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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

台湾民進党の蔡英文氏が就任 露骨な締め付けの中国

2016-05-21 23:58:58 | 中国 全般
 台湾総統選で政権交代を成し遂げた、民進党の蔡英文氏が就任しました。
 中国は早速新政権いじめを始め、手始めに航空便を削減し訪台観光客を減らす北風政策を進めています。その脅迫が逆効果となり反中感情を高めるのか、兵糧攻めが功を奏すのかは、中国依存の減少を進める蔡新政権への、日米をはじめとする自由主義陣営の国々の支援次第となります。日本の対応が重要となります。
 

中国とのつきあいに腐心する台湾新総統 (5/21 日本経済新聞 社説)

 台湾の新総統に民進党の蔡英文氏が就任した。中国と距離を置く民進党による8年ぶりの政権奪回である。台湾の行方は、アジア・太平洋の経済、安全保障に大きな影響を及ぼす
。初の女性総統による新思考に基づく政権運営に期待したい。
 国民党の馬英九前総統は昨年、中国共産党の習近平総書記(国家主席)とのトップ会談に踏み切るなど、中国大陸との関係強化を進めた。だが、台湾の有権者は急速な対中接近を警戒。台湾の景気低迷への批判も加わり、台湾独立志向の民進党に政権を託した。

 
就任演説の注目点は中国大陸との付き合い方
だった。大陸側は1992年の会談で中台を不可分の領土とする「一つの中国」の原則を確認したとしている。この「92年コンセンサス」を認めるよう台湾新政権に迫るとともに、「一つの中国」を前提としていると見なす現行憲法の尊重も求めていた。
 
蔡総統は、92年に会談した事実と、若干の共通認識に言及し、引き続き平和的で安定した中台関係の発展を目指すとした。「現行の憲政体制」にもあえて触れた。「一つの中国」は認めなかったものの、一定の範囲で中国側の主張にも配慮する工夫が見られる

 中国との関係で
新しい世代の考え方を取り入れる「新思考」を探る一方、安定的な政権運営に腐心する様子がうかがえる。「現状維持」を望む有権者の声にも耳を傾ける努力
は評価に値する。
 
問題は中国大陸側の反応だ。武力行使の可能性をにじませる威圧的な態度をとることもあったが、それが逆効果なのは先の台湾総統選で証明されている
。中国にはアジアの安定に資する慎重な行動を望む。
 台湾経済は輸出の不振で低迷している。中国経済の減速も響いた。
総統選の結果が判明した後は、中国当局の意向もあり、中国からの観光客は大きく減っている

 蔡政権にとっては構造改革を通じた経済立て直しが大きな課題だ。演説で触れた環太平洋経済連携協定(TPP)への参加も積極的に検討すべきだろう。
 
蔡総統は日本や米国など民主国家との緊密な協力も強調した。日本と台湾の間に外交関係はない。とはいえ台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収するなど経済関係は強まりつつある。今後も経済、文化、人の交流の面で密接な関係を築く必要
がある。

 蔡政権、中国依存脱却急ぐ=観光客減少、新市場開拓へ-台湾:時事ドットコム

 「一つの中国」を認めず、独立志向は抑え、現状維持の国民の声を尊重する蔡総統の就任演説が注目されましたが、中国との関係に配慮もなされたもので、李登輝元総統からは、「とても良い。百点満点だ」と評価されるものでした。
 台湾の輸出の4割が中国向け(含香港)で、中国経済成長の失速が台湾経済に及ぼした影響が大きく、それが中国依存の馬政権にダメージを与えた一因でもありました。韓国同様に中国経済の動向がまともに自国経済を左右し大きなダメージを蒙る構造となっているのです。
 従って、中国側の締め付けの有無にかかわらず、中国依存の経済の依存度を下げることが、台湾経済には求められており、それは蔡新政権の目指すところでもあるのですね。

 そこで、中国の人口を追い越すと言われるインドやASEANの成長市場へ重点的に投資する「新南向政策」の推進を表明したのですね。

 米国は、米通商代表部(USTR)前代表のカーク氏が率いる代表団が蔡総統の就任式に出席し、蔡政権を前面支持する姿勢を明確に示しています。
 
台湾:蔡総統就任 米は全面支援 - 毎日新聞

 それに対し、日本の岸田外相は、中国を訪問した外相会談で、王毅外相から「中日関係は絶えずぎくしゃくし、たびたび谷間に陥ってしまったが、原因は日本側が一番よく分かっているのではないか」と浴びせられてもとっさに反論できず、(1)誠実に歴史を反省し、「一つの中国」政策を守る(2)積極的かつ健康的に中国の発展を取り扱い、「中国脅威論」や「中国経済衰退論」をまき散らさない(3)経済面で中国を対等に扱い、互恵を基礎に各領域の協力を推進(4)国際・地域協力で中国への対抗心を捨てる-の4項目の対日要求を突きつけられてすごすごと帰ってくる情けない始末です。
 
【日中外相会談】誠実に歴史反省、「中国脅威論」まき散らさない…中国が対日4項目を要求 関係改善目指すことは確認 - 産経ニュース
 【日中外相会談】4時間20分…異例の長時間で岸田外相、東シナ海・南シナ海めぐり懸念伝える 強気一辺倒ではなくなった中国 - 政治・社会 - ZAKZAK

 蔡新政権の中国依存削減では、日本への期待は米国と共におおきいものがあり、日本が期待に応えることは、覇権拡大を進める中国への抑止力として、ASEAN諸国も注目しています。
 日本政府が、台湾の期待に応え、アジアや環太平洋諸国の平和と発展への役割を果たすことを願っています。
 それには、岸田大臣には荷が重すぎる様ですので、安倍首相は後継者候補のひとりとされている様ですが、国益の為に、他の適任者への交代を決断いただけることをお願いします。



 # 冒頭の画像は、就任演説をする蔡英文新総統




  ホソバテンジクメギ


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