
チャイナセブン(中国共産党中央政治局常務委員)の改選が行われる、18日の中国共産党第19回大会まで、後10日余りとなりました。
毛沢東、華国鋒、鄧小平・胡耀邦、江沢民、胡錦濤と続いた共産党指導者の胡錦濤の後に、胡錦濤とのつばぜり合いで、江沢民の力で就任させてもらった習近平。太子党という緩い基盤しかなかったのですが、江沢民・上海閥、胡錦濤・共青団との派閥争いで、反腐敗の御旗を掲げ、政敵を排除し、毛沢東時代の専制政治体制づくりを進めてきました。
この間の経緯は、ずっと注目し、取り上げさせていただいてきましたが、習近平の2期目に向けたチャイナセブン改選が行われる党大会が目前に迫ってきました。
江沢民・上海閥は、習近平にとって恩があるはずですが、虎退治ですっかり弱体化され、胡錦濤・共青団派はポスト習近平候補として、胡春華のチャイナセブン入りは死守できそうな情勢ながらも弱体化させられ、習近平の専制政治化が止まらない様子です。
改革開放経済では、中国独自の共産党政治体制に自由主義経済を取り入れる形を産み出した鄧小平によって、安価なコスト(人件費や設備投資)で世界の工場となることで目覚ましい発展をとげ、日本を遙かに凌駕し世界第二位にまで発展をとげました。
国共内戦で、ソ連の支援を得て国民党から政権を横取りした毛沢東が率いた共産党政権でしたが、政治体制も、経済も不安定でした。文化革命の紅衛兵の狼藉振りは、不安定だった共産党政権を揺るがすものでした。
その反省で、集団指導体制を導入した鄧小平。見事に今日の世界第二位のGDPと軍事力を誇る中国の基礎を造りました。
その流れは、胡耀邦、胡錦濤と共青団派で引き継がれ今日に至っているのですね。
共産党の圧政で世界から孤立していた中国を救おうと、鄧小平、胡耀邦は、戦後急速な経済発展を遂げた日本に学ぼうとし、松下幸之助氏等が応えました。
共青団派では、「井戸で水を飲む時には、その井戸を掘った人の苦労に感謝しなければならない!」という中国のことわざに習って、松下への謝意を引き継いでいた時代がありました。
「天安門事件」の後に、鄧小平の中華饅頭低国を国際的孤立から救ったのは「松下電器産業」=「パナソニック」だった!: コラコラコラム [元祖 宗家]
胡耀邦は中曽根首相(当時)が、胡錦濤は野田首相(当時)が、先方が国内政局に追われていた時に追い打ちをかける対応をして、失脚させてしまったのですね。
改革開放経済の流れは、共青団派の李克強首相が引き継いでいます。バブル崩壊の危険をはらんだ中国経済構造の改革の為、民の活力を重視し、怠慢経営の企業の倒産はやむなしとして企業改革を推進する李克強首相に対し、お荷物の国営企業の存続を進める(倒産による失業者や経済の混乱を避けたい)習近平。
高度成長も、経済原則通りに低成長への転換期を迎えているのですが改革に踏み切れず、過去にしがみつく習近平。読売が総括の特集をしていますが、別途改めて取り上げさせていただくこととしますが、外交も含めて課題山積の習近平。
鄧小平が、毛沢東の専制政治の悪弊に反省して築いた改革開放経済&集団指導政治体制を壊そうとしている習近平。
軍事力も、経済力も世界第二位となった大国・中国を、共産党愛とはいえ、毛沢東時代への復古で、支えることができるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、松下幸之助氏と鄧小平首相

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毛沢東、華国鋒、鄧小平・胡耀邦、江沢民、胡錦濤と続いた共産党指導者の胡錦濤の後に、胡錦濤とのつばぜり合いで、江沢民の力で就任させてもらった習近平。太子党という緩い基盤しかなかったのですが、江沢民・上海閥、胡錦濤・共青団との派閥争いで、反腐敗の御旗を掲げ、政敵を排除し、毛沢東時代の専制政治体制づくりを進めてきました。
この間の経緯は、ずっと注目し、取り上げさせていただいてきましたが、習近平の2期目に向けたチャイナセブン改選が行われる党大会が目前に迫ってきました。
江沢民・上海閥は、習近平にとって恩があるはずですが、虎退治ですっかり弱体化され、胡錦濤・共青団派はポスト習近平候補として、胡春華のチャイナセブン入りは死守できそうな情勢ながらも弱体化させられ、習近平の専制政治化が止まらない様子です。
共産党大会18日開幕 「習1強」緩む個人専制抑止 礼賛過熱 党内に懸念も (10/5 読売朝刊)
北京で18日に開幕する中国共産党第19回大会で、党の「核心」たる習近平総書記(国家主席)への権力集中が一層進む見通しだ。毛沢東晩年の悲劇の教訓から、改革開放以来、党が極めて重視してきた個人専制防止システムが揺らいでいる。
■「成果」を宣伝
習氏の1期目は、こんなに素晴らしかったのか。
そう思わせる仕掛けの大展覧会が北京で開かれている。党、政府、軍などが主催し、党大会を前に、経済、科学技術、軍事など各分野での5年間の成果を大々的に宣伝している。
混雑する会場を見回せば、どの壁も習氏のパネルだらけだ。反腐敗コーナーのガラスケースには、8月、無期懲役刑を受けた遼寧省前トップの手書きのざんげ文が展示されていた。
「党規約や習総書記の発言を学び直し、精神が徹底的に鍛えられました……」
習氏礼賛。展覧会の意図は、この一点に尽きる。
習氏本人も参観し、成果を自賛、「偉大な闘争、偉大な工程、偉大な事業を進め、中華民族の偉大な復興を実現する」と語った。
「偉大」なのは、それだけではあるまい。
官製メディアは最近、習氏を「領袖」と呼び始めている。「偉大な時代と領袖は、互いに相手を作り出す」との新聞社説も登場した。こうした賛辞が暗に踏まえている言葉がある。建国の指導者・毛沢東への尊称、「偉大な領袖」だ。
党大会の基調も、習氏礼賛の延長線上にある。習路線が党・国家の大方針になり、習氏の指導的な思想、あるいは理念といったものが党規約に盛り込まれるのは確実だ。毛時代の党主席制が復活するとの声もある。指導部人事は習氏の力を更に強めるものとなろう。
習氏は、「1強」という相対的な位置を超えた領袖になるかもしれない。
■制御装置
現行規約は、民主集中制や集団指導の実施、個人崇拝禁止などを明記する。
いずれも、第二の毛が月まれないようにする制御憾置であり、政治局常務委昌の定年慣例や、指導者任期を2期10年までとする暫定規定もこれに連なる。
派閥間の対立、引退した長老らの政治介入による権力闘争も、個人独裁封じという面では積極的な役割術果たしてきたと言える。
近年、インターrツトを母体に世論の土壌が形成された。改革開放を通じて自由、民主、人権などの普遍的価値観が広がったことも、社会が個人崇拝を拒絶する要因となった。
ところが、習氏は、自らを縛るこうした制御装置を次々壊しつつある。「核心」の称号を手にし、反腐敗などで他派閥を打倒し、言論は徹底的に統制する。.
「止める手だてはない。皆、反腐敗が怖くて黙っている」と党関係者は話す。個人への歯止めの弱休化と反比例して、領袖賛美の声がますます高まる。
■中興の祖?
党と国を創った毛沢東の個人的権威は圧倒的だ。かつては神のごとく崇拝され、今も北京の天安門に巨大な肖像が掲げられている。
習氏は、毛とは違う。「党の指導」という大原則を徹底しながら、つまり既存の組織原理を利用して自らの権力を強化している。
外交関係者は「習氏は、『易姓(えきせい)革命』を意識しているようだ」と語った。
易姓革命とは、中国の伝統的統治観で、民に見放された徳なき王朝は天命によって滅ぶ、との考え方だ。改革開放期、貧富格差が拡大、汚職は蔓延し、党は確かに存亡の危機にあった。
革命指導者を父に持ち、毛の政冶に影響を受けた習氏は、党を守る思いが非常に強いと言われる。習氏は、毛の国の強力な「中興の祖になろうとしているようにも見える。
■通過点
個人専制の恐怖を誰より知るのは、毛時代を体験した共産党員だ。個人の意思で政治経済が大混乱し、対外紛争も頻発した。過熱する習氏礼賛に対する水面下の危機感は非常に強い。
党内では、権力闘争と一体化した反腐敗などへの不満も広がっている。
習氏もこうした状況は分かっていよう。「今党大会で習氏は、安定団結にも、ある程度配慮する」(党関係者)との声が強い。
1期目で「核心」になった習氏は、焦らずともよい。2期目が終わる5年後以降も習氏が権力の座にとどまるとの見方は、既に党内外の共通認識だ。
習氏への権力集中という最も重要な政治問題で、党大会が出す結論は、恐らく最終形ではない。習氏にすれば、毛に続く道の通過点に過ぎない。
惨禍招いた毛沢東崇拝
毛沢東は晩年、絶対的な権力者として思うがままに政治を動かし、中国に恐るべき惨禍をもたらした。
科学を無視した目標を掲げて農業、工業を破壊し尽くした「大躍進」(1958~60年)運動で、数千万人の餓死者を出した。続いて、自らに批判的な共産党指導部を打倒する「文化大革命」(66~76年)を発動、扇動された大衆らの暴力の嵐によって、1億人以上とみられる被害者が出た。
周辺諸国などとの戦争、武力紛争も相次いだ。
毛の死後、権力を握った鄧小平氏も、文革被害者の一人だ。78年に鄧氏が始めた改革開放は、毛の個人専制への深刻な反省から始まったと言ってもいい。毛は過ったとの評価を公式に定めた81年の「歴史決議」には、集団指導の実施、個人崇拝の禁止などの方策が随所に盛り込まれた。
現党規約は、同決議の内容を受け継いでいる。
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個人専制を禁じる党規約の主な条文
▽総則 民主集中制を堅持する。特に主要な指導者に対する監督を強める
▽第10条 重大な問題は、集団指導の原則で決定する。いかなる形式であれ個人崇拝を禁じる。指導者の活動を党と人民の監督下に置く
▽第16条 重要問題の決定では表決を行う。個人の專断は許されない
▽第22条 党総書記は、政治局会議招集などに責任を負う
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北京で18日に開幕する中国共産党第19回大会で、党の「核心」たる習近平総書記(国家主席)への権力集中が一層進む見通しだ。毛沢東晩年の悲劇の教訓から、改革開放以来、党が極めて重視してきた個人専制防止システムが揺らいでいる。
■「成果」を宣伝
習氏の1期目は、こんなに素晴らしかったのか。
そう思わせる仕掛けの大展覧会が北京で開かれている。党、政府、軍などが主催し、党大会を前に、経済、科学技術、軍事など各分野での5年間の成果を大々的に宣伝している。
混雑する会場を見回せば、どの壁も習氏のパネルだらけだ。反腐敗コーナーのガラスケースには、8月、無期懲役刑を受けた遼寧省前トップの手書きのざんげ文が展示されていた。
「党規約や習総書記の発言を学び直し、精神が徹底的に鍛えられました……」
習氏礼賛。展覧会の意図は、この一点に尽きる。
習氏本人も参観し、成果を自賛、「偉大な闘争、偉大な工程、偉大な事業を進め、中華民族の偉大な復興を実現する」と語った。
「偉大」なのは、それだけではあるまい。
官製メディアは最近、習氏を「領袖」と呼び始めている。「偉大な時代と領袖は、互いに相手を作り出す」との新聞社説も登場した。こうした賛辞が暗に踏まえている言葉がある。建国の指導者・毛沢東への尊称、「偉大な領袖」だ。
党大会の基調も、習氏礼賛の延長線上にある。習路線が党・国家の大方針になり、習氏の指導的な思想、あるいは理念といったものが党規約に盛り込まれるのは確実だ。毛時代の党主席制が復活するとの声もある。指導部人事は習氏の力を更に強めるものとなろう。
習氏は、「1強」という相対的な位置を超えた領袖になるかもしれない。
■制御装置
現行規約は、民主集中制や集団指導の実施、個人崇拝禁止などを明記する。
いずれも、第二の毛が月まれないようにする制御憾置であり、政治局常務委昌の定年慣例や、指導者任期を2期10年までとする暫定規定もこれに連なる。
派閥間の対立、引退した長老らの政治介入による権力闘争も、個人独裁封じという面では積極的な役割術果たしてきたと言える。
近年、インターrツトを母体に世論の土壌が形成された。改革開放を通じて自由、民主、人権などの普遍的価値観が広がったことも、社会が個人崇拝を拒絶する要因となった。
ところが、習氏は、自らを縛るこうした制御装置を次々壊しつつある。「核心」の称号を手にし、反腐敗などで他派閥を打倒し、言論は徹底的に統制する。.
「止める手だてはない。皆、反腐敗が怖くて黙っている」と党関係者は話す。個人への歯止めの弱休化と反比例して、領袖賛美の声がますます高まる。
■中興の祖?
党と国を創った毛沢東の個人的権威は圧倒的だ。かつては神のごとく崇拝され、今も北京の天安門に巨大な肖像が掲げられている。
習氏は、毛とは違う。「党の指導」という大原則を徹底しながら、つまり既存の組織原理を利用して自らの権力を強化している。
外交関係者は「習氏は、『易姓(えきせい)革命』を意識しているようだ」と語った。
易姓革命とは、中国の伝統的統治観で、民に見放された徳なき王朝は天命によって滅ぶ、との考え方だ。改革開放期、貧富格差が拡大、汚職は蔓延し、党は確かに存亡の危機にあった。
革命指導者を父に持ち、毛の政冶に影響を受けた習氏は、党を守る思いが非常に強いと言われる。習氏は、毛の国の強力な「中興の祖になろうとしているようにも見える。
■通過点
個人専制の恐怖を誰より知るのは、毛時代を体験した共産党員だ。個人の意思で政治経済が大混乱し、対外紛争も頻発した。過熱する習氏礼賛に対する水面下の危機感は非常に強い。
党内では、権力闘争と一体化した反腐敗などへの不満も広がっている。
習氏もこうした状況は分かっていよう。「今党大会で習氏は、安定団結にも、ある程度配慮する」(党関係者)との声が強い。
1期目で「核心」になった習氏は、焦らずともよい。2期目が終わる5年後以降も習氏が権力の座にとどまるとの見方は、既に党内外の共通認識だ。
習氏への権力集中という最も重要な政治問題で、党大会が出す結論は、恐らく最終形ではない。習氏にすれば、毛に続く道の通過点に過ぎない。
惨禍招いた毛沢東崇拝
毛沢東は晩年、絶対的な権力者として思うがままに政治を動かし、中国に恐るべき惨禍をもたらした。
科学を無視した目標を掲げて農業、工業を破壊し尽くした「大躍進」(1958~60年)運動で、数千万人の餓死者を出した。続いて、自らに批判的な共産党指導部を打倒する「文化大革命」(66~76年)を発動、扇動された大衆らの暴力の嵐によって、1億人以上とみられる被害者が出た。
周辺諸国などとの戦争、武力紛争も相次いだ。
毛の死後、権力を握った鄧小平氏も、文革被害者の一人だ。78年に鄧氏が始めた改革開放は、毛の個人専制への深刻な反省から始まったと言ってもいい。毛は過ったとの評価を公式に定めた81年の「歴史決議」には、集団指導の実施、個人崇拝の禁止などの方策が随所に盛り込まれた。
現党規約は、同決議の内容を受け継いでいる。
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個人専制を禁じる党規約の主な条文
▽総則 民主集中制を堅持する。特に主要な指導者に対する監督を強める
▽第10条 重大な問題は、集団指導の原則で決定する。いかなる形式であれ個人崇拝を禁じる。指導者の活動を党と人民の監督下に置く
▽第16条 重要問題の決定では表決を行う。個人の專断は許されない
▽第22条 党総書記は、政治局会議招集などに責任を負う
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改革開放経済では、中国独自の共産党政治体制に自由主義経済を取り入れる形を産み出した鄧小平によって、安価なコスト(人件費や設備投資)で世界の工場となることで目覚ましい発展をとげ、日本を遙かに凌駕し世界第二位にまで発展をとげました。
国共内戦で、ソ連の支援を得て国民党から政権を横取りした毛沢東が率いた共産党政権でしたが、政治体制も、経済も不安定でした。文化革命の紅衛兵の狼藉振りは、不安定だった共産党政権を揺るがすものでした。
その反省で、集団指導体制を導入した鄧小平。見事に今日の世界第二位のGDPと軍事力を誇る中国の基礎を造りました。
その流れは、胡耀邦、胡錦濤と共青団派で引き継がれ今日に至っているのですね。
共産党の圧政で世界から孤立していた中国を救おうと、鄧小平、胡耀邦は、戦後急速な経済発展を遂げた日本に学ぼうとし、松下幸之助氏等が応えました。
共青団派では、「井戸で水を飲む時には、その井戸を掘った人の苦労に感謝しなければならない!」という中国のことわざに習って、松下への謝意を引き継いでいた時代がありました。
「天安門事件」の後に、鄧小平の中華饅頭低国を国際的孤立から救ったのは「松下電器産業」=「パナソニック」だった!: コラコラコラム [元祖 宗家]
胡耀邦は中曽根首相(当時)が、胡錦濤は野田首相(当時)が、先方が国内政局に追われていた時に追い打ちをかける対応をして、失脚させてしまったのですね。
改革開放経済の流れは、共青団派の李克強首相が引き継いでいます。バブル崩壊の危険をはらんだ中国経済構造の改革の為、民の活力を重視し、怠慢経営の企業の倒産はやむなしとして企業改革を推進する李克強首相に対し、お荷物の国営企業の存続を進める(倒産による失業者や経済の混乱を避けたい)習近平。
高度成長も、経済原則通りに低成長への転換期を迎えているのですが改革に踏み切れず、過去にしがみつく習近平。読売が総括の特集をしていますが、別途改めて取り上げさせていただくこととしますが、外交も含めて課題山積の習近平。
鄧小平が、毛沢東の専制政治の悪弊に反省して築いた改革開放経済&集団指導政治体制を壊そうとしている習近平。
軍事力も、経済力も世界第二位となった大国・中国を、共産党愛とはいえ、毛沢東時代への復古で、支えることができるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、松下幸之助氏と鄧小平首相

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