遊爺雑記帳

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三つ巴の台湾総統選 野党協力は失敗

2023-12-02 01:23:56 | 台湾海峡危機
 11月24日をもって、台湾総統選挙の候補の登録が締め切られた。来年1月13日の台湾総統選は、与党民進党の頼清徳総統候補・蕭美琴副総統候補ペア、国民党の侯友宜総統候補・趙少康副総統候補ペア、民衆党の柯文哲総統候補・呉欣盈副総統候補ペアの三つ巴戦となる。
 元産経新聞中国駐在の福島さんが、展望を解説いただいています。
 
 
なぜこうなった?三つ巴の台湾総統選、「一つの中国」めぐり中国当局が暗躍か 選挙まであと6週間、野党協力は失敗しホンハイのテリー・ゴウは謎の動き | JBpress (ジェイビープレス) 2023.12.1(金) 福島 香織 : ジャーナリスト

・2024年1月13日に実施される台湾総統選挙の候補登録が締め切られ、与党民進党、野党の国民党と民衆党の三つ巴(どもえ)戦の構図となることが確定した。

・「一つの中国」めぐり中国・習近平政権が暗躍しているとの見方もあり、選挙の行方が米中を巻き込み地政学リスクに大きく影響を及ぼすのは必至だ。

・選挙まであと6週間、各党の基本政策の違いや候補者の素顔、チャイナウォッチャーの見立てなどを詳報する。


 
11月24日をもって、台湾総統選挙の候補の登録が締め切られた。来年1月13日の台湾総統選は、与党民進党の頼清徳総統候補・蕭美琴副総統候補ペア国民党の侯友宜総統候補・趙少康副総統候補ペア民衆党の柯文哲総統候補・呉欣盈副総統候補ペアの三つ巴戦となる

 
今回の総統選は、この形に落ち着くまで紆余曲折あった。最大の山場は、国民党と民衆党の選挙協力が成立するかどうか、だった。結果的に、この夢の野党協力は最悪の形で決裂。これで、民進党の頼・蕭ペアは総統選レースにおいて圧倒的優位に立つことになったのだろうか。選挙まであと6週間、その行方を占ってみたい

 
当初、台湾総統選に候補として出馬すると公表していたのは4人民進党候補で現在の蔡英文政権で副総統を務める頼清徳国民党候補で2022年の九合一選挙で新北市長に最高得票率で当選した侯友宜、昨年秋まで台北市長を2期8年勤めあげた民主党候補の柯文哲、iPhoneなどの受託生産で知られる世界的大手EMS(電子機器受託サービス)企業・鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者で無所属のテリー・ゴウこと郭台銘

 頼清徳は、蔡英文政権の後継者として、現状の政策を維持するとみられている。国防重視の親米派、経済的には中国依存脱却推進。中国の
習近平政権は蔡英文も頼清徳も「台独派」として敵視している。

 
国民党候補の侯友宜は、中国との対話重視で、中国との経済関係も改善したいとしている。疑米派(米国への国防依存のし過ぎが台湾海峡の平和安定に悪影響をもつという考え)とみなされた時期もあったが、秋に米国訪問もしており、対米関係もそれなりに重視する素振りを見せている

 警察官僚出身の侯友宜は
外交経験・センスが乏しい。真面目で朴訥(ぼくとつ)な人柄で有権者人気は決して悪くはない。だが、外省人(国民党とともに中国大陸から台湾に渡った人)ではない国民党の台湾人総統候補は李登輝以来であり、古い国民党支持者や党内の守旧派老人は不満に思っているかもしれない。党是としての「92年コンセンサス」を支持し、中華民国が唯一の中国という国民党としての「一中原則」は否定していない

 
柯文哲は台北市長2期8年を勤めあげ、自身で「民衆党」を結党し、総統選に臨む。台北市政に対する市民の評価は悪くなく、既存の政党政治にうんざりし始めていた有権者の心を捉えて支持を増やしてきた。中国との対話重視、経済関係回復を目指すところは国民党と共通だ。しかし、国民党と決定的に違うのは「92年コンセンサス放棄」を主張し、台湾人として持つべきコンセンサスは民主的総統選挙がスタートした1996年に誕生したという「96年コンセンサス」を主張している点である。「一つの中国」原則のようなファンタジーは国民党も早々に捨てるべきだとしている。

 この3候補に加えて、
国民党の総統候補になれなかった郭台銘が無所属で出馬したが、彼は最初から話題作りだけの泡沫候補で、最終的に出馬登録はしなかった

にわかに浮上した野党協力だったが・・・

 11月初めまでの民意調査の推移を見てみると、民進党・頼清徳候補が30%以上の支持率をキープし、侯友宜、柯文哲がそれぞれ20%前後の支持率でほぼ横並び状態だった。

 三つ巴戦の場合、台湾の有権者は勝てない3番手候補に見切りをつけて、2番手に票を集める「棄保」と呼ばれる投票行動をとることがままある。だが、「棄保」現象が起きても、1番手が35%以上の支持率をキープできていれば先頭逃げ切り勝利の可能性が高い。

 このため、
三つ巴を崩して2大候補の対決に早々にもっていくことが、国民党、民衆党に残された勝ち筋だといわれていた

 そこで、11月に入り国民党、民衆党の「藍白協力構想」がにわかに持ち上がった。藍は国民党のシンボルカラー、白は民衆党のシンボルカラーだ。

 
与党の民進党と、野党の国民党・民衆党の間では、対中関係という最大の争点がある民進党は中国との対立先鋭化を恐れないが、国民党と民衆党は中国との関係改善を目指す。この点については国民党と民衆党の選挙協力が探れる、というわけだ。また、民進党にとっては、8年ジンクス(台湾の政権は8年ごとに交代する)への挑戦の選挙であり、野党として国民党・民衆党がとにかく政権を交代させたいという有権者を一つにまとめられれば、民進党優勢が逆転する可能性はあった

 11月15日、馬英九前総統が仲介する形で、柯文哲と侯友宜、そして国民党主席の朱立倫で密室協議が行われ、柯文哲はこの時、藍白協力に同意した。この協力の最大のポイントは、最新の6つの民意調査の統計分析で、支持率格差を出し、侯友宜、柯文哲のうち、民意調査格差の上位を総統、下位を副総統とし、外交、防衛、両岸関係(中台関係)は総統が決定権を持つ、というところだ。

国民党・民衆党の協力構想は破局に

 馬英九、国民党、民衆党がそれぞれ信頼できる統計専門家を選び、喫緊の民意調査について分析することになった。だが、サンプル数も調査手法も異なり、それぞれが恣意的に結果を導き出した民意調査で意見の一致を導けるはずもなく、「統計論争」が白熱、藍白協力は暗礁に乗り上げた。

 その後、出馬を取りやめる口実をちょうど探していた郭台銘が仲介者になって、再度、話し合いがもたれることになった。

 
23日の夕方、台北グランドハイアットで、郭台銘が招集する形で最終の話合いが行われることになったが、密室協議ではなく公開討論で決着をつけることになった。この討論の様子はYouTubeなどでも見ることができるが、郭台銘が朱立倫を「重量級の招かれざる客」と揶揄(やゆ)したり、「政党協力ではなく柯文哲、侯友宜、郭台銘の協力を話し合うつもりだったのに」などと言い出したり、柯文哲と侯友宜がお互い、不誠実だとののしりあったりして、実に険悪なものとなった

 
討論は時間切れに終わったが、誰が見ても藍白協力は最悪の形で破局となり、翌日、侯友宜は趙少康という元政治家で今はテレビキャスターの老政治家を副総統に選び出馬登録、柯文哲は立法委員(国会議員)で英米通の才媛、呉欣盈を副総統に選んで出馬登記を行った。

野党協力を仕掛けたのは中国当局か

 さてこの
藍白協力がなぜ突然持ち上がり、そしてなぜここまで最悪の形で破局したのかを、少し考えてみたい。少なからぬチャイナウォッチャーたちは、この降ってわいた藍白協力の仕掛人が実は中国当局ではないか、と疑っている

 
米ニューヨーク・タイムズは、藍白協力の破局は、中国の最大の希望も破滅させた、と論評している。民進党の頼清徳、そして副総統候補になった蕭美琴はともに中国当局から「独立派」のレッテルを張られた「危険人物」。蕭美琴は母親が米国人のハーフであり、駐米台北経済文化交流代表処代表(駐米大使に相当)の外交通で米国通。つまりこのペアが次の政権になれば、米台軍事協力がさらに推進され、習近平が在任期間中に実現しようともくろむ中台統一が一番やりにくくなることになる

 では、
中国として誰を総統に望んでいたかというと、やはり国民党の侯友宜であろう。なぜなら「一つの中国」「92年コンセンサス」を堅持しているのは国民党だけだからだ。

「統一」という言葉は、中華民国も「一つの中国」を主張していなければ、使えない。
国民党と共産党はかつて内戦で戦い、国を2つに分けたという歴史があってこその統一であり、仮に中華民国が「一つの中国」に当たらない、というコンセンサスが台湾に確立されれば中国が台湾を併合することは統一ではなく、侵略と呼ばれるべきだ、となる

 
今回の総統選で国民党候補が当選しなければ、あるいは、三つ巴の3番手に落ち、極度に低い投票率で国民党の泡沫化が印象付けられたりすれば、一つの中国と言う概念も統一の根拠も完全に失われてしまうだろう。中国としては何とかしてそれを阻止したいことだろう。

 
そこで、中国の習近平政権は馬英九前総統を通じて藍白協力を仕掛け、柯文哲総統候補を副総統に取り込もうとしたのではないか、という想像が広がった11月2日に馬英九基金会執行長の蕭旭峯が北京フォーラム参加のために訪中し、中国国務院台湾事務弁公室幹部らと面会したという報道があった。

 
馬英九サイドはこの時、中国から何かの指示を受けたのではないか。15日の藍白協力合意後の記者会見の柯文哲の表情があまりに憔悴(しょうすい)しており、柯文哲は中国共産党に何か弱みを握られており、それを中国から教えられた馬英九が柯文哲を脅して藍白協力を合意させたのではないか。柯文哲は心臓外科医として中国でも仕事をしており、たとえ倫理にもとるような移植手術や治療に関わったことがあるのではないか・・・。そんな憶測が駆け巡ったのだ。

 
このタイミングで、バイデンと直接会談をした習近平が、台湾統一のタイムスケジュールについて否定したことも、習近平は藍白協力によって国民党総統誕生が確実になると信じて生まれた心の余裕が言わせたのではないか、という見方があった

民衆党の支持率低下で民進党vs国民党に?
 さて、こうして
藍白協力は決裂。11月24日、民進党、国民党、民衆党の正副総統候補が出そろったあとの民意調査では、なぜか国民党の侯友宜・趙少康ペアの支持率が急上昇している。一番サンプル数が多いTVBSの調査では民進党ペア支持34%、国民党ペア31%、民衆党ペア23%。これはどういうわけだろう。

 
国民党の副総統候補の趙少康はテレビでおなじみの政治評論家でキャスターだが、その昔は、国民党守旧派の若手議員で1993年に李登輝に反発して、新党を結成し、2002年まで中国との再統一を目指す新党に所属。その後、テレビキャスターを本業として、政治から離れていたが、2021年に国民党に復帰。総統候補を狙っての復帰だとみられていた。

 
73歳のある意味化石のような老政治家なのだが、米国留学経験をもち、国民党の古い支持者に受けのよいインテリ副総統は、警官たたき上げで実務行政能力はあるが、朴訥で泥臭い印象の侯友宜の欠点を補った、ということか。あるいは民衆党・柯文哲の人気が急落したともいえる。藍白協力に一旦同意しながらそれを反故にした柯文哲はやはり支持者に対し誠実でない、と思われたかもしれない

 だが、民衆党・副総統候補の呉欣盈は新光集団創業者の孫娘で、英米政治の現場で仕事をしたこともあり、米証券会社大手メリルリンチのアナリスト経験もある経済、金融通。夫はベルギー貴族の男爵という国際派セレブ。実務実力や外交センスなど政治家として華や魅力は国民党ペアより上かもしれず、今後勢いを復活する可能性はまだある。

 もし、このまま民衆党が脱落し国民党の支持率がこの上がり、
三つ巴戦拮抗ではなく、民進党VS国民党の対決のかたちになるとしたら、鍵を握るのは民衆党支持者の「棄保」となる。これが、ひょっとすると国民党ではなく、民進党に流れる可能性がある。藍白協力がののしりあうように決裂したため、民衆党支持者としては侯友宜だけは勝たせたくない、と思うかもしれない

郭台銘(テリー・ゴウ)の謎の動き
 ところで、藍白協力を最悪な形で破壊した
民進党にとっての「最大功労者」が、中国との平和協議を公約に掲げて無所属で出馬しようとした郭台銘であったことが興味深い

 彼は大陸ビジネスで恩恵を受け、一番親中派とみなされてきた。だが、
10月、ホンハイの中国拠点が中国当局から税務調査や土地利用をめぐる立ち入り検査を受けていることが明らかにされている。これは、ホンハイが中国市場から離脱しようとしているのに対し、中国側が圧力をかけているとみられている

 だが、そういうタイミングで、
郭台銘が中国の一番嫌がることをやってのけたのは、わざとなのか、単に空気が読めないだけなのか。もし来年、頼清徳政権が台湾で誕生したら、民進党は郭台銘に礼を言わねばなるまい

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福島 香織のプロフィール
 大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。


 今回の総統選は、この形に落ち着くまで紆余曲折があった。最大の山場は、国民党と民衆党の選挙協力が成立するかどうか、だった。結果的に、この夢の野党協力は最悪の形で決裂。これで、民進党の頼・蕭ペアは総統選レースにおいて圧倒的優位に立つことになったのだろうか。その行方を占ってみたいと、福島さん。

 当初、台湾総統選に候補として出馬すると公表していたのは4人。民進党候補で現在の蔡英文政権で副総統を務める頼清徳、国民党候補で2022年の九合一選挙で新北市長に最高得票率で当選した侯友宜、昨年秋まで台北市長を2期8年勤めあげた民主党候補の柯文哲、iPhoneなどの受託生産で知られる世界的大手EMS(電子機器受託サービス)企業・鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者で無所属のテリー・ゴウこと郭台銘。

 頼清徳は、蔡英文政権の後継者として、現状の政策を維持するとみられている。国防重視の親米派、経済的には中国依存脱却推進。中国の習近平政権は蔡英文も頼清徳も「台独派」として敵視していると、福島さん。

 国民党候補の侯友宜は、中国との対話重視で、中国との経済関係も改善したいとしている。疑米派(米国への国防依存のし過ぎが台湾海峡の平和安定に悪影響をもつという考え)とみなされた時期もあったが、秋に米国訪問もしており、対米関係もそれなりに重視する素振りを見せているのだそうです。

 警察官僚出身の侯友宜は外交経験・センスが乏しい。真面目で朴訥(ぼくとつ)な人柄で有権者人気は決して悪くはない。だが、外省人(国民党とともに中国大陸から台湾に渡った人)ではない国民党の台湾人総統候補は李登輝以来であり、古い国民党支持者や党内の守旧派老人は不満に思っているかもしれない。
 中華民国が唯一の中国という国民党としての「一中原則」は否定していないと、福島さん。

 柯文哲は台北市長2期8年を勤めあげ、自身で「民衆党」を結党。
 中国との対話重視、経済関係回復を目指すところは国民党と共通だ。しかし、国民党と決定的に違うのは「92年コンセンサス放棄」を主張し、台湾人として持つべきコンセンサスは民主的総統選挙がスタートした1996年に誕生したという「96年コンセンサス」を主張している点である。「一つの中国」原則のようなファンタジーは国民党も早々に捨てるべきだとしている。

 この3候補に加えて、国民党の総統候補になれなかった郭台銘が無所属で出馬したが、最終的に出馬登録はしなかった。

 与党の民進党と、野党の国民党・民衆党の間では、対中関係という最大の争点がある。民進党は中国との対立先鋭化を恐れないが、国民党と民衆党は中国との関係改善を目指す。
 野党として国民党・民衆党がとにかく政権を交代させたいという有権者を一つにまとめられれば、民進党優勢が逆転する可能性はあったと、福島さん。

 23日の夕方、台北グランドハイアットで、郭台銘が招集する形で最終の話合いが行われることになったが、密室協議ではなく公開討論で決着をつけることになった。
 内容は、罵り合いなど、実に険悪なものとなった。

 藍白協力がなぜ突然持ち上がり、そしてなぜここまで最悪の形で破局したのかを、少し考えてみたい。少なからぬチャイナウォッチャーたちは、この降ってわいた藍白協力の仕掛人が実は中国当局ではないか、と疑っていると、福島さん。

 米ニューヨーク・タイムズは、藍白協力の破局は、中国の最大の希望も破滅させた、と論評しているのだそうです。
 民進党の頼清徳、そして副総統候補になった蕭美琴はともに中国当局から「独立派」のレッテルを張られた「危険人物」。
 このペアが次の政権になれば、米台軍事協力がさらに推進され、習近平が在任期間中に実現しようともくろむ中台統一が一番やりにくくなることになると、福島さん。
 中国として誰を総統に望んでいたかというと、やはり国民党の侯友宜であろう。なぜなら「一つの中国」「92年コンセンサス」を堅持しているのは国民党だけだからだとも。

 「統一」という言葉は、中華民国も「一つの中国」を主張していなければ、使えない。国民党と共産党はかつて内戦で戦い、国を2つに分けたという歴史があってこその統一であり、仮に中華民国が「一つの中国」に当たらない、というコンセンサスが台湾に確立されれば、中国が台湾を併合することは統一ではなく、侵略と呼ばれるべきだ、となると、福島さん。

 今回の総統選で国民党候補が当選しなければ、あるいは、三つ巴の3番手に落ち、極度に低い投票率で国民党の泡沫化が印象付けられたりすれば、一つの中国と言う概念も統一の根拠も完全に失われてしまうだろう。中国としては何とかしてそれを阻止したいことだろうとも。

 そこで、中国の習近平政権は馬英九前総統を通じて藍白協力を仕掛け、柯文哲総統候補を副総統に取り込もうとしたのではないか、という想像が広がった。11月2日に馬英九基金会執行長の蕭旭峯が北京フォーラム参加のために訪中し、中国国務院台湾事務弁公室幹部らと面会したという報道があったのだそうです。

 馬英九サイドはこの時、中国から何かの指示を受けたのではないか。15日の藍白協力合意後の記者会見の柯文哲の表情があまりに憔悴(しょうすい)しており、そんな憶測が駆け巡ったのだとも。

 藍白協力は決裂。11月24日、民進党、国民党、民衆党の正副総統候補が出そろったあとの民意調査では、なぜか国民党の侯友宜・趙少康ペアの支持率が急上昇していると、福島さん。
 TVBSの調査では民進党ペア支持34%、国民党ペア31%、民衆党ペア23%。これはどういうわけだろうと。
 
 このまま民衆党が脱落し、三つ巴戦拮抗ではなく、民進党VS国民党の対決のかたちになるとしたら、鍵を握るのは民衆党支持者の「棄保」となる。これが、ひょっとすると国民党ではなく、民進党に流れる可能性がある。藍白協力がののしりあうように決裂したため、民衆党支持者としては侯友宜だけは勝たせたくない、と思うかもしれないと、福島さん。

 藍白協力を最悪な形で破壊した民進党にとっての「最大功労者」が、中国との平和協議を公約に掲げて無所属で出馬しようとした郭台銘であったことが興味深い。
 
 10月、ホンハイの中国拠点が中国当局から税務調査や土地利用をめぐる立ち入り検査を受けていることが明らかにされている。これは、ホンハイが中国市場から離脱しようとしているのに対し、中国側が圧力をかけているとみられている。
 郭台銘が中国の一番嫌がることをやってのけたのは、わざとなのか、単に空気が読めないだけなのか。もし来年、頼清徳政権が台湾で誕生したら、民進党は郭台銘に礼を言わねばなるまいと、福島さん。

 国内経済が不調で、追い込まれている習近平。
 毛沢東が国共内戦でなしえなかった台湾併合を成し遂げて、毛沢東、鄧小平と共に偉大な指導者として名をのこしたい。
 台湾総統選では、民進党の勝利を阻止したい習近平。残り時間はありませんが、なにか更なる手を打ってくるのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、台湾総統選への立候補を届け出た与党、民進党の総統候補、頼清徳氏(左)と副総統候補、蕭美琴氏



  この花の名前は、原種クリスマスローズ


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