遊爺雑記帳

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中国が危機を大惨事に変えかねない時代が到来

2023-10-27 01:33:55 | 台湾海峡危機
 中東で展開している直近の戦争の恐怖に世界の目がくぎ付けになっている間、中国は南シナ海で忙しく勢力圏の限界に挑んでいた。南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺で中国が領有権を主張する公海上で22日、同国海警局の船舶と別の中国船がフィリピンの補給船と沿岸警備隊の船舶にそれぞれ衝突した。米国務省は、中国の行為が「国際法に違反している」という重大な指摘をしたが、中国は意に介していないようだと、WSJのウォルター・ラッセル・ミード氏。
 
【オピニオン】中国が危機を大惨事に変えかねない理由 - WSJ
台湾巡る戦争が起きれば、アジアと世界の経済に壊滅的な打撃 ウォルター・ラッセル・ミード 2023年 10月 24日

 中東で展開している直近の戦争の恐怖に世界の目がくぎ付けになっている間、中国は南シナ海で忙しく勢力圏の限界に挑んでいた南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺で中国が領有権を主張する公海上で22日、同国海警局の船舶と別の中国船がフィリピンの補給船と沿岸警備隊の船舶にそれぞれ衝突した。米国務省は、中国の行為が「国際法に違反している」という重大な指摘をしたが、中国は意に介していないようだ

 このコラムの読者なら知っている通り、
ジョー・バイデン米大統領が就任して以降に起きている最も重要な国際情勢の変化は米国の抑止力の低下だウクライナでの戦争、そして中東での混乱と流血の惨事の激化は、米国の力と政策ではもはや修正主義勢力を抑制できなくなった状況下での人的・経済的代償を示している

 米政府の関心は当然のことながら、中東で紛争が拡大する恐れに向けられている。そうなれば、人的・経済的被害は甚大となり、米国が紛争に巻き込まれる可能性がある。しかし、
米国の抑止力低下を受けて、中国と北朝鮮が極東地域で戦争を仕掛ければ、桁違いに深刻な大惨事となるだろう

 
筆者は過去2週間で、真珠湾・東京・ソウルを訪問した。このときに面会した米国や日本、韓国の当局者とシンクタンクの人々は相次いで、筆者の頭に二つの考えをたたき込んだ一つ目は、台湾を巡る戦争が、ウクライナでの戦争や中東でのより広範な地域戦争をも上回る、はるかに深刻な影響を世界経済に与えるとの考えだった。二つ目は、われわれの安全域は狭まっている、つまり、極東における米国の抑止力は低下しているという考えだった。少なくとも今後数年間に関しては、幾分好都合な長期トレンドがあるものの、中国と北朝鮮が米国とその同盟国の意志と力を試したいと考える理由が増える公算は大きい

 
中国が台湾を力ずくで統一することを決めた場合、中国には大きく分けて二つの選択肢がある直接侵攻するか、封鎖を試みるかだ。台湾は必要とするエネルギーの97%を輸入しているほか、食料も輸入に頼っているため、こうした封鎖に脆弱(ぜいじゃく)だ。しかし、台湾だけが影響を受けるわけではない。中国が侵攻と封鎖のどちらを選んだとしても、地域および世界に及ぶ悪影響は、第2次世界大戦以降で最大の国際経済への衝撃になるとみられる。

 地域的に見た場合、
南シナ海および台湾周辺海域の封鎖が国際貿易にもたらす打撃は甚大になるだろう。韓国、日本はいずれも輸入燃料や食料への依存度が極めて高い。両国の経済は原材料を輸入して完成品を輸出する国内有力メーカーの能力に依存している。海上輸送が停止されれば両国の経済は事実上、瀕死状態となり、何千万人もの人々が自宅を暖めたり、車を使ったり、子供たちに食事を与えたりするのが困難になる恐れがある。

 
米軍の韓国向け兵員増強や物資補給が著しく困難になった場合、北朝鮮が世界的および地域的な混乱の中に隙を見つけ、攻撃の機会として利用することも、あり得なくはない

 
中国もまた、打撃を受けるかもしれない船舶は戦争地域を通過して上海、青島、天津などに航行することができなくなるだろう。米国は中国への制裁に加え、戦争を遂行する上で重要と思われる物資を中国へ供給しようとする船舶に対し、封鎖措置を講じる可能性が大きい。

 
こうした状況は世界の他の地域にとって、サプライチェーン(供給網)に関する大問題となる。多くの産業と消費者向け製品にとって不可欠な台湾製の半導体から、中国・日本・韓国で生産されるすべての物品に至るまで、極東地域の製品は倉庫や商店の棚から消え失せることになる。世界的に見ると、これら諸国・地域向けの原材料のメーカーに加え、大豆や穀物などの農産物の生産者も、主要市場にアクセスできなくなる

 サプライチェーンの目詰まりや遮断によって物品市場が大混乱に陥る中で、追い打ちを掛けるように、
戦争の金融市場への打撃が世界中の中央銀行に対処困難な課題を突き付ける恐れがある株価は暴落し、外為市場は混乱するだろう。中国や日本などの借り手国が戦時体制に移行し、アジア経済に依存する企業が債務のやりくりに苦しむ中で、債券市場は崩壊するだろう。

 
われわれの多くは、長く続いた平和な時代によって慢心状態に陥っていたため、直面する危険をまだ十分に認識できていないロシアのウラジーミル・プーチン大統領が主導するウクライナ侵略と、イスラム組織ハマスのイスラエル攻撃によって、考えられないような事態が一夜にして現実になり得る時代にわれわれが生きていることが明白になったはずだ。この時代には、米核戦略家ハーマン・カーン氏が言っていたような「考えられないような事態について考える」ことを学ぶだけでは不十分だ。そうした事態への準備を整えることも必要になっている

***

――――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

 バイデン米大統領が就任して以降に起きている最も重要な国際情勢の変化は米国の抑止力の低下だ。ウクライナでの戦争、そして中東での混乱と流血の惨事の激化は、米国の力と政策ではもはや修正主義勢力を抑制できなくなった状況下での人的・経済的代償を示していると、ウォルター・ラッセル・ミード氏。

 米政府の関心は当然のことながら、ウクライナや中東で紛争が拡大する恐れに向けられている。
 しかし、米国の抑止力低下を受けて、中国と北朝鮮が極東地域で戦争を仕掛ければ、桁違いに深刻な大惨事となるだろうと、ミード氏。

 過去2週間で、真珠湾・東京・ソウルを訪問した。このときに面会した米国や日本、韓国の当局者とシンクタンクの人々は相次いで、筆者の頭に二つの考えをたたき込んだと、ミード氏。
 一つ目は、台湾を巡る戦争が、ウクライナでの戦争や中東でのより広範な地域戦争をも上回る、はるかに深刻な影響を世界経済に与えるとの考えだった。
 二つ目は、われわれの安全域は狭まっている、つまり、極東における米国の抑止力は低下しているという考えだったと。

 中国が台湾を力ずくで統一することを決めた場合、中国には大きく分けて二つの選択肢がある。直接侵攻するか、封鎖を試みるかだ。
 
 中国が侵攻と封鎖のどちらを選んだとしても、地域および世界に及ぶ悪影響は、第2次世界大戦以降で最大の国際経済への衝撃になると、ミード氏。

 南シナ海および台湾周辺海域の封鎖が国際貿易にもたらす打撃は甚大になるだろう。韓国、日本はいずれも輸入燃料や食料への依存度が極めて高い。
 海上輸送が停止されれば両国の経済は事実上、瀕死状態となる。

 米軍の韓国向け兵員増強や物資補給が著しく困難になった場合、北朝鮮が隙を見つけ、攻撃の機会として利用することも、あり得なくはない。

 中国もまた、打撃を受けるかもしれない。船舶は戦争地域を通過して上海、青島、天津などに航行することができなくなるだろう。米国は中国への制裁に加え、戦争を遂行する上で重要と思われる物資を中国へ供給しようとする船舶に対し、封鎖措置を講じると、ミード氏。

 こうした状況は世界の他の地域にとって、サプライチェーン(供給網)に関する大問題となる。
 台湾製の半導体から、中国・日本・韓国で生産されるすべての物品に至るまで、極東地域の製品は倉庫や商店の棚から消え失せることになる。
 これら諸国・地域向けの原材料のメーカーに加え、大豆や穀物などの農産物の生産者も、主要市場にアクセスできなくなる。
 
 追い打ちを掛けるように、戦争の金融市場への打撃が世界中の中央銀行に対処困難な課題を突き付ける恐れがある。株価は暴落し、外為市場は混乱。アジア経済に依存する企業が債務のやりくりに苦しむ中で、債券市場は崩壊するだろうと、ミード氏。

 われわれの多くは、長く続いた平和な時代によって慢心状態に陥っていたため、直面する危険をまだ十分に認識できていない。ロシアのプーチン大統領が主導するウクライナ侵略と、イスラム組織ハマスのイスラエル攻撃によって、考えられないような事態が一夜にして現実になり得る時代にわれわれが生きていることが明白になったはずだ。
 この時代には、米核戦略家ハーマン・カーン氏が言っていたような「考えられないような事態について考える」ことを学ぶだけでは不十分だ。そうした事態への準備を整えることも必要になっていると、ミード氏。

 平和ボケは、日本について言われ続けていること。
 G7で、メルケル氏とトランプ氏の議論の仲裁をしていた安倍氏を失った日本。その後を「けんとうし」の岸田氏に託すこととなっている日本。
 かつてない世界情勢の激動の中。しかも経済成長の鈍化でピンチの習近平の中国の台湾侵攻(≒日本侵攻)の危機をはらむ日本。
 激動情勢への準備を整えることは必須なのですが。。

 防衛費、子育て支援で増税を唱えていましたが、世論の支持率低下で、慌てて付け焼刃の減税を唱える定見なき政策変更の岸田政権。大丈夫??



 # 冒頭の画像は、南シナ海で衝突したフィリピンの補給船(左)と中国海警局の船舶(22日)



  この花の名前は、シロヨメナ


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