買ったまま読んでなかった本があります。
夕べ一気に読みましたが、難解な数式が無いので楽しめました。
ここ数日で読んだ本ですが映像に応用できそうです。
大げさに表現すれば「映像と物理学/心理学の融合」。
手元に現像済みの16ミリフィルムがあります。
写っているのは暇つぶしに撮った映像。女子高生が友人とコタツで本を読んでいる、それだけ。
このフィルムは珍しい両穴タイプです。
これを適当にカットしてひねって両端をつないでみました。
両穴ですからもっと長くカットすれば映写機にそのまま掛けられます。
映写機又はエディターを出してきて映像がどうなるか、試すことはできますが結果はわかっています。
同様のことをビデオ映像で試してみます。Premiere なら簡単です。
秋の蕎麦畑です。10秒だけタイムラインに置いて
それをコピーして後ろに繋ぎます。
後ろのカットを左右反転。フィルムをひねって繋ぐのと同じ理屈です。
これをループ再生すると、10秒毎に映像が表になったり裏になったりして無限に続きます。
なるほど、メビウスの輪って、映像ならこうなるだけなんですね。
前から考えている短編映画の構想はこの面白い空間を見つけたのがきっかけです。
x,y,z の三次元空間が明確に認識できるのに写真はあくまでも二次元というパラドクス。
構想では初老の男が短いトンネルから現れ脇の階段を上がって右上の要壁の上を進みます。
男は要壁の上を歩き、山道を上りますがその先で再びこのトンネルの入り口に戻ります。
山道を上ったのにここに戻るなんてことは現実にはあり得ませんが映像の世界では普通に可能です。
男の意識ではこのトンネルはもっと長くて地下道を通って地上への階段を上がり、トンネルを出ます。
男がトンネルを出た位置がメビウスの輪のつなぎ目で、彼の目にはこの先の、先ほど通った空間が左右反転しています。
男は左右反転(空間の裏側)を一回りして再びこのトンネルを出たときに空間は元に戻ります。
もうひとつ、重要な要素がデジャブ現象。
男が同一画面に同時に登場はしませんが、彼の視線の先、又は後ろに何度か遠くに彼が見えます。
それは過去の彼なのか未来の彼なのか。
小道具又は大道具も採用したいところで、だまし絵を応用した何かで観る側を徹底的に混乱させます。
そんなことを考えていると自分自身の頭がメビウスの輪かクラインの壷になりそうです。
今この記事を書きながらプレビューして文章を足したり消したりして何度もプレビューで確認ってのも、あれ?。