ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

知った話の、いわば二度語りでは、細部の異同だけが面白みだね。

2007-02-04 | 映画
悪魔の棲む家(2005)

旧作は映画館で見たな。それから、徳間書店から発売された原作(ドキュメンタリーだ。「実話」だからな)も買って読んだものだ。

大筋は「オリジナル映画」と同じだ。

ジョージ(ライアン・レイノルズ)とキャシー(メリッサ・ジョージ)のラッツ夫妻が移り住んだ家は悪霊が取り憑いた家だった。一年前に殺人事件が起こり、その犯人である一家の息子は「家」が殺すように命じたと言ったというのだった。

最大の違いはジョディである。チェルシーという末娘にだけ見える少女の霊は、原典では「悪魔そのもの」なのである。豚の天使とかいうことじゃなかったか? それとも翼の生えた豚はそれこそもとの「ドキュメンタリー」に出てきたのかもしれない。いずれにせよ、オリジナルでは終盤に破風の窓越しに巨大な豚のイメージとして登場するんじゃなかったか。それをかつての殺人事件で命を落とした末娘に変えている。しかも、チェルシーだけに見える設定ながら、早々に観客にはその姿を見せている。

そう。みんなこの話はどういう話かを知っているということを前提に、見せるときにはさっさと、そしてしっかりと見せてしまっている。

もう一点。オリジナルでロッド・スタイガーが演じていたキャラウェイ神父(本作ではフィリップ・ベイカー・ホール)の登場の間合いと微妙な役回りが変わっていた。ロッド=キャラウェイ神父は夫妻と旧知の仲で早々にお祓いを頼まれて、その置いていった十字架がいつの間にか逆さになることで家の異常を演出する素材になっていたりしたが、フィリップ=キャラウェイ神父はむしろ前の住人を知っており、「家との対決に破れるところ」も彼の方が派手である。

「3時15分の呪い」もオリジナルよりはあっさりしている。ジョージが同じ時間に目覚めるというのもオリジナルではかなりはっきりしていたが、本作ではいまひとつはっきりしない。

壁に埋められた赤い謎の部屋がオリジナル。本作ではネィティブ・アメリカンを拷問したケッチャムという男の存在がはっきり示されてしまうし、隠されているのがその拷問部屋だったりする。

音楽。悪くはないが、オリジナルのテーマ曲の方が好きかな。

続編は……あるのだろうか。オリジナルには何本も続編があるのだが。

「悪魔の棲む家Part2」は結構好きなんだ。DVD出てるから、買おうかな~。廉価版でないかな~。

*「家」のカレン・ブラックほどじゃないけれど、オリジナル「悪魔の棲む家」のマーゴット・キダーもね、ちょっとお化けですから!*