本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「幸せの経済学」~私なりに~

2011-05-22 20:45:55 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
Facebookでご紹介いただいて、いろいろ考えるところもあり、参加してみました。
映画「幸せの経済学」は、国際多様性デーの5月22日に合わせて、全国113か所で同時上映されたそうです。
私は福岡市で参加しましたが、映画を見て、その後パネルディスカッションという構成でした(全国一緒なのかなあ・・)。

映画については、共感できる部分もありましたが、どちらかというと「先進国側の人が作った映画だよね」という感想が強かったです。

まずは、いろんな国の研究者の方が登場し、いろいろなコメントを出されていたことについて・・
先進国、新興国、いろんな国を混ぜてはいましたが、結局皆さん、先進国で教育を受けたことがある方(だろう)で、自国以外の情報を持っていて、だから言えるんだよねって思いました。
自分の国のことは外に出てみないとわからないとはよく言われることで、発展途上の国々の文化や暮らしが素晴らしいと言ってもそれは、先進国で便利な暮らしを知った上で、その問題点を見た上でしか、本当の素晴らしさはわからないんじゃないかな・・

ブータンの例が出てきていましたが、ブータン国王が「国民全体の幸福度」なんて指標を持ちだして、ブータンが幸福なんだって言わざるを得ないのは、ブータンの国民がやはり先進国型のライフスタイルに魅力を感じているからだからじゃないでしょうか?

大企業が提供する消費スタイルにどっぷり漬かってきて、その問題点が明らかになってきた段階になって、自分たちがどれだけその魅力に魅かれていたかを忘れて、まだそのスタイルを知らない人たちに、あなたたちの生活は素晴らしいなんて言っているのは、失敗をした人たちが自分たちの失敗の原因をちゃんと考えずに無責任な事を上から目線で言っているようでいやな感じです。

先進国型のライフスタイルが拡がっているのは、単に大企業が押し付けているのではなく、それを受け入れるだけの魅力があるってことでは?
それがなぜなのか、それでよかったのか(もちろん先進国の多数の人はよかったと思っていない)を先進国の人たちがしっかり考えないで、自分たちが失くしたものを持っている国に対して、そこで止まれっていうのは、まさに先進国的発想じゃないのかな?
そういう視点から言えば、映画の中にあった、まだ開発が進んでいない国のリーダーを先進国に連れて行き、その光と影を見てもらうというのはとてもいいことじゃないかと感じました。価値観を押し付けるのではなく、現実を見てもらって当事者に判断してもらう。
何よりも大事なのはきちんと情報を伝えるってことじゃないかな。

それから「幸せ」について
幸せなんて個人レベルではやはり口に出すのはちょっと恥ずかしい言葉だし、普通は幸せなんて意識しない。
何か不幸があって、いままでの生活が幸せだったと気付いたり、
とても困難な状況を克服できて、幸せになったり、
幸せは不幸と対になって初めて、強く意識できるものだと思います。
また、幸せは何かを選ぶことでもあるようにも思います。自然に囲まれた生活を幸せと思うなら、多少の不便を犠牲にする。
モノに溢れた生活を幸せと思うなら、長時間働いたり、人が遊んでいる時に努力をして高収入の仕事を手に入れたり・・

まあこれは自分のそこそこ長い人生体験から確信しますね。

ローカリゼーションについて
とても大切な事だし、本来あるべき姿だと思います。でもやはりこれも幸せと同じように、覚悟を持って選ばないといけない。
狭い地域でおしゃれなデザインが生まれてくる確率は低いし、大企業が提供するように至れりつくせりじゃない。
でもやはり地元だと思うなら、がまんしなきゃいけない。大企業のモノ、外からのモノを否定するわけじゃないという言い方も映画の中にあったけれど、それは何を基準に選ぶの?そこのとこはクリアになっていませんでした・・難しいよ!

それから自然に囲まれたラダックの生活について
ちょっと見はいいかもしれないけれど、真実はわからない。日本だって昭和の初めまでは同じような生活があって
でも食うためにきつい労働があったり、きずなを守るために個人の自由が制限されたり。
ひょっとしたら宗教で心の平安があるのかもしれないけれど、宗教がなくなったところに宗教は取り戻せないし・・
また別の見方をすると(震災以降はかなり評価が下がっているけれど)日本って凄くいい国だって外国から評価されています。
でも日本人そう思っている?
外から見るのと実際に中で生活している人の実感って違うと思いますよ。
ステレオタイプ的な評価は一度疑ってみたいですね。

まあ、否定ばかりしても建設的ではないので、自分が感じた「幸せの経済学」について・・

そもそも、幸せを経済学だけで考えないこと。
そして人の生活は日々動いているから、常に考える。
例えば自分がいまやっていることは間違っていないか?→白黒つけられるような話はないと思うけれど・・等、日々自分の頭・言葉で考えていきたいですね。

それからできるだけ情報を集めること、提供をすること。知らなければ判断はできません。だから情報を提供することが、例えばお互いを理解する最良の方法だと考えてます。ちょっと唐突だけれど、情報がとても大事だから、そのためには文明の象徴ITだって利用した方がいい。ITはうまく使えば、とても大切なツールになると考えています。

自分個人がすること=自分ができることをすること。そしてやはり考え続けること。
さらに人間は地球上の一つの種として、地球に住まわせてもらっていることを意識しておくこと。そして地球を滅ぼすもっとも危険な暴走している種であることを意識しておくこと。(始末におえない種としてよくゴキブリを例にだすけど、人間の方がもっとひどい)

全般的に批判的な意見が多いので、グローバリゼーション擁護派に見えるかもしれないけれど、実は何でGDPを気にしなくちゃいけないの?何で順位を争わないといけないの? 個人が日々の暮らしに満足し、安心して過ごせることが大事でしょって強く思っている人間だってことを付け加えっておきます。

すごく長くなったけれど、それだけ考えさせてくれる映画だったってことかな。
参加した皆さんの感想もバラバラのようでした。

みんなが共感を持って終わるフォーラムやセミナーが多い中、こんな意欲的な取り組みをする主催者がちょっと気になりました。

思いっきり考えさせていただきました。楽しく深い時間をありがとうございました。


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第4回九州ソーシャルビジネスフォーラムに参加

2011-05-22 06:34:23 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
九州ソーシャルビジネスフォーラムに参加しました。

朝9時45分から始まって、終わったのが17時。途中昼休みは30分強。
参加者ほとんどがポジティブな方々及びソーシャルビジネスをヘビーにやっている方々。
濃い、濃いフォーラムでした。

最初、活動領域の違う分野の方々が集まって議論になるのかと考えていたのですが、
自分が思っていたのと開催主旨が違うのかなと思いました。

活動している方々が、自分のバランスを取り戻す場・・なんだなと理解しました。

本業をやりながら、あるいは生活が不安定になることを承知でこのビジネスを始める方々にとって
同じように志高く活動をしている方々と会って、様子を見る、話を聞くっていうのはとても大切な機会なのだろうと。

ですからそんな中で強いネットワークができているようで、ちょい参加者にはとても入りづらいところもありました。

とても大切な場だと感じましたが・・感じたからかもしれませんが、
これとは別にソーシャルビジネスについて技術的な問題(?・・活動の現状や経営に関する問題とか)の情報交換できる場も必要かなと感じました。

ところで、午後からはワークショップで、始まる前はぜんぜん期待してなかったのですが、ハマってしまいました。

12のテーマについて、アクションプランを創るものでした。

仮想のプランだったのですが、現実のプランだと見立ててやってみるとあれもこれもって気持ちが・・

本当に現実のプランを議論する場だったら・・と残念でした。
独りで考えるよりも複数で・・というのは、やはりそうで、発案者がどこまで創りこんでおくかという難しい問題はありますが、使えるやり方だと思いました。


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