本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

責めの女とどうしようの僕

2012-07-31 23:45:33 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
久々・・じゃないかもしれないけれど、お仕事の話。
人さまから相談を受ける仕事をしています。

最近感じるのは、男女差。
相談してくる人は、女性は30代後半から50代辺りが目立って60代もちらほら。
男性は結構バラけているけれど、20代後半から30代が印象に残ります。

女性の場合・・こうしたらどうでしょうとご提案したら、バババっと自分が思ったことを発言される。
結構強い。。。そんな回答でいいの?みたいな責め(攻めの間違いじゃないです。。)の方が多い。

いやいやご自身のことだから、あなたがそう思われるなら、それでやってみてください。

という感じにこちらがなると途端に弱気になられる。。。

男性の場合・・切々と状況を説明して・・(こちら)で? どうします?どうしたいですか?

・・・(無言)
どうしたらいいでしょう? と逆に聞かれることも。。
いやいやご自身のことだから自分が考えないと。。。

わからないから相談して来られるんですが、基本自分で決めないと。。

あくまで相談機関は参考意見を聞くところだし、思いこんでしまっている時に他人の意見を聞いてハッとするところだと考えてください。

いくら仕事とは言え、人さまの今後の方向性を決めてあげて、人生を背負うようなことをやるようなところはそうそうないってこと、お忘れなく。

ああ男女差の話だった。
女性はこっちがへこみそうなくらいに力強くって自己主張も強し。
それに対し男性は「だいじょうぶ~~」って言いたくなるくらい頼りなくって自己主張なし。

最近こんな感じよね~ってつぶやいていたら、そうやね~と相槌らしきものが。。

皆さんの周りいかが。。

あんまり仕事の話じゃなかったですね。。。


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「報道の脳死」烏賀陽弘道著

2012-07-29 17:50:24 | 本・雑誌、読書






とても怖い話が書いてある本。

ネットが普及して動画が多量に投稿され、テレビが見られなくなっているとか、現地にいる方の情報がすぐにTwitterやFacebookでアップされマスメディアより速報性の高い情報を流すとか、若い人が新聞や雑誌を読まなくなっているとか・・マスメディアの将来に関する暗い話はたくさんあるのですが、受け手側である自分は、既存の利益にあぐらをかいて努力していない報いじゃない、当然の結果・・なんておもっていました。

でも・・新聞やテレビに替わって、個人でも情報を発信できるメディアができて、情報や娯楽がそこから手に入るから、それでいいじゃないってことではないことを忘れていたなあと・・

問題は情報の中身が大事だってこと。

手軽に情報を発信できるだけでなく、個人あるいは報道を仕事としていない人が発する情報の質が非常に高くはなっているけれど、その評価は「プロ並み」という言い方をするようにそれはプロの仕事ではありません。

お金をいただいている仕事とは情報発信に対する責任の度合いが違うし、未完成であってもだれも責めるものはいない。

そもそもプロの「報道」はお金を払っても見たいと思うもので、プロしか提供できないものであるはず。
大量の資金と時間を使って現地に行って、プロとしてのノウハウ、あるいは人脈などを使って普通の人ではできない取材を行って、私たちに提供してくれる。

そういう人たちがいてこそ、私たちの「知る権利」は守られてきた。

それが著者がタイトルにつけているように「脳死」の状態であるとすれば、私たちから大切な情報が隠され、あるいは情報操作が行われて、自分たちの生活が脅かされることも。
実際既にもうその状態なのかもしれませんね。

東日本大震災の際の陸前高田市の「一本松」の記事や美談記事ばかりの紙面、官公庁等が提供する資料そのままの記事など、日頃、何これと思っていることが、どのように作られているのか。
かつて新聞社にいた著者が書くことが真実に近いとすれば、それが今後変わる可能性はないのでしょう。。。

“脳死”というタイトルをつけつつも、今後の在り方について著者の意見を示していて、批判ばかりで終わっている本とは違います。
マスメディアで働いておられる方、特にまだ組織の論理に取り込まれていない方々がこの本を読まれてどう感じられるか気になります。

報道の受け手側は、「知る権利」を守るために、(私たちはマスメディアがどうなろうが知ったことではないのですが、)何をすべきかを考えないといけないとあらためて思いました。
例えば今のマスメディアの現状を知る、マスメディアの不都合なところを受け手が変える方法はないか、マスメディアに替わるくらいの情報収集方法を構築できないか。。。等など

昔から「マスメディアを監視する」という言い方はよく使われてきたのですが、権利は当然義務が伴うということを思い出して、真に必要な情報を手に入れるためにはのほほんとしていたらいけないんじゃないかななんてことも考えました。









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「超・美術館革命-金沢21世紀美術館の挑戦」蓑豊著

2012-07-27 04:38:42 | 本・雑誌、読書





有名すぎる美術館、金沢21世紀美術館館長の蓑氏が書かれた本です。
読み始めから感動。
美術館に来てほしい。
美術館を市民それぞれが市外からのお客様をまず連れて行く「市民の応接間」にしたい。
気軽に訪れる場所にしたい。

館長蓑氏の強い思いが伝わってきて、すっごい仕事だなあといつもながらの読みながら涙~。

子どもにこそ、美術館に来て欲しい。
集客のためにそんなことまでするのかと思える努力、その豊富なアイディア。
常に美術館のことを考えていらっしゃるんだろうなと感じました。

これから感受性が磨かれていく小さな子どもを持っている方に読んでもらって、子どもさんを美術館に連れていって欲しいな。
美術館だけでなく、大人が良いと感じるものをそのまま子どもに見せたり、聞かせたり、触らせたりしなくちゃいけないんだなと。

あくまでお客様の視点の運営を最近、話題になっている九州の図書館の民間委託とつい比べてしまいました。
たまたまテレビの対談でその市長さんと反対派の評論家(?)の方の話を聞いたのですが、
市長さんは経費削減と自分が見た素晴らしい書店のコンセプトをその図書館に持ち込みたいという話。自分が図書館のヘビーユーザだという話もされていました。
対して評論家は公立図書館は思想を醸成する場所だから、それを民間に委託しては駄目だみたいなお話。

その時は両方にナルホドと聞いていたのですが、実は完全に利用者の目線が抜けていた。
テレビは賛成派、反対派と分けて市民の方に意見を聞いていましたが、図書館をどういうふうに運営するかを決める時に、市民の方の考えをもっと聞かなくてよかったのかなと思いました。

それはさておき、人を集める仕組みを考えていて、手に取った本でしたが、すべてのことに通じる話がありました。

それから・・

金沢に行きたくなりました。










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「いま中国人は何を考えているのか」加藤嘉一著

2012-07-25 09:08:51 | 本・雑誌、読書
お隣の国、中国が気になります。それで中国について書かれている本や雑誌を買っているんですが、基本的な知識が抜けていて、よく理解できていません。中国を自分なりに体系的に理解したいなと思っているところです。

加藤嘉一さんは、「中国」の特集が組まれる時に必ずと言っていいほど、記事を書いたり、コメントを求められる方です。

その方が書かれた「中国」を読んでみました。

中国について日本のメディアの扱い方は、中国の可能性を高く評価し、それが日本に正負の影響を与えるだろうというものから、経済成長が失速していて、いろんな問題が噴出しているという内容に変わっているように見ています。

そういう報道が増えて中国内部の不都合な部分を普通の日本人である自分も断片的ながら知ることができるようになったと思います。

ですから、この本を読んで、強く印象に残るほどの新しい発見はありませんでした。
新書版の性格上仕方がないのでしょうが、中国全体のトピックをざらっと一覧した内容で若干物足りなさを感じました。そう感じるのは、もっと突っ込んだ意見・考えを期待していたからもしれません。

共産党に関する記述が多く国中に監視の目を光らせているのがわかります。
著者の踏み込みが足りないと感じるのは、中国を活動の本拠とする著者が、日本語の日本に限定した出版であってもまだまだ書けないところが多いのかななんて想像しています。

本の紹介には「現地での実体験から、中国人の意外な国民性、ものの考え方を詳しく紹介する。」とありました。
そこは私にとってはちょっと物足りなさを感じたのですが、日本人である著者が中国という国では常に政府の関与、もっと言えば脅威を感じて生活をしなければいけないこと、それに比べ日本では国が国の利益を守るため(と時の為政者が考えているだけで本当に国の利益かどうかはわかりませんが)に国民の生活を脅かすなんてことはあんまり考えていなくて、国とは困っている国民を助けなければならない存在だなんてくらいにしか考えていないなあとその違いひしひしと感じました。

以前は頻繁に平和ボケなんて言葉を使っていましたが、いまではその言葉もでないくらいボケボケなんだなあと・・この本読んであらためて感じました。

中国に限らず平和を勝ち取ってきた国の人たちと平和は既にあるものでその価値さえ考えてみようともしない私たち

のほほんと暮らせることはとてもいいことでしょうが、このツケが将来ずっしり伸し掛かってきそうで、ちょっと不安ですね。


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「僕がアップルで学んだこと」松井博著

2012-07-21 07:09:49 | 本・雑誌、読書
1992年から2009年までアップル社で働いた松井氏が、アップルでの体験を通じて考えたこと、体得したことを書かれた本です。

スティーブ・ジョブズ氏が復帰する前のアップルとその後、ジョブズ氏がトップに就いてからのアップル社内の変貌は、けしてうまくいっていない日本、我が地域、我が組織にもカリスマ的リーダーが現れてくれないかと願ってしまうくらい劇的です。

しかし、ジョブズ氏本人が終始優れたリーダーシップを発揮して、一人で頑張ってたわけではないということもわかりました。

ジョブズ氏復帰前のアップルは、「完全に『船頭のいない船」と化していました。」と書かれています。
それをジョブズ氏復帰前のCEOギルバート・アメリオ氏が組織の改革を始めて、ジョブズ氏が完成させ、腐ったアップルを蘇らせた。
社員が働きたくなる仕組みを取り戻した。

天才的なひらめきを持つジョブス氏がいて、組織もそれに応えた。

天才がいなくても組織さえ蘇れば、アップルほどの成功はなくても、いい仕事を世に出せる組織になるんじゃないかと期待してしまいます。・・組織を蘇らせるところに卓越した発想と強力なリーダーシップが必要なんでしょうけど。。

それはさておき。。

企業の経営方針とかの大きな話だけでなく、製品開発を行う際の思考方法のようなものだとか、社内政治とか上司との付き合い方だとか、組織で働く上で考えるべきがだいたい出ています。いま自分が悩んでいることについても当てはまるところがあって、アップル社(比較するには立派すぎるかもしれませんが・・)と自社の比較をしてみたら、気付きがあるかもしれません。

成功しているモノに共通に感じる「方向性を示してやる気にさせる・・というよりやってもらう」「それを継続させるものを仕組みとして織り込んでいる」がこの本からも感じられました。

若手が松井さんいい経験してよかったよねって読むんじゃなくて、経営者やそれなりに会社を動かせる人が読んで、若手の方々に松井さんと同じような経験をさせてあげて欲しいなって思いました。
単なる経験談として読むか、自組織と自分を変えるヒントを与えてくれる本として読むか。。


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「無趣味のすすめ」村上龍著

2012-07-18 00:38:00 | 本・雑誌、読書
幻冬舎文庫のこの本をなぜ自分が持っているのか忘れてしまいました。

平成23年4月15日初版発行となっているから、買ったのは去年くらいかなあと思いますが、もはやどこに何があるか分からなくなっている本棚を三連休にちょっとだけひっくり返して見つけて読んでみました。

村上龍氏と言えば、「限りなく透明に近いブルー」で作家デビューされて、その内容から、ちょっと違う危ない世界に住んでいる人みたいなイメージを勝手に持っていました。
それが、バブル崩壊後に出た「あのお金で何が買えたか」とか、「13歳のハローワーク」とかを見て、あれこんなことに関心があったんだ~とへぇ~状態だったですが、それからプロスポーツの話をされていたりもして・・・

そしてテレビの「カンブリア宮殿」。経営を語る人になられたのかなあ~

もともと小説家にあんまり関心がなくて、著者の現在に関する知識はほとんどゼロ。

それが本を見つけて読みだして、あっという間に読んでしまいました。

主に仕事や社会に関するエッセイ集。

たぶん著者はサラリーマン経験がないんじゃないかと思いますが、その方がサラリーマンについて語るところは、そうは言っても・・と言いたくなります。
ですが、日頃テレビによく出る評論家の方々が言うこととは一味違っていて、独自の見方が心地いい。
かといって好きかと言うとやな感じだよねとも思ってしまう。。。

読者を突き放しているところも結構あって、媚びがない。

賛同はできないところも多いけれど、視点が違うからこの考え方を参考に自分なりに別の見方してみようかなってふうに思う本です。

いろいろ言ってしまっているけれど、常に時代を追ってこられた方なんだなあ、すごい努力をされているんだろうなと感じています。


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エネルギー切れ

2012-07-14 22:48:10 | 日記(日々の出来事)
今週はいろいろありました。

ここ数年、もう駄目かなあ~と見ている我が組織に対して、もう決定的に駄目だ!とがっくりしてしまった月曜日に始まって、それでも未練たらしくまだいいとこもあるじゃんと週の半ばに思えることもあったりして・・

こんなことで疲れちゃいけないと頑張っていても、やっぱり脳の方がついていけなかったようで、本日シャットダウン。

何にも考えられない状態になってしまいました。
お腹の調子も悪かったし・・

それでお昼からひたすら睡眠。

寝るに限りますね。

調子悪いなあと感じたら、いろいろ考えずに寝るに限る。

でも休養するために積極的に寝るぞ~と決心して寝ないと変な夢見たりしてかえって疲れちゃうってこともありますが・・・

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「武器としての交渉思考」瀧本哲史著

2012-07-13 05:34:35 | 本・雑誌、読書
「次世代による次世代のための武器としての教養 星海社新書」と銘打った星海社新書の「軍事顧問」を務められる瀧本哲史氏のこの新書シリーズ「武器としての決断思考」の続く、一冊。

若者に向けて書かれた本ですが、社会で成功を収めてある程度影響力を持った年配者を「エスタブリッシュメント」と呼び、若者にこの層を見方につけるよう語られており、年配者は(エスタブリッシュでなくても)、脇役として次世代を支えるために読んでみてもいいかな・・・なんて思っていたんですが、”交渉”に関して書かれた本で、いまや人生交渉だらけですから、とても参考になりました。

それから当然若者に向けたメッセージが随所にあって、退屈なノウハウ本とはちょっと違いました。感動しつつ、”交渉”について考えられる。

なかなかのお勧め本です。

交渉についていろいろ参考になる当たり前だけれど忘れていることが書かれていますが、

『自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる』

言われてみれば”当然”と思えることが、案外忘れているよね~と。。。

これじゃ、「交渉術」を学ぶために読んでみてください・・みたいになっていますが、最初に書いたとおり、この本は“次世代のための武器としての教養”を提供する星海社新書の一冊ですから、若者へ向けたメッセージ部分、こっちをメインに楽しんでください。

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小さな地域活動

2012-07-08 21:17:47 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
今日は、町内の一斉清掃日でした。朝8時から自宅の前に出て、道路のお掃除です。
ところが、うちの前がとってもきれい。
実は2軒先のご近所の方、70代の女性の方ですが、最近お仕事を辞めて暇でどうしようもないのでご近所のお役に立つことをと毎朝、ご近所の周りの掃き掃除をされております。

平日は仕事に出るのに精いっぱいで家の周りのお掃除もできていない私。

申し訳ないなあと思っています。もちろんとっても感謝。

うちの周りがきれいだからとっても気分が良くて、たぶん住んでいる自分たちだけでなく、お散歩されている方々等、ここを通る方も感じておられるだろうと思います。

地域活動と大上段に構えなくても小さなことから始めてみる。・・・ただし道路の掃き掃除は思った以上に時間もかかるし、力がいるんです。毎日続けておられるのはすごいです。

あれこれ言うより行動だな~と感じました。

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いつも仕事も本質を考えていたい・・

2012-07-07 13:43:39 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
いま、地方自治体で労働相談の仕事をしています。
この仕事をして3年目になります。
全くの畑違いから来て、1年目は勉強、2年目は労使間に起こったトラブルについて、どういう解決がいいのかを考えつつ、深刻な問題にはやはり最終的に裁判所で判断されるように金銭的な解決がいいだろうと考えていました。ですから相談をされた方が望む金額に近いものがとれるといい解決だったよねと考えていました。

でも3年目のいま、もっと広く自分の仕事を考えるようになっています。

地方自治体が労働相談をする意味は何なのか?

賃金未払いや不当な労働条件下での就労など、労働基準法に違反することであれば厚生労働省所管の労働基準監督署があります。労基署は強い権限があって法違反に厳正に対処することができます。
既にそのような組織があるにもかかわらず自治体に労働問題を解決しようとする組織を置くのはなぜか?

また、労働審判という制度が整備され、裁判を起こすことはできないけれど、専門的な解決を図りたいと思う要求に応えています。そして裁判もあるし、場合によっては加入している労働組合を通じて問題を解決する方法もある。
それではなぜ自治体にこの組織が必要か? さらには本当に必要か?っていう疑問も出てきます。

自分はとても必要だと思うし、まだまだ本当の仕事をしていないと思っています。

権限があるところは権限があるからこそ、その機能は限定的。例えば労基署は所管する法律の枠内で厳密な解釈を行い、全国一律な処理を行うために細かいところまで規則で決められ、通達で統一されます。労基法に違反していると申し立てがあれば、違反している部分について指導が行われるけれど、そこから今後違反が起こりそうなところについて、予防しましょうねなんて話はしない。

労働審判や裁判だったら訴えたことについて結論を出すけれど、扱うのは訴えられたことだけ。本当はもっと違うところに問題があるかもしれないけれど、そこは扱わない。

それじゃ自治体の労働相談は何をするか?

相談した人の問題を解決するのが最優先だけれども、それだけだったら他の専門機関にお願いした方がいい。

自治体が取り組むからには、
その問題が発生したのは、その会社だけの問題か?
同じような問題が発生しているけれど、地域で考える必要はないのか?
問題が発生しないためにできることがあるのではないか?

本当はそんなことをもっと考えないといけないように感じています。

もっと言えば、労働相談に限らず、そもそも自治体って何をすべきなのか?ってことも常に考えておかなければいけないような気がします。

「○○業務を命じる」あるいは「○○勤務を命じる」
組織から言われることはそれだけで、日々行う業務はわかっているのだけれど、その業務だけを単純に日々繰り返すだけではなく、その業務が持つ意味、効果などを考えつつ、本当は何を重点にすべきなのか、自分が動くことでどう周りに影響を及ぼすか等など、考えつつ仕事を進めたいと思います。

激しく変わっていく社会の中で、仕事のやり方の同じことをやっていればいいというものは少なくなってきました。
上の命令を待っていればいいという意見もあるかもしれませんが、物事が複雑になり、また変化も速いから上に立つ人たちも細かいところまで構っていられない。

リーダーが何もしてくれない、能力がないという前に、一人ひとりがもっと考えることがあります。
雲の上の人ではなく、最前線にいる人が、それぞれの仕事の意味を深く考えないといけないんじゃないか・・なんて思っています。


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「第四の消費 つながりを生み出す社会へ」三浦展著

2012-07-06 00:54:58 | 本・雑誌、読書
大正期以降、現在までを4つの消費社会に分けて分析していて、それがなるほどと思う切り分けです。

第一の消費社会は大正元年1912年から第二次世界大戦1941年まで。都市を中心として、国民全体の一割か二割しかいなかったと言われる中流階級が消費を楽しむ時代だった。ここで現在のわれわれの生活の原型ともいうべきもの、いわば洋風化した生活様式というものができあがってきた。

第二の消費社会は1945年から1974年、終戦から戦後の復興期を経て経済が右肩上がりに成長し、1973年に第一次オイルショックが起こり、高度経済成長が終わりを告げ、1974年にマイナス成長になった30年間。第二の消費社会の特徴は、家電製品に代表される大量生産品の全国への普及拡大としています。

第三の消費社会は1975年から2004年、低成長時代、その後バブルがはじけ、証券会社や銀行の倒産が相次いでマイナス成長が続いた30年間。消費の単位が家族から個人へと変化し始めたこと、消費が個人化したことを第三の消費社会と特徴とします。

そして2005年以降から今現在、第三までと同じように30年くらいで区切るとすると2034年になりますが、生産年齢人口が減って2007年以降は人口そのものが減り始め、そしてもう一つの変化として非正規雇用者が増加したことを上げています。
人口減により消費総額の減少したこと、非正規雇用の増加により会社という共同体に属さない個人化した人々が増大し、その人々がつながりを求め始めたことが第四の消費社会を誕生させたとしています。

欧米から中流階級が手に入れられるものがどっと入ってきて、それが庶民の手に届くものとなり、大量生産され誰もが同じものを持っていた時代、そしてそれに飽きた人たちが自分だけのもの、個性を追求したものを求めた時代、その第三の時代までの消費傾向が自分たちの生活そのものを規定してきたことがしっかり描かれています。
その時代に生きた人たちが企業が提供するもの、企業の戦略にしっかり乗せられてきたようにも感じて、少しいやな気持ちになります。

著者はマーケティング情報誌「アクロス」の編集長だった方で長年にわたり消費社会を研究されていて、本の中には豊富なデータ・事例が盛り込まれていて、活字だけの世界ですが、各時代を読み進むと3つの時代が鮮やかに再現されます。特に過去を知っているものは当時の様子がカラーで目の前に現れてくるような感じさえ受けます。

そして現在の第四の消費社会のところでは、日頃自分たちが漫然と感じていることがきっちり書かれていて、それは例えば、消費自体に疑問を感じていて、いままでとは違うもの、例えばつながりを求めていることであったり、シンプル・日本・地方志向になっていることだったりするのですが、頭の中でもやもやしていたものがクリアになります。

私たちはそれぞれの関心領域を通して、それぞれの方法でいま社会を自分なりに定義づけをしていて、多くの人がいまが時代の大きな転換点ではないかと感じているのではないかと思います。
そして、これからどんな方向に進むべきか、大げさにいえばどんな生き方をするかを考えているだろうと思います。そんなときに、消費の変化をとらえたこの本を読むことで新たな発想でいまの時代をとらえられるような気がします。

読み返すことでまた違った感じ方ができるような気もします。なかなか好きな本です。




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