
天安門事件から今日で25年。当時は「眠れる獅子」とおだてられながらも、国情が定まらない大昔に繁栄した国で、なんだかごたごたしているといった程度の認識でした。今、アフリカや中近東で騒乱が絶えないのと似た認識でした。ただ、はっきり覚えているのは、行軍する戦車の前に一人の青年が立ちはだかり戦車が青年を避けようとしたシーン。立ちはだかった青年は、1998年4月の『タイム』誌が「20世紀最も影響力のあった人物100人」に選んだのだそうですが、いまだに誰かも特定されてされておらず、その後の動向も不明なのだそうですね。
このシーンの英雄は、立ちはだかった青年と、もうひとりいて、それは彼を轢き殺さなかった戦車の操縦士という声もあります。操縦士がその後どのような処遇をされたのかもわかりません。
このころの中国には、良い人たちもいるのだと言う印象をもちました。
その天安門事件と今日の現状について、各紙が一斉に社説でとりあげていましたね。そして、近頃にしては稀有なことに、各紙の論調の大筋が同じであることにはびっくりしました。
中国の民主化の動きはこの時断たれたが、習近平は更に、逆の方向に走りだしているというものです。素人の独断で採点をつけると、産経のいつもの個性的な表現も捨てがたいのですが、全体がよく網羅されている読売が一番すぐれていると思います。
【主張】天安門事件25年 圧政と挑発いつまで続く- MSN産経ニュース
天安門事件を見直せない中国の危うさ :日本経済新聞
毎日が珍しくいいことを言っています。
朝日は突出してレベルが低く、「自由を求める民の声に、習政権は耳を傾けねばならない。権力批判の発言だけで投獄するのは正義に反する。」と、習近平が強い信念で自由主義を否定しているのを認識していないかの空念仏を唱えているだけです。朝日らしいとも言えますが。
(社説)天安門25年―改革になぜ踏み出せぬ:朝日新聞デジタル
香港に天安門事件の犠牲者を追悼する「六四記念館」が出来たのだそうですね。香港市民支援愛国民主運動連合会が寄付により妨害を乗り越えて建てたのだそうです。
【天安門事件25年】香港に常設記念館、中国本土から大学生 USBメモリーで情報拡散 - MSN産経ニュース
妨害受ける香港の天安門事件記念館開設計画―26日開館予定 - WSJ
よくぞ開設出来たもののだと感心しますが、今の習近平の弾圧政治の中、いつまで開設していられるか、青山繁治氏が関西テレビ・アンカーで心配しておられました。
中国政府が、天安門事件を歴史の中から抹消しようとする中、事件を知らない世代へ知識が広まることを期待します。
国民に銃を向ける共産党の人民解放軍。それを正当化し、国民から隠そうとする共産党独裁政治。眼をそらすために、反日や領土紛争を活発化させる。もうそれが通用する時代は終わりに来ています。
中国が、国際ルールを無視し、自国の勝手なルールを他国に押し付ける国だと、知れ渡ってきました。
各国が揃って、中国に力での現状変更ではなく、国際ルールに従う様、促す機運が、更に進むことを期待します。
# 冒頭の画像は、天安門事件で戦車に立ちはだかる青年

この花の名前は、りんどう 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年10月 撮影)
↓よろしかったら、お願いします。






このシーンの英雄は、立ちはだかった青年と、もうひとりいて、それは彼を轢き殺さなかった戦車の操縦士という声もあります。操縦士がその後どのような処遇をされたのかもわかりません。
このころの中国には、良い人たちもいるのだと言う印象をもちました。
その天安門事件と今日の現状について、各紙が一斉に社説でとりあげていましたね。そして、近頃にしては稀有なことに、各紙の論調の大筋が同じであることにはびっくりしました。
中国の民主化の動きはこの時断たれたが、習近平は更に、逆の方向に走りだしているというものです。素人の独断で採点をつけると、産経のいつもの個性的な表現も捨てがたいのですが、全体がよく網羅されている読売が一番すぐれていると思います。
【主張】天安門事件25年 圧政と挑発いつまで続く- MSN産経ニュース
天安門事件を見直せない中国の危うさ :日本経済新聞
天安門事件25年 政治改革に背を向ける習政権 (6/4 読売 社説)
中国共産党が、民主化を求める学生らのデモを武力鎮圧した1989年の天安門事件から、4日で25年になる。
少なくとも数百人が死亡した天安門事件を、共産党は「反革命暴乱」と断じ、報道を規制しただけでなく、その後も事件の再評価を求める動きを徹底的に封じ込めてきた。
四半世紀の節目を前に、習近平政権も、犠牲者の追悼活動などへの締め付けを強めている。
5月には、事件に関する研究会に参加した弁護士ら5人を拘束した。ジャーナリストなどを摘発し、外国人記者への取材妨害も続けているのは、ゆゆしき事態だ。
インターネット上の事件に関する情報もつぶさに監視し、取り締まりを強化している。
天安門事件の話題が集会やネットで広がれば、新たな反政府運動の火種になりかねないと警戒しているのではないか。
中国は市場経済を大胆に取り入れて、急速な経済成長を実現した。「発展の果実」を国民に分け与えることで、民心の離反を防ぐ効果を期待した。
政治面では民主化運動を弾圧し、共産党独裁体制の安定を図ることを最優先してきた。
共産党は天安門事件について、学校教育などでも取り上げてこなかった。権力による「不都合な歴史」の隠蔽と言えよう。
事件後、「反日」を柱とする愛国主義の宣伝・教育を強化してきたことも、民族感情に訴え、政権の求心力を保つ狙いだろう。
だが、経済的な発展の裏で経済格差や腐敗、環境破壊など様々な問題が顕在化し、国民の不満は強まっている。ウイグル族など少数民族との対立は、激しさを増すばかりである。
習国家主席は4月の演説で、「他国の政治制度をまねることはない」と明言した。民主的な制度は不要であり、一党独裁を維持するとの意思表示と見られる。
習政権が政治改革や法治主義に背を向け続ければ、国民との対立がより先鋭化しよう。
年間約20万件とも言われる集団抗議行動の広がりは、これまでの強権的な統治手法が、限界に近づいていることを示している。
中国は最近、東・南シナ海で周辺国との対立を激化させている。国民の批判をかわすため、これまで以上に覇権的な対外姿勢を強める恐れがある。
日本政府は米国や東南アジア諸国と連携し、中国の威圧的な行動への警戒を怠ってはならない。
中国共産党が、民主化を求める学生らのデモを武力鎮圧した1989年の天安門事件から、4日で25年になる。
少なくとも数百人が死亡した天安門事件を、共産党は「反革命暴乱」と断じ、報道を規制しただけでなく、その後も事件の再評価を求める動きを徹底的に封じ込めてきた。
四半世紀の節目を前に、習近平政権も、犠牲者の追悼活動などへの締め付けを強めている。
5月には、事件に関する研究会に参加した弁護士ら5人を拘束した。ジャーナリストなどを摘発し、外国人記者への取材妨害も続けているのは、ゆゆしき事態だ。
インターネット上の事件に関する情報もつぶさに監視し、取り締まりを強化している。
天安門事件の話題が集会やネットで広がれば、新たな反政府運動の火種になりかねないと警戒しているのではないか。
中国は市場経済を大胆に取り入れて、急速な経済成長を実現した。「発展の果実」を国民に分け与えることで、民心の離反を防ぐ効果を期待した。
政治面では民主化運動を弾圧し、共産党独裁体制の安定を図ることを最優先してきた。
共産党は天安門事件について、学校教育などでも取り上げてこなかった。権力による「不都合な歴史」の隠蔽と言えよう。
事件後、「反日」を柱とする愛国主義の宣伝・教育を強化してきたことも、民族感情に訴え、政権の求心力を保つ狙いだろう。
だが、経済的な発展の裏で経済格差や腐敗、環境破壊など様々な問題が顕在化し、国民の不満は強まっている。ウイグル族など少数民族との対立は、激しさを増すばかりである。
習国家主席は4月の演説で、「他国の政治制度をまねることはない」と明言した。民主的な制度は不要であり、一党独裁を維持するとの意思表示と見られる。
習政権が政治改革や法治主義に背を向け続ければ、国民との対立がより先鋭化しよう。
年間約20万件とも言われる集団抗議行動の広がりは、これまでの強権的な統治手法が、限界に近づいていることを示している。
中国は最近、東・南シナ海で周辺国との対立を激化させている。国民の批判をかわすため、これまで以上に覇権的な対外姿勢を強める恐れがある。
日本政府は米国や東南アジア諸国と連携し、中国の威圧的な行動への警戒を怠ってはならない。
毎日が珍しくいいことを言っています。
社説:天安門事件25年 民主化なき発展続くか - 毎日新聞
<前略>
天安門事件後、トウ小平氏は経済を最優先に国際協調路線を取った。習近平政権は逆に貪欲に海洋進出、エネルギー獲得を進め、日本を含めた周辺国との摩擦を広げている。
しかし、国内の不満を外にそらすような手法は長続きすまい。今後は成長が鈍化し、発展が社会矛盾を吸収した時代は終わりに近づく。中国の指導者がよく口にするように「歴史をかがみに」、国民の声をすくい上げる政治改革に着手しなければ、体制の危機が深まるのではないか。
<前略>
天安門事件後、トウ小平氏は経済を最優先に国際協調路線を取った。習近平政権は逆に貪欲に海洋進出、エネルギー獲得を進め、日本を含めた周辺国との摩擦を広げている。
しかし、国内の不満を外にそらすような手法は長続きすまい。今後は成長が鈍化し、発展が社会矛盾を吸収した時代は終わりに近づく。中国の指導者がよく口にするように「歴史をかがみに」、国民の声をすくい上げる政治改革に着手しなければ、体制の危機が深まるのではないか。
朝日は突出してレベルが低く、「自由を求める民の声に、習政権は耳を傾けねばならない。権力批判の発言だけで投獄するのは正義に反する。」と、習近平が強い信念で自由主義を否定しているのを認識していないかの空念仏を唱えているだけです。朝日らしいとも言えますが。
(社説)天安門25年―改革になぜ踏み出せぬ:朝日新聞デジタル
香港に天安門事件の犠牲者を追悼する「六四記念館」が出来たのだそうですね。香港市民支援愛国民主運動連合会が寄付により妨害を乗り越えて建てたのだそうです。
【天安門事件25年】香港に常設記念館、中国本土から大学生 USBメモリーで情報拡散 - MSN産経ニュース
妨害受ける香港の天安門事件記念館開設計画―26日開館予定 - WSJ
よくぞ開設出来たもののだと感心しますが、今の習近平の弾圧政治の中、いつまで開設していられるか、青山繁治氏が関西テレビ・アンカーで心配しておられました。
中国政府が、天安門事件を歴史の中から抹消しようとする中、事件を知らない世代へ知識が広まることを期待します。
国民に銃を向ける共産党の人民解放軍。それを正当化し、国民から隠そうとする共産党独裁政治。眼をそらすために、反日や領土紛争を活発化させる。もうそれが通用する時代は終わりに来ています。
中国が、国際ルールを無視し、自国の勝手なルールを他国に押し付ける国だと、知れ渡ってきました。
各国が揃って、中国に力での現状変更ではなく、国際ルールに従う様、促す機運が、更に進むことを期待します。
# 冒頭の画像は、天安門事件で戦車に立ちはだかる青年

この花の名前は、りんどう 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年10月 撮影)
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ご存知のこととおもいますが、人民解放軍は、中国共産党の軍であって、国=国民の軍ではないですね。なので、国民を護る前に、中国共産党を護ることが優先されますね。
余談ですが、中華人民共和国の国家建立の正統性は、必ずしも褒められたものではないと考えます。
日中戦争で日本軍との軍事的衝突の矢面に立ったのは、蒋介石国民政府でした。戦後、国共内戦で政権を横取りしたのが、中国共産党&人民解放軍でした。
↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%85%B1%E5%86%85%E6%88%A6
ウィキペディアの情報の信頼性は自己判断にお任せしますが、併せて、以下などもご参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2