があったり、
苔やシダに
さまざまな色の緑色に
圧倒されました。
娘は、わたしの幼少期同様のリアクション、「ふーん」くらいのもんでした。
今気づくことは
小さいころに見た自然の風景を
大人になって何度も繰り返し思い返す
ということだ。
夏休みのたびに行っていた福島のおばあちゃんの家。
カリフォルニアの日差しが強くてカラリとした空気と、ひんやりとしたワインセラーのにおい。
キャンプに行った時の河原の石のゴツゴツ感。
小さい頃経験しているから、思い出すだけなのか。
そんな経験、一切なくても、大人になって感動できるものなのかはわかりません。
ただ
映画や絵画や、音楽を見たり聞いたりするときに
かつて体感した記憶が、
かなり物を言う
と昨今感じます。
素晴らしい作品は、そういうもの必要ないのかもしれないけど、
感受性の一端として、自分は役に立っている気がする。
感受性。
たまに
いらないんじゃないか。
って思うこともあるけど。
森の風景。
滝。