遊爺雑記帳

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「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」の

2019-03-23 23:58:58 | Weblog
 日米両政府は盛んに「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」の重要性を強調するが、日米豪印にとってFOIPとは一体何なのか。アジア太平洋に新たな戦略空間は存在するのか。これに対する中国の対応はどうか。
 キヤノングローバル戦略研究所はインド太平洋での政治危機や軍事衝突を想定した演習を実施したのだそうです。

 インド太平洋戦略とは何か | キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)

 
【宮家邦彦のWorld Watch】インド太平洋は戦略空間か - 産経ニュース 2019.3.14

 筆者が本コラムで「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」につき書いたのは9カ月も前のことだ。爾来(じらい)日米両政府は盛んにFOIPの重要性を強調するが、日米豪印にとってFOIPとは一体何なのか。アジア太平洋に新たな戦略空間は存在するのか。これに対する中国の対応はどうか。あれから1年以上もたつのに、これらの疑問に対する回答はいまだない

 そこで先週末、筆者の属する
キヤノングローバル戦略研究所はインド太平洋での政治危機や軍事衝突を想定した物騒な演習を実施した。同研究所が年に3回実施している政策シミュレーションの一つであり、今回も40人近い現役政治家、公務員・自衛官、地域専門家、国際政治学者、ビジネスパーソン、ジャーナリストが集まり、日米中豪印等(とう)各政府・報道関係者を一昼夜リアルに演じてくれた。彼らの貴重な知的貢献に改めて深甚なる謝意を表したい。

 シナリオの想定は202X年、ベンガル湾に近いアンダマン諸島等を含むインド洋が舞台だ。状況は急変し、まずスリランカとモルディブでクーデターが発生する。アンダマン諸島付近では中国海軍艦船が海上自衛隊艦船に火器レーダーを照射し、緊張が一気に高まる。フィリピンでは元米海軍基地があったスービック湾で操業していた韓国造船会社が4億ドルの負債を抱えて破綻し、中国企業が買収を狙っている。さらにマラッカ海峡付近ではついに米中海軍艦船が交戦状態となり、双方に多大の損害が出ただけでなく付近を航行中の日本のタンカーも被弾炎上するという想定だった。当然シミュレーションは冒頭から白熱化した。

 以下は同シ
ミュレーションの結末と筆者の見立てだ。もちろんシミュレーションはあくまで仮想空間であり、結果は現実と当然異なる。以上を前提にお読みいただきたい。

 (1)経済的合理性と地域戦略
 スービック湾の
韓国企業買収で中国チームは戦略的利益より経済的合理性を優先し、強引な買収は控えた。一見中国らしからぬ行動だが、考えてみれば、万一中国が戦略的に重要なスービック湾でプレゼンスを確保すれば、米国とその同盟国の危機感を高め、逆効果となっただろう。経済合理性と戦略的利益の相反を考える上で極めて興味深い結果である。

 (2)人民解放軍は準備不足
 
米海軍との衝突後、中国チームは展開する全艦船を自国に帰投させた。マラッカ海峡以西の軍事作戦は成功しないと判断したからだ。確かに中国は南シナ海で着々と軍事拠点を増強中だが、現時点でインド洋での中国海軍の本格的軍事作戦は難しいと判断したようだ。これが実態に近いとすれば、中国がインド洋を戦略的空間として活用し始めるには今しばらく時間がかかるのかもしれない。

 (3)日米豪印間協力も不十分
 一方、
こうした状況は日米豪印側も同様である。少なくとも今回のシミュレーションでは、これら4カ国を含む関係国の間で、インド洋における共通の戦略認識や戦闘能力が欠けているように思えた。今後は中国の能力が向上する前に、これらインド太平洋諸国の認識と能力の向上が不可欠となるだろう。

 (4)仮想演習の有用性
 最後に宣伝を少々。今回筆者は政策シミュレーションのコントローラー役を辞し、初めて演習を客観的に見ることができた。そこで改めて思うのは、政治家・役人から経営者・報道関係者まで、さまざまな異なる経験を有する論客たちが、一昼夜同一空間で真剣に議論を戦わせることにより、従来とは異なる知的融合が生まれる可能性だ。手前みそながら、
筆者の知る限り、この種の知的空間は少ないのではないか。読者の中でこんな政策シミュレーションにご関心があれば、ぜひ一度参加されてはいかがだろうか。

 安倍首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」に、2017年11月、初のアジア歴訪で来日したトランプ大統領も賛同、歴訪中に提唱し広めたとされる「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」。
 中国が覇権拡大策として展開する「一帯一路」戦略への対抗軸としても、語られることが増えましたが、時間が経過するにつれ、掛け声の拡散に対する、実態の進展についても語られるようになってきていたのですね。
 
 【正論】インド太平洋戦略を活性化せよ 平和安全保障研究所理事長・西原正 - 産経ニュース

 キヤノングローバル戦略研究所では、約40人の現役政治家、公務員・自衛官、地域専門家、国際政治学者、ビジネスパーソン、ジャーナリストが集まり、仮想空間でのシミュレーションを展開したのでした。

 シナリオの想定は202X年、ベンガル湾に近いアンダマン諸島等を含むインド洋が舞台。
 まずスリランカとモルディブでクーデターが発生。
 アンダマン諸島付近では中国海軍艦船が海上自衛隊艦船に火器レーダーを照射。
 フィリピンではスービック湾で操業していた韓国造船会社が 4億ドルの負債を抱えて破綻し、中国企業が買収を狙っている。
 マラッカ海峡付近ではついに米中海軍艦船が交戦状態となり、双方に多大の損害が出ただけでなく付近を航行中の日本のタンカーも被弾炎上。

 その結論と宮家氏の見立ては以下。
 (1)スービック湾の韓国企業買収で中国チームは、経済合理性と戦略的利益の相反を考え、一見中国らしからぬ行動で、中国チームは戦略的利益より経済的合理性を優先し、強引な買収は控えた。

 (2)米中海軍艦船の交戦状態では、中国チームは、展開する全艦船を自国に帰投させた。
    現時点でインド洋での中国海軍の本格的軍事作戦は難しいと判断。

 (3)日米豪印の 4カ国を含む関係国の間でも、インド洋における共通の戦略認識や戦闘能力が欠けているように思えた。

 (4)仮想演習の有用性。この種の知的空間は少ない。
    政治家・役人から経営者・報道関係者まで、さまざまな異なる経験を有する論客たちが、一昼夜同一空間で真剣に議論を戦わせることにより、従来とは異なる知的融合が生まれる可能性。
   
 平和安全保障研究所・西原理事長は、日米のインド太平洋戦略の中核には日米豪印間の確定された「協定」があるかのように語られることが多いが、4カ国の連携はまだ確固たるものになっていないと。
 インド太平洋戦略の中核が日米豪印となると、ASEANの中心性との関連が課題。
 
 一方、東南アジア、南太平洋、およびインド洋周辺国の国々は、「一帯一路」の罠の脅威にさらされている。
 東南アジアのラオス、南太平洋のトンガ、インド洋周辺国のスリランカ、ジブチなどがその典型。しかし、脱「一帯一路」の動きを始めた国々も出現。その受け皿が必要。
 日本はインド洋で友好国艦船への給油活動や海賊取り締まり作戦に従事してきた経験がある。安倍首相の「自由で開かれたインド太平洋戦略」が実質を伴う諸政策を基に、地域の安全と繁栄に寄与することを期待したいと西原理事長。
 日本の「一帯一路構想」への参加は限定的にして、開かれた投資と貿易に寄与すべきとも。

 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の深化が進むことを期待します。



 # 冒頭の画像は、昨年10月、共同記者発表を終え握手を交わすインドのモディ首相と安倍晋三首相




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