遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国・コロラド州の農家が分離独立して51番目の州設立を希望。その裏にあるのは未来の米国の縮図。

2013-11-07 23:23:45 | my notice
 米国で、州の政策がそぐわないということで、分離独立して新しく51番目の州を設立しようと、住民投票が行われたのだそうです。
 市町村合併が流行る中で、あえて合併しないと言う話や、大阪都構想の現状でも堺市の統合拒否の様に、日本では統合拒否の話はありましたが、独立して新しい新しい県になりたいといった話は聞いたことがありません。
 そんなことの可能性があると言うのも米国らしい話ですが、住民投票の行動がなされた背景には、米国の将来の縮図が見え隠れしているのですね。
 今始まった、中間選挙の前哨戦の動向にも、その気配は垣間見られる様です。
 人口が増えている米国は、将来変わっていくのでしょうか。
 

米農村「51番目の州」目指す コロラド州 分離是非問う住民投票 白人保守層、リベラル色に反発 (11/7 読売朝刊)

 【アクロン(米コロラド州)=水野哲也】米西部コロラド州の農村部にある11か所の郡で5日、州から分離して新しい州を作ることの是非を問う住民投票が行われた。地元テレビ局「デンバー・チャンネル」の集計では、5か所前後の郡で賛成票が過半数に達する見通し
だ。実際には州議会や米議会の承認が必要で実現の可能性は低いが、銃規制などオバマ政権下で進むリベラルな政策に対し、共和党を支持する地方白人保守層の反発の強さが浮き彫りになった。

「断然イエスよ。離脱した方がいいわ。我々は農家。都会の人とは価値観が違うのよ」。州都デンバーから東に約150キロのワシントン郡アクロン。アンバー・チャップマンさん(20)は投票を終え、口調を強めた。
 同郡は人口約4800人。主要産業は農業で、見渡す限りの農地が広がる。住民の多くは白人保守層で、昨年の米大統領選では共和党のロムニー候補の得票率は約8割に上った。
 住民投票は、州北部の農村地帯にあるウェルド郡の議員が「51番目の州イニシアチブ」として呼びかけて、ワシントン郡を含め、白人が多い11か所の郡が賛同。5日に行われた地方選挙に合わせ、分離して新しい州を作ることに賛同するかどうかを住民投票ではかった。
 
背景には、オバマ政権やリベラル色を強める州政府への反発がある。同州では昨年、娯楽用の大麻の使用を合法化。昨年7月の同州オーロラ市での銃乱射事件などを受けて、銃販売の際の身元照会など、銃規制を強化した。農村部では「銃を所持しているが、都市部の住民がなぜ私の生活をあれこれいう資格があるんだ
。郡には分離に向けて頑張ってほしい」(36歳の農家男性)と不満が強い。
 こうした
リベラル色が強い政策が打ち出されたのは、移民の増加などで都市の住民が増え、これまで共和党が強かった同州議会で、民主党が多数派を握るようになったため
だ。同郡の幹部は「分離の実現の可能性が低いのは分かっているが、我々の声を聞いてもらう唯一の方法だ」と語った。
 運動を推進するウェルド郡のジェフリー・ヘアー議員は「今日の投票は州政府と話をしていくスタート。我々の声がとても重要だという強いメッセージになった」と話した。


都市に移民 発言力低下に焦り

 
今回の住民投票の根底にあるのは、人口構成の変化に対する白人保守層の危機感であり、地方と都市の対立の構図
だ。
 米国では、ヒスパニック系などが移民の増加や高い出生率で人口を伸ばし、
2050年頃には非ヒスパニック系の白人が5割を切る
と予想されている。ヒスパニック系などのマイノリティーは社会保障の充実などを掲げる民主党を支持する傾向があり、国家の干渉や役割を減らす「小さな政府」を掲げる共和党を支持する白人保守層は、政治的な影響力の低下に強い焦りを抱いている。
 一方、伝統的な農業地帯であるコロラド州でも最近は都市部の人口増に伴って農村部の人口の割合が低下。州からの分離という極端な政治手法を模索するのは、農村部の白人保守層が発言力の低下に危機感を抱いていることを表している。
 今回の住民投票について、コロラド大学デンバー校のマイケル・カミングス教授は「人口構成の変化は他の多くの州で起きており、今後も続く。これは
共和党には逆風であり、保守層の不満は高まっていくだろう」と指摘する。

 民主主義の国ですから、国民の投票で政党の政策が選択されるのは、当然のことです。
 国民の人口の変化が、昔から住んでいる国民の子孫ではなく、移民やその子孫の増加によって変われば、それに比例して国の政策の選択が変わるのも道理ですね。
 韓国系住民の比率が高くなった自治体で、慰安婦像が設置されている所以です。
 リベラルで低所得者層に厚い政策の民主党が伸びて、保守で小さな政府を唱える共和党の支持者の構成比は縮小していくのです。
 極言のご非難をかくごで一言で表せば、世界の警察を自他ともに認めて、国益を求めて世界中に影響力を及ぼした国策が、国内の福祉重視で内向きの国に変わる可能性を示唆しています。
 それが、中間選挙の前哨戦にも垣間見られるのです。
 
ティーパーティー運動の衰退 : 今を読む:YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 小さな政府を標榜し、保守色を強く打ち出しブームを巻き起こした茶会派が衰退し、茶会派の候補を立てた共和党候補が民主党候補に敗れています。
 

米バージニア知事選 民主、茶会系候補破る 中間選挙前哨戦 共和の強硬路線逆風 (11/7 読売朝刊)

 
【タイソンズコーナー(米バージニア州)=白川義和】来年の中間選挙の前哨戦となる米バージニア州知事選が5日、投開票され、オバマ政権の与党・民主党候補が野党・共和党の保守強硬派「茶会運動」系候補に僅差で勝利した。ニュージャージー州知事選では、共和党現職の穏健派が圧勝した。共和党内で「茶会系候補では選挙に勝てない」との主張が広がるのは確実で、中間選挙や2016年大統領選への課題となった。

 バージニア州知事選で当選した民主党のテリー・マコーリフ氏(56)(元民主党全国委員長)は同州タイソンズコーナーでの勝利演説で「私はすべての州民の知事になる」と述べ、共和党との協力を約束した。共和党候補ケン・クッチネリ氏(45)(州司法長官)は選挙戦で、争点となったオバマ政権の医療保険改革「オバマケア」への反対を掲げ、敗北宣言でも「このメッセージは今夜、全米に広がる」と述べるなど、政権との対決姿勢を崩さなかった。
 同州知事選は大統領選の翌年に行われ、1977年以降は、前年の大統領選で負けた政党の候補が当選していた。今回、「法則」が崩れ、大統領と知事がともに民主党となったのは、共和党の強硬路線によって政府機能が一部停止に追い込まれたとみる有権者の不満の表れといえる。マコーリフ氏はこうした強硬路線を批判した。
 クッチネリ氏は、政府の役割を最小限に抑えるべきだと主張する「茶会運動」の支援で共和党内の候補争いに勝ち、選挙戦でもランド・ポール、マルコ・ルビオ両上院議員ら茶会系の大物が応援した。しかし、首都ワシントンに接する同州北部では政府職員や政府関連の仕事につく人が多く、茶会系議員によって政府機能が停止したとの見方から、選挙戦では逆風になった。
 米CNNの出口調査では、クッチネリ氏は穏健派の支持は34%、女性の支持も42%にとどまり、人工妊娠中絶反対などの主張への反発が.示された。それでも、事前の予想を覆す接戦となったのは、保険加入サイトの故障などでオバマケアに対する有権者の不満が高まっているためとみられる。


 ニューヨーク市長選では、貧富の格差を取り上げて、富裕層への増税など、リベラル色の強い政策を掲げた、反米左派支援経験のあるデブラシオ氏が、1989年以来の24年ぶりに民主党候補者の勝利を勝ち取りました。
 

NY市長 民主奪還 24年ぶり勝利 デブラシオ氏 反米左派 支援経験も (11/7 読売朝刊)

 
【ニューヨーク=加藤賢治】米ニューヨーク市で5日、任期満了に伴う市長選の投開票が行われた。複数の米主要メディアによると、民主党の市政監督官ビル・デブラシオ氏(52)が、共和党の元副市長ジョー・ロタ氏(59)らを破り、初当選を確実にした。同市長選での民主党候補の勝利は1989年以来、24年ぶり。来年1月1日に市長に就任する。任期は4年。
 デブラシオ氏は5日夜、支持者を前に「市民は革新の道を選択した」と勝利演説した。同氏は、マイケル・ブルームバーグ市長(71)の3期12年の任期中に貧富の格差が広がった点を批判し、年収50万ドル(約4930万円)以上の富裕層への増税など、リベラル色の強い政策を掲げた。出口調査によると、黒人の96%、ヒスパニック(中南米系)の85%が同氏を支持した。現市政からの「変化」を求める有権者の支持票も集めた。
 デブラシオ氏は1980年代後半~90年代初め、ニカラグアの反米左派「サンディニスタ民族解放戦線」の支援活動に参加。欧州の社会民主主義を理想に掲げるなど米国では異色な経歴だ。2000年にニューヨーク州の連邦議会上院選に出馬したヒラリー・クリントン氏の選挙参謀を務めた。
 妻のシャーレーン・マクレイさんは、一時、同性愛者を公言していた黒人。口説いて結婚したエピソードも、有権者には好感を持って受け入れられた。


 一方で、本来民主党の基盤とされるニュージャージー州知事選で、茶会派とは距離を置く共和党穏健派のクリス・クリスティー氏が、女性や中南米系からも民主党候補より高い支持を得て再選されたのだそうです。
 

ニュージャージー 共和・穏健派知事が再選 次期大統領選 動向注目 (11/7 読売朝刊)

 
ニュージャージー州知事に再選された共和党のクリス・クリスティー氏(51)は昨年10月の暴風雨への対応でオバマ大統領と協力し、高く評価された。茶会と距離を置く穏健派で、16年大統領選の候補に目されている。
 CNNの出口調査では、民主党が強い女性や中南米系からも、民主党候補より高い支持を得ていた。同州のような民主党の強固な地盤で共和党が勝つ手本となった。
 さらに、共和党地盤の南部アラバマ州では5日、連邦下院補選の共和党候補を決める決選投票で、茶会系がビジネス重視の穏健派に敗れた。政権との対決姿勢と保守イデオロギーを貫く茶会系が候補争いで優位に立つ状況から、「勝てる候補」重視の流れに転換するのか、党内で激しい論争が展開されそうだ。
 

 外交の軸を日米同盟とし、大きく米国に依存している日本。内向きになる米国の傾向から受ける影響は、大きなものとなります。
 自立する日本への転換が必要となりますね。



 # 冒頭の画像は、ニューヨーク市長選に勝利したビル・デブラシオ氏




  この花の名前は、マツバギク


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1 コメント

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転身 (RYU)
2013-11-08 15:50:50
遊爺さま、こんにちは。

経済的中心でもなく、政治的中枢でもない、コロラドからこのような動きが出て来たのは、オバマ政治の質実や徳はともかくとして、格差を主題とした新自由主義に対するアメリカ社会全体の膿みが出たからではないかと思います。経済も重要だとは思いますが、個人の尊厳、とりわけ、保守派が守って来た伝統を存続させて行く事が、政治の仕事の一つだと思います。
これが日本であれば、左派政党の旗揚げという事になると思いますが、姉妹都市や経済提携など民間外交に権限上の制約は無いわけで、国境を超えた個の紐帯や自治体間での繋がりによって、国益に反しない限り、地域接近の政治が行われる事を望みます。また、国権に与する国会議員以外で、自治体首長や地方議員への転身によって、非政府のネットワークを作って良い時代だと思います。
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