ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

ヒーローの二つ名、悪玉(the villain)の通り名

2006-06-24 | 映画
アンブレイカブル」を見た。

さすがナイトシャマラン! 面白かった。 オチの心地よさに痺れた。

「シックス・センス」(Sixthってシックススだよなって思いつつ、でも、そこまではっきりは発音しないのかな?)よりも、「サイン」よりも面白かったぞ! 

それで、世間様のご意見はと、ネット検索したら……皆さん付いて行けなかったご様子ですね。

先ず、この作品をわたしがどう見たかというと、「アンブレイカブル」というタイトルが、列車脱線大惨事から奇跡の生還をしたデビッド・ダンの「傷つかない」特性だという、まあ、前情報に沿って見始めたが、

早期に提示される傷つく男イライジャとコミック(・ヒーロー)との出会いというをモチーフを受けて、Unbreakableがヒーローの二つ名、つまりIncredibleとかInvincibleとか、Amazingとか、はたまたMan of steelとかDark knightとか……そういう類いなのじゃないかと気付いた。(これらの二つ名が、どのヒーローのものかわかるだろうか? 最近のヒーロー映画ブームでアメコミ系の知識を持った人も多いと思うけれども……どう?)

そして、彼の夫婦仲の落ち着きの悪さ、子どもともうまくないらしい様子から、超人の元祖を思い出しながら見たわけである。

「スーパーマン」? いや、そのアイディアのさらに元だ。

フィリップ・ワイリーの「闘士」( Gladiator  1930)だ。この古典的SFこそ元祖超人(スーパーマン)テーマの傑作であり、文字通り1938年の「アクション・コミックス」で始まった「スーパーマン」のアイディアのもとのひとつになったに違いない作品なのである。

しかもこの古典SF、超人の悩みをきちんと描いている。いかに超絶的腕力と不死身の体があっても解決できないことはいくらでもある。家族の生老病死などというものには非力なのだ。(苦悩するヒーロー、「スパイダーマン」とかが「新鮮」だったひとは必読!)

そういう作品を頭に思い描きつつ見ていたので、デビッドの妻との仲、子どもとの仲ということも、なるほどと思っていたから……あのオチはなるほどありだな、と胸に染みてきたのであった。

オタクにして、オタクを見抜き得る、という見方を要求するのがナイトシャマランなのだろうよ、きっと。

*あとは旧作「翼のない天使」を確認することと、「ヴィレッジ」が「期待通り」か確かめなければ。「スチュアート・リトル」と「スチュアート・リトル2」も見終わっているが、これはちょっと違う話題になりそうかな、と思う。

*「サイン」より、SCARY MOVIE3(=最“狂”絶叫計画)が面白いという意見は、きっとあるのだろうな。

*オチの直撃はしていないけれども、見た方はこの記事の題名に気付いてね!