遊爺雑記帳

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ボルトン論文 バイデン政権の外交は「プロセス」にすぎず「戦略」とはならないと

2021-03-30 01:23:56 | 米中新冷戦時代
 あのジョン・ボルトン氏が、バイデン政権の対中硬軟入り交じりの姿勢について、ワシントン・ポストで批判的な論文を発表したのだそうです。
 個別の動向を非難している点を評価しながらも「紛争の個別の点をリストにすることは戦略ではない」と指摘。抗議の対象を示すだけでは意味がなく、その結果どうするかを示してこそ初めて戦略になると。

 
【緯度経度】バイデン政権の対中まだら外交-古森義久 - 産経ニュース 2021.3.29

 バイデン米政権の中国への姿勢は「硬」と「軟」の入り交じった「まだら外交」と呼べるようだ。バイデン大統領が3月25日の初記者会見で習近平独裁体制下の中国を民主主義諸国への最大の競争相手として非難したすぐ翌日に、習国家主席を気候変動の国際会議に招待する「硬」と「軟」は、その具体例である。

 
バイデン政権の高官たちは中国の人権弾圧や軍事的膨張、経済的威嚇など内外での不当な行動に強く抗議する一方、必ず同時に中国との「協力」や「共存」という目標をも強調する。バイデン氏は2月の習氏との電話会談では中国との「関与」を求めるとまで総括した。「関与」はトランプ前政権の対中政策で排除されていた用語だった。

 
バイデン政権の対中硬軟入り交じりの姿勢についてトランプ前政権で国家安全保障担当の大統領補佐官だったジョン・ボルトン氏が3月中旬、ワシントン・ポストで批判的な論文を発表した。ボルトン氏は2代目ブッシュ政権の国務次官などを務め、トランプ前政権では1年半ほど大統領補佐官として政権の中国政策を含む対外政策全般を担当した。だがアフガニスタン政策などをめぐってトランプ大統領と衝突して退任し、後の回顧録でトランプ氏を厳しく批判した。

 ボルトン氏は論文でまずバイデン政権が中国の南シナ海での軍事拡張や新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権弾圧など
個別の動向を非難している点を評価しながらも「紛争の個別の点をリストにすることは戦略ではない」と指摘した。抗議の対象を示すだけでは意味がなく、その結果どうするかを示してこそ初めて戦略になるという示唆だった。

 ボルトン論文はまたバイデン政権がインドとオーストラリア、日本との4カ国による
「クアッド」の協議ブリンケン国務長官らの日本、韓国との個別会談により、対中問題も「正常の外交秩序に組み込んだ」という成果を誇っているが、これらは単に「プロセス」にすぎず「実質ではない」として、これら多国間協議だけでは「中国の不当な言動に対処するための戦略とはならない」と指摘する。

 ボルトン論文が特に強調したのは
バイデン政権の中国への協力の呼びかけが対中政策全体を弱体化するという点だった。以下のような要点だ。

 「ブリンケン国務長官らは公式発言で『中国に対しては協力できる分野や方法があるかどうかを探ることも重要だ』と述べている。だが、この言葉は中国に対して『米国側の対中姿勢ではなにが弱点なのかを教えよう』と示唆しているに等しい」

 「バイデン氏が気候変動問題担当特使に任命したジョン・ケリー氏(元民主党大統領候補)の熱心な発言通りならば、バイデン政権は中国との間では気候変動に関する合意の成立が最優先事項だとも受け取れる。中国側がそう思えば、米国側の他の要求や抗議には応じない可能性が高くなる」

 このように
バイデン政権は中国に抗議する一方、気候変動、新型コロナウイルス対策、大量破壊兵器拡散防止の各分野で中国の協力を求めるという方針を繰り返し言明する。その姿勢には明らかに柔軟とも軟弱ともいえる部分がある。ボルトン論文はその対中まだら外交への批判といえるようである。
   (ワシントン駐在客員特派員)

 
 バイデン米政権の中国への姿勢は「硬」と「軟」の入り交じった「まだら外交」と呼べるようだと、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
 バイデン大統領は、3月25日の初記者会見で、中国を民主主義諸国への最大の競争相手として非難。しかし、翌日に、習国家主席を気候変動の国際会議に招待する「硬」と「軟」は、その具体例だと。
 バイデン政権の高官たちは中国の人権弾圧や軍事的膨張、経済的威嚇など内外での不当な行動に強く抗議する一方、必ず同時に中国との「協力」や「共存」という目標をも強調するとも。

 トランプ大統領と衝突して退任し、後の回顧録でトランプ氏を厳しく批判したボルトン氏が、3月中旬、ワシントン・ポストで、今度はバイデン政権の対中外交姿勢に批判的な論文を発表したと紹介いただいています。

 ボルトン論文は、バイデン政権が中国の南シナ海での軍事拡張や新疆ウイグル自治区での人権弾圧など個別の動向を非難している点は評価。
 しかし、「紛争の個別の点をリストにすることは戦略ではない」と指摘。抗議の対象を示すだけでは意味がなく、その結果どうするかを示してこそ初めて戦略になると。
 「クアッド」の協議やブリンケン国務長官らの日本、韓国との個別会談により、対中問題も「正常の外交秩序に組み込んだ」という成果を誇っているが、これらは単に「プロセス」にすぎず、これら多国間協議だけでは「中国の不当な言動に対処するための戦略とはならない」と指摘。

 さらに、バイデン政権は中国に抗議する一方、気候変動、新型コロナウイルス対策、大量破壊兵器拡散防止の各分野で中国の協力を求めるという方針を繰り返し言明。
 このバイデン政権の中国への協力の呼びかけが、対中政策全体を弱体化するとボルトン論文。

 バイデン政権の、「硬」と「軟」の入り交じった「まだら外交」の姿勢には明らかに柔軟とも軟弱ともいえる部分がある。ボルトン論文はその対中まだら外交への批判といえると古森氏。

 トップダウンでズバリ斬り込んで、押したり引いたりのトランプ氏の外交。よく言えばバランス重視で、ボトムアップのバイデン氏の対中外交。
 米中の「新冷戦時代」に突入した今日。オバマ政権時代には、「太平洋二分割論」の習近平に、好き勝手な行動を許したものに歯止めをかけ、むしろ優勢に転じたトランプ政権時代から、オバマ政権時代の副大統領だったバイデン政権は、習近平の覇権拡大を阻止できるのでしょうか。
 ボルトン論文に、耳を傾け、オバマ政権時代の轍を踏まない様、戦略のある対中外交を期待したいですね。

 そして日本。
 米国におんぶにだっこだった安全保障や外交政策を、俯瞰した多国間連携を強め普通の国に成長させる歩みを進めた安倍外交が、更に推進されることを期待しますが。。
 
 【正論】バイデン政権の対中政策に思う 防衛大学校教授・神谷万丈 - 産経ニュース



 # 冒頭の画像は、初の公式記者会見をしたバイデン大統領




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