ゆきさんのブログ

元お祭りオヤジの周辺・・・

祭礼とイベントの違い

2008年07月14日 08時59分05秒 | 祭人
お祭りが脈々と伝えられ守り続けてこれたのは故郷の先人達の惜しみない
努力のたまものだと思っている。
伝統の文化が続けられるということは、地域の経済と無縁ではない。
経済が衰えると祭りも衰えることになる。
生活の中に余裕がなければ成し得ないことだと思うし、少なくとも、それ
を守り続けようとする意識が無くてはならない。
今まで祭りが続けられてきたことは、地域を大切にしようとする考え方と
一体だったと思う。

今、地域の経済が危うい。
社会的に人口減少化傾向も、祭礼を継続しにくくしてきている。
伝統の祭りを継続できるように、祭りに参加するものの全てが協力してこ
れにあたらなくてはならない。
よく語られるように、単に週末に祭りを開催すれば祭礼に参加する人員確
保ができるというようなものではないと思う。もっと、大きな社会のうね
りのようなものがあるようだ。

ほらどっこいも今年で6年目になる。
気軽に始めた祭りの案内冊子であったが、取材をしていて最近思うことは、
祭りに対する意識の低さである。固いことを言うつもりはないのだが、祭
りが乱れ始めているように思える。祭りの衰退は服装の乱れから始まると
言う人がいる。祭りに参加することは、神を敬う気持ちを表現することで
ある。だから、祭りを始める前には正装で参殿し、敬神と感謝の気持ちで
拝礼するのだと思う。神社に一度も詣でなくて、祭りに参加する資格はな
い。

あらためて言いたいのは、祭りとイベントは違うということだ。
二本松提灯祭りの太鼓台曳き回しは、二本松神社例大祭の中の太鼓台行事
である。一年を無事に過ごせたことに感謝する、あるいは、豊かな自然の
恵みに感謝する感謝祭なのだ。そして、普段の生活に失ったものを取り戻
すために、元気になるために行われるのが祭りなのだ。

ともすると、何かと太鼓台を曳き出すことの多い二本松だけれど、会社の
イベントに出演したり、単なる場の盛り上げに参加する太鼓台やお囃子な
どと区別するものが「祭礼」なのだ。
だから、PRを大義名分として地方に遠征するような出張行事は祭礼には
あたらない。ましてや、海外遠征など何のことだったやら。

「例大祭」とは、一年の決められた日に行われる年に一度の祭りである。
そして、それぞれの氏子におとずれるハレの舞台なのである。
だから、その祭礼に臨む姿勢は厳粛でなくてはならない。
単なる楽しみとしてそれを行うことは、祭りそのもののレベルを下げるこ
とになる。

この素晴らしい祭りを後世に残したい。 と、思う。