
王立軍重慶副市長の米国領事館駆け込み騒動は、その上司の薄煕来重慶市委書記を巡る、習近平新政権誕生にむけた権力抗争の一角が表面化したものとの見方は定着してきました。
薄煕来、王立軍のコンビで、「唱紅打黒」を推進し一時は英雄視されたものの、王氏の強引な手法は数多くの冤罪事件を生み出し、薄煕来氏の対抗勢力から王氏を照準に追い落としが進められ、薄煕来氏も保身の為に王氏に官史を差し向けようとしたことから、王氏が米国領事館に逃げ込んだとの説が主流の様ですね。
この事件の焦点は、薄煕来氏を攻めている権力争いの相手は誰なのかです。
喬石氏などの旧守派か、黒社会の歴史的抵抗かがひとつ挙げられていました。
次に、習近平氏のライバルになりうるという太子党内の排除の動きの説もありました。胡錦濤、習近平の代理戦争として有名な宿敵、広東省の汪洋共産党委員会書記も挙げられていました。
重慶副市長 パトカーに取り囲まれた米領事館に一夜滞在後行方不明 - 遊爺雑記帳
重慶副市長の米領事館駆け込み騒動 続報 - 遊爺雑記帳
そして、読売は最新情報として、江沢民派の賀国強を挙げています。
「唱紅打黒」の強引な推進が、利権を持つ旧守派に害を及ぼし反攻に出たことと、新政権での党政治局常務委員の席取り合戦の様ですね。
薄煕来、王立軍のコンビで、「唱紅打黒」を推進し一時は英雄視されたものの、王氏の強引な手法は数多くの冤罪事件を生み出し、薄煕来氏の対抗勢力から王氏を照準に追い落としが進められ、薄煕来氏も保身の為に王氏に官史を差し向けようとしたことから、王氏が米国領事館に逃げ込んだとの説が主流の様ですね。
この事件の焦点は、薄煕来氏を攻めている権力争いの相手は誰なのかです。
喬石氏などの旧守派か、黒社会の歴史的抵抗かがひとつ挙げられていました。
次に、習近平氏のライバルになりうるという太子党内の排除の動きの説もありました。胡錦濤、習近平の代理戦争として有名な宿敵、広東省の汪洋共産党委員会書記も挙げられていました。
重慶副市長 パトカーに取り囲まれた米領事館に一夜滞在後行方不明 - 遊爺雑記帳
重慶副市長の米領事館駆け込み騒動 続報 - 遊爺雑記帳
そして、読売は最新情報として、江沢民派の賀国強を挙げています。
「唱紅打黒」の強引な推進が、利権を持つ旧守派に害を及ぼし反攻に出たことと、新政権での党政治局常務委員の席取り合戦の様ですね。
重慶の暴排中央闘争を誘発 前公安局長、米総領事館と接触 党幹部人脈も調査対象で (2/23 読売朝刊)
【北京=加藤隆則、重慶=竹内誠一郎】中国重慶市の前公安局長が米国総領事館と接触した事件は、共産党内序列8位の賀国強・党中央規律検査委員会書記と、薄煕来・同市党委書記との政治闘争が引き金だったことが22日、複数の党関係者の証言で明らかになった。今秋の第18回党大会で胡錦濤氏に代わって党総書記に就任する習近平国家副主席が特別作業チームを派遣し、事態収拾に乗り出している。
習氏、収拾へ動く
賀氏は、中国の最高指導グループである党政治局常務委員9人の一人で、薄氏は党大会で常務委入りが有望視される政治局員。薄氏は薄一波・元副首相(故人)の次男で、党高級幹部子女グループの「太子党」に属し、同じ太子党の習氏と関係が深い。
薄氏は2007年12月、貿易担当の商務相から同市書記に就任。09年6月以降、遼寧省勤務時の部下だった王立軍氏を公安局長(副市長)に起用して暴力団排除運動に乗り出した。重慶市公安局によると、2年間で500以上の組織と5700人以上の関係者を摘発。同市司法局長や公安副局長も汚職で起訴した。
政治局常務委員入りに向けた実績作りとの見方も出た。習氏は10年12月に重慶入りし、薄氏の取り組みを高く評価している。
だが、党関係者によると、摘発対象を広げる中で、1999年から02年まで同市党委書記を務めた賀氏ら歴代市幹部の人脈も調査対象となった。反発した賀氏は、党員の不正を調べる規律検査委の組織を動員し、王氏が以前所属していた遼寧省鉄嶺市公安局の幹部6人を摘発、王氏自身の不正行為も追及した。薄氏に対する強烈なけん制だった。
周辺関係者によると、権力闘争に巻き込まれたと感じた王氏は、6日夜、成都の米総領事館に逃げ込む直前、親しい者に電話をかけ「薄書記と一緒にいたら自分の身が危ない」とおびえながら訴えていたという。
国の重要方針を決める9人の党政治局常務委員は、それぞれ経済、司法、宣伝などの所管業務を持っている。「他の領域、既得権には口を出さない」(共産党筋)状況があるという。今回の場合、薄氏側が賀氏の権益を侵した形だ。
習氏らは、事件が薄氏自身の進退に及ぶことを望んでいない。重慶市の指導部では「国の利益を損なった」として、王氏を批判する宣伝工作が始まっている。同氏切り捨てにも見える。
党大会を前に、政治的安定を最優先する胡錦濤総書記は、王氏の一件を「偶発的な事件」として処理する意向とみられる。火消し役となる同市公安局党委書記には、胡氏の政治基盤である共産主義青年団(共青団)の出身者が送り込まれた。習氏派遣の特別作業チームは、重慶市幹部の意思統一などの活動を行っているという。
【北京=加藤隆則、重慶=竹内誠一郎】中国重慶市の前公安局長が米国総領事館と接触した事件は、共産党内序列8位の賀国強・党中央規律検査委員会書記と、薄煕来・同市党委書記との政治闘争が引き金だったことが22日、複数の党関係者の証言で明らかになった。今秋の第18回党大会で胡錦濤氏に代わって党総書記に就任する習近平国家副主席が特別作業チームを派遣し、事態収拾に乗り出している。
習氏、収拾へ動く
賀氏は、中国の最高指導グループである党政治局常務委員9人の一人で、薄氏は党大会で常務委入りが有望視される政治局員。薄氏は薄一波・元副首相(故人)の次男で、党高級幹部子女グループの「太子党」に属し、同じ太子党の習氏と関係が深い。
薄氏は2007年12月、貿易担当の商務相から同市書記に就任。09年6月以降、遼寧省勤務時の部下だった王立軍氏を公安局長(副市長)に起用して暴力団排除運動に乗り出した。重慶市公安局によると、2年間で500以上の組織と5700人以上の関係者を摘発。同市司法局長や公安副局長も汚職で起訴した。
政治局常務委員入りに向けた実績作りとの見方も出た。習氏は10年12月に重慶入りし、薄氏の取り組みを高く評価している。
だが、党関係者によると、摘発対象を広げる中で、1999年から02年まで同市党委書記を務めた賀氏ら歴代市幹部の人脈も調査対象となった。反発した賀氏は、党員の不正を調べる規律検査委の組織を動員し、王氏が以前所属していた遼寧省鉄嶺市公安局の幹部6人を摘発、王氏自身の不正行為も追及した。薄氏に対する強烈なけん制だった。
周辺関係者によると、権力闘争に巻き込まれたと感じた王氏は、6日夜、成都の米総領事館に逃げ込む直前、親しい者に電話をかけ「薄書記と一緒にいたら自分の身が危ない」とおびえながら訴えていたという。
国の重要方針を決める9人の党政治局常務委員は、それぞれ経済、司法、宣伝などの所管業務を持っている。「他の領域、既得権には口を出さない」(共産党筋)状況があるという。今回の場合、薄氏側が賀氏の権益を侵した形だ。
習氏らは、事件が薄氏自身の進退に及ぶことを望んでいない。重慶市の指導部では「国の利益を損なった」として、王氏を批判する宣伝工作が始まっている。同氏切り捨てにも見える。
党大会を前に、政治的安定を最優先する胡錦濤総書記は、王氏の一件を「偶発的な事件」として処理する意向とみられる。火消し役となる同市公安局党委書記には、胡氏の政治基盤である共産主義青年団(共青団)の出身者が送り込まれた。習氏派遣の特別作業チームは、重慶市幹部の意思統一などの活動を行っているという。
この記事では、習氏と薄氏の関係を良好と捉えた説ですね。
また、胡錦濤陣営にしろ、習近平陣営にしろ政権交代の時期に紛争は起こしたくないとの思惑は一致していて、王氏を斬ることで事態を収拾したい意向があるとも。
秘密の国の中の政争で、情報は多くないく、角度も異なるものが出てくるのはやむを得ないところでしょう。
ただ、中ではドロドロと続けられている様で、新政権の方向がどうなるかが日本の政治・経済や、アジアの平和、世界経済に及ぼす影響が大きいだけに、どんな変化や進展があるのか、目が離せませんね。
# 冒頭の画像は、賀国強 党中央政治局常務委員
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