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遊爺雑記帳

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中国経済、政府の過信があだになるか

2023-08-02 01:23:56 | 中国 全般
 中国経済は今、コロナ後に誰もが経験する一時的な景気停滞局面をなんとか進んでいるのだろうか。あるいはもっと悪い状態、つまりデフレと景気二番底の瀬戸際に立っているのだろうか。
 中国政府が7月31日に発表した同月の購買担当者指数(PMI)は、後者であるとの見方を強める内容だった。
 だが大型の金融・財政政策に踏み切ることをせず、 お気に入りの分野への支援を強化したり、起業家を褒めそやしたりしている。こうした過信のツケはいずれ国全体に回って来るかもしれないと、WSJ・ナサニエル・タプリン。  
中国経済、政府の過信があだになるか - WSJ

 低迷続きでも大型刺激策を回避、ツケが国全体に広がる恐れ ナサニエル・タプリン 2023年 8月 1日



 中国経済は今、コロナ後に誰もが経験する一時的な景気停滞局面をなんとか進んでいるのだろうかあるいはもっと悪い状態、つまりデフレと景気二番底の瀬戸際に立っているのだろうか



 
中国政府が7月31日に発表した同月の購買担当者指数(PMI)は、後者であるとの見方を強める内容だっただが指導部はまだ様子見を続けたいようだ大型の金融・財政政策に踏み切ることをせず、電気自動車(EV)などお気に入りの分野への支援を強化したり、起業家を褒めそやしたりしているこうした過信のツケはいずれ国全体に回って来るかもしれない



 強気派の見立ては端的に言うとこうだ。
中国は半年ほど前に新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)から抜け出したばかりで、家計所得はまだ回復途上にあり、他国の労働市場もコロナ後の立て直しに時間がかかった



 
先週の中国共産党中央政治局の発表も、基本的にこの考えに立っているようだ。景気回復は「波のように」曲折を伴って進展しているとした上で、長期的な見通しは依然として明るいとの見方を示し、政策支援の強化を推奨しつつもビッグバン級の発表はしなかった



 実際、
サービス業を中心とする足元の中国の低迷は、コロナ前の基準からすれば異例だ。つまり、多くの主要国でコロナ後に起きたような常態への回帰が起きていれば、中国経済の足腰ははるかに強くなっているはずだ。データ提供会社CEICによると、7月の中国サービス業PMIは51.5と、昨年12月以来の低水準で、2012年前半からコロナ前までの平均よりほぼ2ポイント低い。7月の建設業PMIに至っては51.2にとどまり、コロナ前の平均の60前後を大きく下回っている



 
弱気派の主張は当然ながら、中国の現状は他の主要国のコロナ後とまるで違う、というものだ。中国の不動産部門は落ち込みが深刻で、不動産開発会社は依然として資金繰りに窮しているムーディーズによると、ハイイールド債が格付け対象となっている中国不動産会社の72%が、6月時点で手元流動性が低かった建設予定のプロジェクトも急減している。2021年と22年に住宅不況による打撃の埋め合わせを支えた輸出は、欧州の不振や、コロナ下の電子機器ブームが下火になったことで、再び減少している。



 また、
一部データによると米国以上に重い債務を抱えている中国の家計は、何重もの打撃を受けているコロナ対策の規制やロックダウンが他の主要国よりはるかに長かった。最大の資産である住宅は再び価値が下がり始めている。さらに政府はここ数年、雇用創出の大きなけん引役だったインターネット部門や学習塾などの民間教育部門を取り締まった



 これでは、
起業家や消費者を口先で支援するだけでは状況改善には不十分で、より野心的な対策が必要になるかもしれない。家計への直接給付、手薄な社会的セーフティーネットの抜本的改善意欲的で市場に優しい改革政策に戻すという明確な方針表明などだ。



 
危険なのは、中国政府が足元の経済の問題を一過性と見誤り輸出や建設業が一段と悪化して再び労働市場の足かせになることだ。注意すべき予兆はある。7月の建設業PMIのサブ指数である雇用指数は45.2で、昨年12月以来の低水準となった。製造業の雇用指数もわずかに低下した。



 
中国政府の今後数カ月のさじ加減で、同国経済の2~3年先が決まるかもしれないだが今のところ、指導部は現状を受け入れ、うまくいくことをただ願っているようだ。



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ナサニエル・タプリン

 ウォールストリートジャーナルの経済および金融解説セクションであるハードオンザストリートの中国経済および政治経済の主要なコラムニストです。彼はまた、他のアジアを拠点とするコラムニストを管理および編集しています。主な懸念事項には、米中関係、技術競争、台湾と香港、中国の労働市場と人口統計が含まれます。

 ナサニエルは、アジア出版社協会の優秀賞の2回のファイナリストです。

 中国は半年ほど前に新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)から抜け出したばかりで、家計所得はまだ回復途上にあり、他国の労働市場もコロナ後の立て直しに時間がかかったと、強気派の見立て。
 中国共産党中央政治局の発表も、基本的にこの考えだ。
 長期的な見通しは依然として明るいとの見方を示し、政策支援の強化を推奨しつつもビッグバン級の発表はしなかったと、ナサニエル。

 サービス業を中心とする足元の中国の低迷は、コロナ前の基準からすれば異例だと。
 データ提供会社CEICによると、7月の中国サービス業PMIは51.5と、昨年12月以来の低水準で、2012年前半からコロナ前までの平均よりほぼ2ポイント低い。7月の建設業PMIに至っては51.2にとどまり、コロナ前の平均の60前後を大きく下回っていると。
 
 弱気派の主張は当然ながら、中国の現状は他の主要国のコロナ後とまるで違う、というものだと、ナサニエル。

 中国の現状は他の主要国のコロナ後とまるで違う、というものだ。中国の不動産部門は落ち込みが深刻で、不動産開発会社は依然として資金繰りに窮している。
 ムーディーズによると、中国不動産会社の72%が、6月時点で手元流動性が低かった。建設予定のプロジェクトも急減している。2021年と22年に住宅不況による打撃の埋め合わせを支えた輸出は、欧州の不振や、コロナ下の電子機器ブームが下火になったことで、再び減少しているのだそうです。

 一部データによると米国以上に重い債務を抱えている中国の家計は、何重もの打撃を受けている。コロナ対策の規制やロックダウンが他の主要国よりはるかに長かった。最大の資産である住宅は再び価値が下がり始めている。さらに政府はここ数年、雇用創出の大きなけん引役だったインターネット部門や学習塾などの民間教育部門を取り締まった。
 これでは、起業家や消費者を口先で支援するだけでは状況改善には不十分で、より野心的な対策が必要だと、ナサニエル。
 家計への直接給付、手薄な社会的セーフティーネットの抜本的改善、意欲的で市場に優しい改革政策に戻すという明確な方針表明などだ。

 危険なのは、中国政府が足元の経済の問題を一過性と見誤り、輸出や建設業が一段と悪化して再び労働市場の足かせになることだと、ナサニエル。
 注意すべき予兆はある。7月の建設業PMIのサブ指数である雇用指数は45.2で、昨年12月以来の低水準となった。製造業の雇用指数もわずかに低下したのだそうです。

 中国政府の今後数カ月のさじ加減で、同国経済の2~3年先が決まるかもしれない。だが今のところ、指導部は現状を受け入れ、うまくいくことをただ願っているようだと、ナサニエル。

 今日の世界第二位のGDP大国の地位を産んだのは、鄧小平の集団指導体制による改革開放経済の導入。
 それを継承してきた共青団派を、先の党大会で一掃した習近平。
 能力ではなく、ゴマスリの近隣者を登用。

 どうなる、習近平独裁体制の中国経済!


 # 冒頭の画像は、中国政府発表のPMI



  オタネニンジン


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