
米国が離脱後、交渉を重ね大筋合意に漕ぎつけていたCPTPPが、正式合意となる署名式を、来年2月下旬から3月上旬の間にチリで行う方向で調整を進められているのだそうですね。
早期合意に難色を示しているカナダについては、日本政府が説得をつづけるものの、調整が不調に終わった場合はカナダを除く10か国での署名も視野に入れているのだと。
参加国のうち最低6か国の手続きが完了すれば、60日後に発効することになります。
今月妥結した日EUのEPAと、CPTPPとを合算した日本のGDP押し上げ効果は、13兆円になり、当初の米国を含む12ヵ国のTPPで試算されていた、13.6兆円に近づくとの試算も発表されました。
NAFTAでの米国との交渉を控え、CPTPPの早期合意を渋るカナダ。米国抜きでのCPTPPではメリットが薄いとするベトナム等があり、一時は消滅しかけたTPPでしたが、正式合意となる署名式の目途がついてきたことは、アヘノミクス第三の矢で、ようやくらしき経済基盤改革が実現することになりますね。
「一帯一路」政策で、成長するアジア市場に覇権拡大を進める中国に先立ち、貿易圏を稼働させ、自由貿易のスタンダードを打ち出す効果の大きさは、経済効果だけにとどまらない、安全保障も含めた参加諸国の絆が形成されます。
日本の経済効果の試算について、甘いとの批判があるとの事。
たとえ半分しかなくても、なにもせず、中国が覇権を拡大するのを指をくわえてなされるがままに傍観し、少子高齢化で縮小する国内市場と共に経済を縮小して、国力が衰退するがままにすることに比べれば、経済圏を構築・稼働させることに大きな意義はあります。
批判する輩には、市場が縮小する国内経済の中長期ビジョン、覇権を拡大する中国への対抗策の実現可能な代案を示してから批判していただきたい。
安倍政権が提唱し、トランプ大統領も賛同し、インドやオーストラリアも合意する「インド太平洋戦略」。CPTPPをそこまで広げ、EUを離脱した英国のアジア連携も呼び込み、EUとのEPAとも繋げる要に日本がなる。
批判ではなく、未来に向けて、新しい枠組みを構築する方に知恵を絞っていただきたい。
勿論、CPTPPにも、EUとのEPAにもデメリットはあります。国益のぶつかり合いの経済交渉をまとめるなかでは、双方の歩み寄りはいたしかたない。歩み寄りなく、一方的に押し切るのは侵略行為です。
CPTPPやEUとのEPAがなくても高齢化で後継者難の日本の農林業、水産・魚業、畜産業。改革の必要性に迫られている事実は、切迫してきています。この「黒船」を機に改革も進めねばなりません。
2月下旬~3月上旬ごろと見込まれている正式調印。6ヵ国と言わず、できるだけ多くの国が調印参加することを願っています。
# 冒頭の画像は、CPTPPの大筋号に漕ぎつけた時の、ベトナムのアイン商工相(左)と握手する茂木敏充経済再生相

この花の名前は、キショウブ
↓よろしかったら、お願いします。







早期合意に難色を示しているカナダについては、日本政府が説得をつづけるものの、調整が不調に終わった場合はカナダを除く10か国での署名も視野に入れているのだと。
参加国のうち最低6か国の手続きが完了すれば、60日後に発効することになります。
今月妥結した日EUのEPAと、CPTPPとを合算した日本のGDP押し上げ効果は、13兆円になり、当初の米国を含む12ヵ国のTPPで試算されていた、13.6兆円に近づくとの試算も発表されました。
新TPP2月にも署名 日本政府 カナダ説得急ぐ (12/22 読売朝刊一面)
政府は、日本や豪州など11か国が参加する新しい環太平洋経済連携協定(TPP)の正式合意となる署名式を、来年2月下旬から3月上旬の間にチリで行う方向で各国と最終調整に入った。政府は、参加国の中で唯一、早期の合意に難色を示しているカナダの説得を急ぐ方針だが、調整が不調に終わった場合はカナダを除く10か国での署名も視野に入れている。
不参加なら10か国視野
複数の交渉関係者が明らかにした。新協定の名称は「包括的及び先進的なTPP」(CPTPP)。署名式は茂木経済再生相ら各国の閣僚級が出席し、来年2月下旬から3月上旬の間にチリの首都サンティアゴで開催する方向だ。
新協定は署名式の後、各国が協定案の議会承認などを進め、参加国のうち6か国の手続きが完了してから60日後に発効する。日本政府は2018年中にも協定案を国会に提出して承認を得たい考えで、19年中の発効を目指している。
TPPは今年1月の米国離脱で当初の12か国での発効が見通せなくなったため、11か国が改めて交渉を開始し、11月に大筋合意していた。新協定では、米国が強く求めていた知的財産分野の項目などを「凍結」した上で、将来的に関税を撤廃する品目数は旧協定の水準を維持した。
一方で、カナダは交渉中、自国文化を保護する優遇規定を設けるよう強く要求して各国と対立し、大筋合意の後も継続協議となっている。日本政府は近く茂木氏をカナダなどに派遣し、署名に向けて最後の調整にあたる予定だ。
他の参加国は来年前半の署名で一致しており、「交渉の長期化でTPPの機運がしぼむことは避けるべきだ」(交渉筋)として早期の署名を求める声が強まっている。
日本政府はカナダの対応を見極めつつ、早期発効を優先して10か国で署名に踏み切ることも選択肢に入れて調整を進める方針だ。ただ、カナダの国内総生産(GDP)の規模は参加11か国中、日本に次いで2番目に大きく、「カナダ抜きではTPPの経済効果は大きく目減りする」(政府関係者)との指摘も出ている。
日EU・EPAと合わせ 経済効果は13兆円
政府は21日、日本や豪州など11か国による環太平洋経済連携協定(TPP)と、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の経済効果(試算)を発表した。輸出の増加や投資・消費の拡大で、実質国内総生産(GDP)はTPPで約1.5%、EPAでは約1%それぞれ増加する。
2016年度の実質GDPをもとに計算すると、GDPはTPPで7.8兆円、EPAでは5.2兆円押し上げられ、合わせた効果は約13兆円になる。TPPで約46万人、EPAで約29万人の雇用が創出される。
茂木経済再生相は21日の記者会見で、TPPとEPAについて「一時的な需要喚起ではなく、我が国の成長力を持続的に高める」と述べた。
*政府試算
牛肉や乳製品など主な農林水産物への影響については、年間生産額がTPPで約900億~1500億円、日EUのEPAでは約600億~1100億円、それぞれ減少する。海外の安い農林水産物の輸入が増えることで、競合する国産品の価格も低下するためだ。
政府は、日本や豪州など11か国が参加する新しい環太平洋経済連携協定(TPP)の正式合意となる署名式を、来年2月下旬から3月上旬の間にチリで行う方向で各国と最終調整に入った。政府は、参加国の中で唯一、早期の合意に難色を示しているカナダの説得を急ぐ方針だが、調整が不調に終わった場合はカナダを除く10か国での署名も視野に入れている。
不参加なら10か国視野
複数の交渉関係者が明らかにした。新協定の名称は「包括的及び先進的なTPP」(CPTPP)。署名式は茂木経済再生相ら各国の閣僚級が出席し、来年2月下旬から3月上旬の間にチリの首都サンティアゴで開催する方向だ。
新協定は署名式の後、各国が協定案の議会承認などを進め、参加国のうち6か国の手続きが完了してから60日後に発効する。日本政府は2018年中にも協定案を国会に提出して承認を得たい考えで、19年中の発効を目指している。
TPPは今年1月の米国離脱で当初の12か国での発効が見通せなくなったため、11か国が改めて交渉を開始し、11月に大筋合意していた。新協定では、米国が強く求めていた知的財産分野の項目などを「凍結」した上で、将来的に関税を撤廃する品目数は旧協定の水準を維持した。
一方で、カナダは交渉中、自国文化を保護する優遇規定を設けるよう強く要求して各国と対立し、大筋合意の後も継続協議となっている。日本政府は近く茂木氏をカナダなどに派遣し、署名に向けて最後の調整にあたる予定だ。
他の参加国は来年前半の署名で一致しており、「交渉の長期化でTPPの機運がしぼむことは避けるべきだ」(交渉筋)として早期の署名を求める声が強まっている。
日本政府はカナダの対応を見極めつつ、早期発効を優先して10か国で署名に踏み切ることも選択肢に入れて調整を進める方針だ。ただ、カナダの国内総生産(GDP)の規模は参加11か国中、日本に次いで2番目に大きく、「カナダ抜きではTPPの経済効果は大きく目減りする」(政府関係者)との指摘も出ている。
日EU・EPAと合わせ 経済効果は13兆円
政府は21日、日本や豪州など11か国による環太平洋経済連携協定(TPP)と、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の経済効果(試算)を発表した。輸出の増加や投資・消費の拡大で、実質国内総生産(GDP)はTPPで約1.5%、EPAでは約1%それぞれ増加する。
2016年度の実質GDPをもとに計算すると、GDPはTPPで7.8兆円、EPAでは5.2兆円押し上げられ、合わせた効果は約13兆円になる。TPPで約46万人、EPAで約29万人の雇用が創出される。
茂木経済再生相は21日の記者会見で、TPPとEPAについて「一時的な需要喚起ではなく、我が国の成長力を持続的に高める」と述べた。
*政府試算
牛肉や乳製品など主な農林水産物への影響については、年間生産額がTPPで約900億~1500億円、日EUのEPAでは約600億~1100億円、それぞれ減少する。海外の安い農林水産物の輸入が増えることで、競合する国産品の価格も低下するためだ。
新TPP 成長後押し 日EU・EPA合算 牛肉・豚肉・乳製品・木材は打撃 (12/22 読売朝刊)
政府が21日、米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)と、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の経済効果(試算)を発表し、「米国抜き」でも経済成長が加速するとの見通しを示した。ただ、農林水産物への影響では輸入が増えても国内生産量が減少しないことを前提としており、想定通りの効果が出るか不透明だ。 (青木佐知子、福島春菜)
「前提が不自然」指摘も
計13兆円
政府は2015年に、米国を含む12か国のTPPがもたらす経済効果を試算し、この時は実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果が13.6兆円に上るとしていた。
今回は、12か国のGDPの6割を占める米国が抜けたことで、TPPの経済効果が7.8兆円に減少。米国の離脱による押し上げ効果の目減りは4割程度になると分析した。ただ、今月妥結した日EUのEPAの発効で5.2兆円の効果が生まれると見込む。二つの巨大な通商協定の効果を合算すれば計13兆円となる。
日本は、TPPや日EUのEPAなどの通商協定を「成長戦略の柱」と位置づける。茂木経済再生相は21日の記者会見で「早期の発効を実現し、新たな成長の軌道に乗せていきたい」と述べた。
競争
一方、関税の削減や撤廃で、価格が安い海外産との競争にさらされる農林水産物には影響が出る。今回の試算では、現在の関税率が10%以上で、国内生産額が10億円以上の主要品目について分析した。
その結果、TPPは33品目、日EUのEPAでは28品目が該当。大きな影響が見込まれるのが牛肉、豚肉、乳製品、木材の4品目だ。海外産の流入による価格低下などで、TPPでは農林水産物全体の生産額が最大で約1500億円減少する見込みで、このうち4品目が約8割を占める。日EUのEPAでは4品目の割合が約9割に上る。
牛肉は豪州産との激しい竸合が予想され、乳製品でも世界的に人気が高い欧州産チーズとの競争が避けられないためだ。
ただ、農産物の生産量については「体質強化や経営安定対策などの国内対策で維持される」として、全品目で減少しないとの見方を示した。
甘い試算
こうした試算の甘さを指摘する声も少なくない。みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は、両協定の試算が別々になされている点を挙げ、「(TPP加盟国とEUからの)輸入品同士の競合などを想定しておらず、実際の影響額とは大きく異なる可能性がある。国内の生産量が減らないとの前提も不自然だ」と話す。また、今回の試算では、国内の人口減少や生産者の高齢化なども考慮せず、「現実的な数字ではない」との指摘もある。
政府は、TPPなどの通商協定に備えた国内対策として、15年度以降、総額で約1兆円に上る予算措置を講じている。ただ、多くは生産者への補助金など、「守り」の政策が中心だ。通商協定は日本産製品を海外に売り込む絶好のチャンスでもあり、効果を上げるには輸出振興策を含む戦略が求められる。
政府が21日、米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)と、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の経済効果(試算)を発表し、「米国抜き」でも経済成長が加速するとの見通しを示した。ただ、農林水産物への影響では輸入が増えても国内生産量が減少しないことを前提としており、想定通りの効果が出るか不透明だ。 (青木佐知子、福島春菜)
「前提が不自然」指摘も
計13兆円
政府は2015年に、米国を含む12か国のTPPがもたらす経済効果を試算し、この時は実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果が13.6兆円に上るとしていた。
今回は、12か国のGDPの6割を占める米国が抜けたことで、TPPの経済効果が7.8兆円に減少。米国の離脱による押し上げ効果の目減りは4割程度になると分析した。ただ、今月妥結した日EUのEPAの発効で5.2兆円の効果が生まれると見込む。二つの巨大な通商協定の効果を合算すれば計13兆円となる。
日本は、TPPや日EUのEPAなどの通商協定を「成長戦略の柱」と位置づける。茂木経済再生相は21日の記者会見で「早期の発効を実現し、新たな成長の軌道に乗せていきたい」と述べた。
競争
一方、関税の削減や撤廃で、価格が安い海外産との競争にさらされる農林水産物には影響が出る。今回の試算では、現在の関税率が10%以上で、国内生産額が10億円以上の主要品目について分析した。
その結果、TPPは33品目、日EUのEPAでは28品目が該当。大きな影響が見込まれるのが牛肉、豚肉、乳製品、木材の4品目だ。海外産の流入による価格低下などで、TPPでは農林水産物全体の生産額が最大で約1500億円減少する見込みで、このうち4品目が約8割を占める。日EUのEPAでは4品目の割合が約9割に上る。
牛肉は豪州産との激しい竸合が予想され、乳製品でも世界的に人気が高い欧州産チーズとの競争が避けられないためだ。
ただ、農産物の生産量については「体質強化や経営安定対策などの国内対策で維持される」として、全品目で減少しないとの見方を示した。
甘い試算
こうした試算の甘さを指摘する声も少なくない。みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は、両協定の試算が別々になされている点を挙げ、「(TPP加盟国とEUからの)輸入品同士の競合などを想定しておらず、実際の影響額とは大きく異なる可能性がある。国内の生産量が減らないとの前提も不自然だ」と話す。また、今回の試算では、国内の人口減少や生産者の高齢化なども考慮せず、「現実的な数字ではない」との指摘もある。
政府は、TPPなどの通商協定に備えた国内対策として、15年度以降、総額で約1兆円に上る予算措置を講じている。ただ、多くは生産者への補助金など、「守り」の政策が中心だ。通商協定は日本産製品を海外に売り込む絶好のチャンスでもあり、効果を上げるには輸出振興策を含む戦略が求められる。
NAFTAでの米国との交渉を控え、CPTPPの早期合意を渋るカナダ。米国抜きでのCPTPPではメリットが薄いとするベトナム等があり、一時は消滅しかけたTPPでしたが、正式合意となる署名式の目途がついてきたことは、アヘノミクス第三の矢で、ようやくらしき経済基盤改革が実現することになりますね。
「一帯一路」政策で、成長するアジア市場に覇権拡大を進める中国に先立ち、貿易圏を稼働させ、自由貿易のスタンダードを打ち出す効果の大きさは、経済効果だけにとどまらない、安全保障も含めた参加諸国の絆が形成されます。
日本の経済効果の試算について、甘いとの批判があるとの事。
たとえ半分しかなくても、なにもせず、中国が覇権を拡大するのを指をくわえてなされるがままに傍観し、少子高齢化で縮小する国内市場と共に経済を縮小して、国力が衰退するがままにすることに比べれば、経済圏を構築・稼働させることに大きな意義はあります。
批判する輩には、市場が縮小する国内経済の中長期ビジョン、覇権を拡大する中国への対抗策の実現可能な代案を示してから批判していただきたい。
安倍政権が提唱し、トランプ大統領も賛同し、インドやオーストラリアも合意する「インド太平洋戦略」。CPTPPをそこまで広げ、EUを離脱した英国のアジア連携も呼び込み、EUとのEPAとも繋げる要に日本がなる。
批判ではなく、未来に向けて、新しい枠組みを構築する方に知恵を絞っていただきたい。
勿論、CPTPPにも、EUとのEPAにもデメリットはあります。国益のぶつかり合いの経済交渉をまとめるなかでは、双方の歩み寄りはいたしかたない。歩み寄りなく、一方的に押し切るのは侵略行為です。
CPTPPやEUとのEPAがなくても高齢化で後継者難の日本の農林業、水産・魚業、畜産業。改革の必要性に迫られている事実は、切迫してきています。この「黒船」を機に改革も進めねばなりません。
2月下旬~3月上旬ごろと見込まれている正式調印。6ヵ国と言わず、できるだけ多くの国が調印参加することを願っています。
# 冒頭の画像は、CPTPPの大筋号に漕ぎつけた時の、ベトナムのアイン商工相(左)と握手する茂木敏充経済再生相

この花の名前は、キショウブ
↓よろしかったら、お願いします。



