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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

6年振りの国共首脳会談

2015-05-05 23:58:58 | 中国 全般
 台湾では、昨年11月の統一地方選での国民党大敗を受け、馬英九総統は兼任する党主席を辞任し、朱立倫氏が主席に就任していました。
 その朱主席が訪中し、6年振りの国共トップ会談となる習近平主席との会談が実現されました。
 財界の支持で中国接近政策を進めていた馬英九総統の政策は、2013年に中国と調印したサービス貿易協定に対する国民の反発を買うところとなり、民主化を要求する台湾の学生が立法院(国会)を占拠するという事件を引き起こしたことは、諸兄がご承知の通りです。
 次期総統選では、民進党が優勢との見方があるなか、習近平は民進党を牽制し、総統選への出馬はしないと言っている朱主席の支援をしたのでした。

 
台湾の馬英九総統が国民党主席を辞任、中台接近路線見直しか? | THE PAGE(ザ・ページ)
 時事ドットコム:国民党次期主席に朱立倫氏=他に立候補届け出なし-台湾
 
中台関係仕切り直し 国・共トヅプ会談で一致 (5/5 読売朝刊)

 
【北京=比嘉清太、向井ゆう子】中国共産党の習近平総書記(国家主席)(61)は4日、訪中している台湾の与党・国民党の朱立倫主席(53)と、北京の人民大会堂で会談した。習氏は、中国主導で設立準備が進む「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への台湾の参加を巡って前向きな考えを表明した。国際社会での活動空間の拡大を求める台湾側に一定の配慮を示し、停滞している中台関係を仕切り直す構えだ。

民進党は批判声明
 
国共両党のトップ会談は6年ぶり
。国民党の説明では、習氏と朱氏は会談後の食事を含め2時間以上にわたって話し合ったという。
 新華社電によると、双方は
中台関係について「運命共同体」との認識で一致した。習氏は、中台関係が「新たな重要な節目にある」と指摘し、国民党に交流強化を呼びかけた。中台サービス貿易協定に反発する台湾の学生らが昨春起こした立法院(国会に相当)占拠事件以降の中台関係の停滞を念頭に置いたものだ。その上で、「独立志向」が強い台湾の最大野党・民進党の名指しは避けつつも、同党の陳水扁・前総統時代の中台関係は「戦争の縁にあった」と述べ、来年1月の台湾総統選で政権奪還を狙う同党を強くけん制
した。
 
習氏は「一つの中国」の原則を巡る「1992年合意」が台湾各政党との交流の基礎だと主張
、同合意を認めなければ、民進党との交流はあり得ないとの立場を改めて示した。その一方で、学生らの立法院占拠など若者の間に広がる対中警戒感を背景に、青少年交流の強化も提案するなど、台湾政策をめぐり「五つの主張」を提起した。
 朱氏は、AIIBや中国の「シルクロード経済圏」構想に「参加を望む」と語り、
習氏はAIIBについて「歓迎する」と応じた。今後、中国側は、総統選の行方も見極めながら実務協議を進め、アジア開発銀行(ADB)での台湾の参加名義「中国台北」でなく、朱氏が求めた「中華台北」での参加を認めるかなどを最終判断
するとみられる。
 一方、
民進党は4日、朱氏が「92年合意」を基礎にすると発言していることについて、「台湾の国際(社会)への参加を狭めることになる」との声明を出し、国共トップ会談を批判
した。
 朱氏は4日午後、北京大学で学生と懇談し、「台湾は自由民主の社会で、多元的な声がある」などと発言。共産党の一党独裁を続ける中国の政治体制との違いに敏感な台湾世論を意識した発言とみられる。だが、
有力紙・聯合晩報は同日、国共トップ会談に「具体的な成果がなかった」とする学者の論評を掲載
した。訪中が台湾住民の支持を得られるかどうかは不透明な部分もある。世論の反応が来年の総統選を巡る朱氏の最終判断に影響を与えそうだ。

1992年合意
 中国と台湾の窓口機関が92年に「一つの中国」の原則を巡って合意したとされる。だが、当時は発表されず、台湾の最大野党・民進党は合意の存在を認めていない。国民党の馬英九政権は合意を認め、対中関係を改善した。台湾側は合意内容について、?中台双方が「一つの中国」の原則を認める?その解釈はそれぞれが行う━━と説明している。


 産経新聞は、朱氏について一歩踏み込んだ報道をしています。
 

国共トップ会談 習主席、中台一体感を演出 朱氏、インフラ銀加入改めて要請 (5/5 産経)

<前略>
 
習氏は会談で「10年前、(国共)両党が両岸(中台)関係を戦争の縁から平和へと変えた」と両党の協力の成果を強調。一方で、仮に「一つの中国」を前提とする「92年コンセンサス」を否定し、民進党の陳水扁前総統が唱えた「一辺一国」や「一つの中国、一つの台湾」を掲げたりすれば「平和も発展も維持することはできない」と台湾独立を批判した。来年の総統選で優勢が伝えられる台湾の野党、民主進歩党を牽制(けんせい)する狙いとみられる。
 これに対し、
朱氏は92年コンセンサスが中台交流の基礎だとする考えを再三、表明。さらに、台湾が日清戦争後に割譲され日本の植民統治を受けたことは「台湾人が望んだことではない」と述べて、中台の一体感を強調した。その上で、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への「中華台北」名義での台湾の加入を要請した。朱氏から台湾が主張する「中華民国」の存在を認めるよう求める発言はなかった

 総統選で劣勢の国民党では、今月18日締め切りの予備選で目立った立候補者がおらず、朱氏の出馬を求める声が根強い。朱氏はこれまで出馬しないと言明してきたが、今回の会談に対する世論の反応を見極めた上で、最終的に判断するとみられている。


【用語解説】92年コンセンサス
 中国と台湾が1992年、香港での協議で達した合意。「一つの中国」を認めつつ、解釈は各自に委ねるとの内容で、台湾側が「中国とは中華民国」と主張する余地を残している。台湾の野党、民主進歩党は受け入れを拒んでいる。


 習近平が、朱氏と会談した目的は明確で、親中(従中?)の馬氏の失脚に伴い、次期総統選に向けて、民進党に対するけん制(脅し?)と、朱氏への支援(サービス)策として、一端拒否してみせたAIIBへの加入を容認する姿勢をみせて、台湾財界や世論を揺さぶっているのですね。
 
 しかし、朱氏の会談目的は、何だったのでしょう?
 総統選への立候補はしないと言っていたのでが、言動からすれば、習近平に傅いて、財界の要望する経済交流の構築(AIIB加入、「シルクロード経済圏」構想参入)のお願いに行ったのでしょうか。習近平に気にいってもらおうと、日本の植民統治を受けたことは「台湾人が望んだことではない」と述べ、馬氏もそこまではしなかった、反日従中姿勢を示す始末。
 聯合晩報が、国共トップ会談に「具体的な成果がなかった」とする学者の論評を掲載したとのことですが、成果どころか、中国隷属姿勢を明確にする売国実績を残したのではないでしょうか?

 総統選での台湾国民の方々の選択が注目されます。



 # 冒頭の画像は、朱立倫主席と習近平国家主席




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