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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国も中国にはだまされてる

2005-07-16 20:07:49 | EEZ 全般
 米国と中国の間の外交取引に関する評論(鳥居民 氏)が、7/16の産経新聞に載っていました。
 
 ある国が他の国から望むものを得ようとするなら、代償をださなければならない。この取引が外交である。
 アメリカと中国の取引を見よう。1997年、中国はWTO(世界貿易機構)への加盟を是が非でもと願い、訪米した江沢民主席は代償を差し出し、農村で民主選挙を実施するとクリントン大統領に約束した。だが、WTOに加盟してしまえば、少数の村の民主化も中断させる。党書記が村のボスである仕組みを変えるつもりは毛頭無い。党が農地の支配を続けてこそ、その転用に際して、党機関は大もうけできるからだ。

 江沢民主席の願いは達成されましたが、クリントン大統領との約束は守られなかったのですね。
 2004年3月に台湾で陳水扁総督が誕生し、北京は大いにあわて、江沢民主席は台湾との戦いは避けられないと説き、アメリカとの原爆戦争も覚悟の上と台湾を非難攻撃したのだそうです。これは、2002年に党書記のポストを譲った胡錦濤氏と、党中央軍事委員会主席の椅子や、党の最終決定権などの権力抗争があったそうで、7月にライス補佐官が北京を訪問し、胡氏に江氏の好戦的態度についての説明を求めると共に、北朝鮮に影響力を行使してくれと言ったと推測されるのだそうです。
 胡氏は、ご老人には引退してもらおうとほのめかし、取引に出て、代わりに台湾に圧力をかけてくれと言ったとも推測されると...。
 
 それから数日後の7月12日、「人民日報」に長い論文が載った。向こう「20年の」「穏定が一切」を繰り返し説いた論文である。瀬戸際外交の火遊びをしている江氏への反論、警告だった。
 ライス氏に説教されるまでもなかった。胡指導部にとって最重要の問題は台湾問題であるはずはない。一つだけ挙げよう。わずかな保証金で土地を奪われた農民の数は四千万人にも上っている。党総書記から地方の党書記までが求めるものはただ一つ、「20年の穏定」である。「穏定」あってこそ、アメリカ、台湾、日本が中国に工場を建設してくれるのだ。
 「20年の穏定」の論文が引き金になった。江氏にずっと従っていた部下達が、彼に背を向けた。7月12日の「穏定」の論文から20日足らず後の8月1日、軍人節を慶祝しての国防部長のあいさつに、江沢民・党中央軍事委主席への賛辞がなかった。
 <中略>
 9月には江氏は正式に退陣した。アメリカは中国との約束を果たさざるを得なくなった。12月の台湾立法院(国会に相当)選挙の前、米国務省のパウエル長官とアーミテージ副長官は、そろって陳水扁政府の公約を声高に非難しはじめた。両者の突然の不可思議な態度にあぜんとした台湾の少なからぬ有権者が棄権してしまい、小差ながら、野党が優位を占める議会構成となった。取引は大成功と北京は大喜びだった。
 ところで胡錦濤氏は、もう一つの約束を果たすつもりはなかった。繰り返すが、胡政権は「穏定」を保つことができるかどうかを一切の尺度としている。悪縁の深い隣国、北朝鮮の独裁政権を瓦解させるようなことをしたら、中国の「穏定」の根幹が揺らいでしまう。北朝鮮には指一本触れはしない。
 アメリカといえば、その後も中国と取引を行ってうまくいかず、浅はかなことをまたもやったと臍を噛んだ。

 江沢民にもだまされ、胡錦濤にも利用されだまされたのですね。

 ライス国務長官は、6カ国協議再開で、胡錦濤主席と会談し、「米国は、中国の台頭を脅威だとは思っていない。力をつけている中国は、世界政治の舞台で、大きな活力となる」と言ったりしているのだそうですが、頑張って下さいね。
 胡錦涛:米国務長官と会談、6カ国協議再開を歓迎 : 中国情報局 NEWS

 鳥居氏の「穏定」についての発言に関する以下のサイトがありました。
 「台湾の声」【正論】中国は20年後の転機を生き残れるか

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