ゆきさんのブログ

元お祭りオヤジの周辺・・・

追悼 ミスター

2008年10月24日 08時54分19秒 | 祭人
一つの町内の一人の長老が昨日息をひきとった。

二本松提灯祭りは七つの町内があり、その七つの町内には生字引と言われるような祭りのことや
太鼓台のことについて何を聞いても詳しい人がいる。

私の場合はその長老に励まされながら二本松提灯祭りに係わってきたと思っている。
太鼓台は生き物だと言う。伝統技術によって、昔から必要十分な強度と応力を保って来たと考え
られる。強度を優先すれば重くなり、軽量化を計れば弱くなる。しかし、見事に先人の作った
産物は、その後の手荒い扱いにも耐えて、それこそ、華麗な曳き回しを可能にしてきたのだ。
そういう意味で、その人はその伝承された生き物の扱い加減を知っていた少ない人だったと思う。
生き物である太鼓台を俺の次に面倒をみるのは、お前がやれ、と言われたことがうれしかった。


昔気質(かたぎ)のその人は世辞を言わない。
私には納得の行かない事件があり、自分の短気な性格故に祭りの紋付を脱いだ。紋付を脱がなけ
れば依然として祭りの中心に居たかもしれない。その言葉に応えようとしたが、それを続けずに
勝手に祭りから抜けたことを叱られた。曳き回しを一人の観衆として眺めていたとき、お前はな
んでこんなところにいるのだ、と。

単に好きな祭りを思うだけではなく、ある意味では職人的な目で祭りを考え、次の世代へ形で
残すことをその人から教えられたと思っている。
今、違う形でこの祭りの素晴らしさを伝えようと動いている。自分の得意な分野でそれを継続
して行こうと思っている。
ある意味では、その人への贖罪で続けているのかも知れない。

弔辞でこのことを霊前で読み上げるところだが、はなはだ小心者故に勇気がわかない。

同時に鋳造された缶金8つ、あと100年は大丈夫だね。 追悼「ほらどっこい!」


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