遊爺雑記帳

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ゼロコロナ撤廃、習氏を待つ落とし穴

2022-12-22 01:36:57 | 中国 全般
 中国政府が、「ゼロコロナ」政策を実質的に撤廃した。習近平国家主席は蛮勇を振るい無鉄砲な行動に出たといえると、エドワード・ルトワック氏。
 産経新聞東京本社編集局副編集長兼外信部編集委員の黒瀬氏がインタビュー記事を書いておられます。
 習近平は、ゼロコロナ政策への不満から立ち上がった民衆を、抑えきれないと、政策転換したと。
 
【世界を解く-E・ルトワック】ゼロコロナ撤廃、習氏を待つ落とし穴 - 産経ニュース 2022/12/20 16:16 黒瀬 悦成;産経新聞東京本社編集局副編集長兼外信部編集委員

 中国政府が新型コロナウイルス感染の徹底的な押さえ込みを目指す「ゼロコロナ」政策を実質的に撤廃した習近平国家主席は蛮勇を振るい無鉄砲な行動に出たといえる。

 
中国では高齢化が着実に進んでいる。多数の老齢人口を抱える一方で、ワクチンの接種率は米国や日本に比べて非常に低い。高齢者の多くが一度も接種を受けていないと聞く。しかも中国製のワクチンは米欧製に比べて半分程度の効き目しかないとされる

 
こうした状況下でコロナ規制を緩めれば、感染拡大のリスクが一気に上昇するのは避けられない

 
習体制は、市民らの大規模抗議を受けて規制緩和に踏み切った。それは理解できるし、米欧や日本の人々は、習氏が民衆の主張を聞き入れたことに文句は言えない。その意味で習氏の行動は理にかなっている

 だが
理にかなっていないのは、習氏がこれまで効果の高い外国製ワクチンの輸入を拒否し続け、接種率向上に取り組んでこなかったことだ

 中国在住の友人から聞いた話では、
中国人が中国製ワクチンを打ちたがらないのは、米欧などで言われるような有効性の問題を通り越して、有害だと信じ込んでいるからだ。この傾向はウイグル族やチベット族など中国全土の少数民族の間で特に強いという。

 
中国で少数民族の総数はチワン族2千万人を含め1億人を超えるが、彼らは中国の人口の9割以上を占める漢民族が少数民族の人口抑制を図っているとして、強い不信感を抱いている

 中国での
コロナ規制の緩和が大胆な博打(ばくち)であると考えるもう一つの理由は、中国では北京や上海といった大都市以外は医療水準が非常に貧弱であることだ

 オミクロン株など次々と登場する新たな変異株は、以前より感染力が強いものの有毒性は低下した、との指摘もある。そうであることを望みたいが、
中国では低い接種率に効き目の薄いワクチン、劣悪な医療環境といった悪条件が重なり、多数の感染者と死者が出る恐れを排除できない

 
習体制がゼロコロナ政策の緩和に動いたのは、中国当局の法執行体制が大規模な抗議デモを鎮圧するには弱体であることが判明したという事情もある

 
中国の独裁体制はハイテクを駆使して市民らを徹底監視することで成り立っている。半面、銃で武装してデモや暴動の鎮圧にあたる人民武装警察部隊(武警)の総数は約150万人で、総人口に占める割合は小さい。例えばイタリアの人口は中国の24分の1だが、武装警察は中国の1割にあたる約15万人もいる。

 
中国の警察が従来とってきた監視や威圧による恐怖支配は、大規模デモの前には無力であることが判明した。だからこそ習氏は民衆の圧力に抗することはできないと判断したのだ。

 
習氏はいま、岐路に立っている

 市民らを恐怖で押さえつけ、屋内にとどまらせている限り、習氏は皇帝でいることができる。だが
習氏は、ひとたび立ち上がった怒れる民衆を押さえる警察力を持ち合わせていないことを思い知らされた

 また、
習氏は新型コロナ対策で中国が先進諸国よりも進んでいると誇示しようと、「国家の威厳」にこだわって外国製ワクチンの輸入を拒み続けてきた。習氏はそのツケを支払わされている。中国ではワクチンの接種証明を闇で安価で入手できるとされ、実際の接種率は公式発表よりもさらに低い可能性がある

 
中国でのコロナ規制の緩和は、習体制に締め付けられてきたIT企業経営者ら有能な人材の国外流出が加速するという副産物も生み出している

 中国ネット通販最大手のアリババ集団を創業した
馬雲(ジャック・マー)氏は既に半年前から東京都内に一時滞在している。

 そして、
馬氏の後を追うように多くのハイテク起業家らがシンガポールやカナダ、オーストラリアに投資家ビザを取得するなどして静かに脱出している。馬氏のように富豪だという理由で習氏に目を付けられ、財産と社会的地位を失いたくないからだ。

 
習氏に引導を渡せるのは中国共産党の長老だけだったが、習氏は先の党大会で胡錦濤前国家主席を政治的に公開抹殺した。江沢民元国家主席は死去した。

 
だが、約20%に上る若者の失業率や新型コロナ緩和策がどう転ぶかで、習氏の未来は見通せなくなった。習氏自身、明日の自分の身に何が起きるのか予想がつかないはずだ。(聞き手 黒瀬悦成)

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エドワード・ルトワック 米歴史学者。米国家安全保障会議(NSC)などでコンサルタントを務め、現在は政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)上級顧問。安倍晋三元首相に戦略に関して提言していた。1942年生まれ。

 中国では高齢化が着実に進んでいる。多数の老齢人口を抱える一方で、ワクチンの接種率は米国や日本に比べて非常に低い。高齢者の多くが一度も接種を受けていないと聞く。しかも中国製のワクチンは米欧製に比べて半分程度の効き目しかないとされるのが現状。

 中国人が中国製ワクチンを打ちたがらないのは、米欧などで言われるような有効性の問題を通り越して、有害だと信じ込んでいるから。この傾向はウイグル族やチベット族など中国全土の少数民族の間で特に強いのだそうです。

 また、大都市以外は医療水準が非常に貧弱であることから、ゼロコロナの圧政で感染を防がざるを得ないところもある。

 中国では低い接種率に効き目の薄いワクチン、劣悪な医療環境といった悪条件が重なり、多数の感染者と死者が出る恐れを排除できない。

 そこへ、圧政に耐えかねた市民らの大規模抗議。
 習体制がゼロコロナ政策の緩和に動いたのは、中国当局の法執行体制が大規模な抗議デモを鎮圧するには弱体であることが判明したという事情もあると。

 天安門事件の再来を恐れたのでしょう。

 中国の独裁体制はハイテクを駆使して市民らを徹底監視することで成り立っている。半面、銃で武装してデモや暴動の鎮圧にあたる人民武装警察部隊(武警)の総数は約150万人で、総人口に占める割合は小さいのだそうです。 
 
 市民らを恐怖で押さえつけ、屋内にとどまらせている限り、習氏は皇帝でいることができる。だが習氏は、ひとたび立ち上がった怒れる民衆を押さえる警察力を持ち合わせていないことを思い知らされた。
 中国の警察が従来とってきた監視や威圧による恐怖支配は、大規模デモの前には無力であることが判明した。だからこそ習氏は民衆の圧力に抗することはできないと判断したのだと。

 習氏に引導を渡せるのは中国共産党の長老だけだったが、習氏は先の党大会で胡錦濤前国家主席を政治的に公開抹殺した。江沢民元国家主席は死去した。
 
 しかし、民衆の圧力には屈し、政転換。(党大会までは、意地でも政策変更は出来なかったが、大会で独裁体制構築後には、世界の流れの様にウイズコロナへの転換も目論んでいた??)
 
 習氏はいま、岐路に立っているとも。
 
 だが、約20%に上る若者の失業率や新型コロナ緩和策がどう転ぶかで、習氏の未来は見通せなくなった。習氏自身、明日の自分の身に何が起きるのか予想がつかないはずだと。

 党大会での党人事を左右する、北戴河会議では習近平の続投について、経済の回復が条件付けられたと見聞します。
 今回、日本の防衛 3文書で、対中警戒が強化されたことに対し、珍しく通りいっべの反論で済ませているのは、対日貿易の中国経済への影響を配慮していると想像するのは、遊爺の素人邪推でしょうか。



 # 冒頭の画像は、白紙デモの様子



  フイリモチツツジの紅葉


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