ブログを長く休んでいた今年の冬のはなしです。
※虫の画像がありますのでご注意!
その頃、私は熊本市立金峰山少年自然の家の施設管理人をしていました。
主に小学生の集団宿泊活動で使用するための施設でしたが、事情(平成28年熊本地震の影響による建物不具合)があって使用禁止になったので、その施設に宿泊する子供はおろか、日中の利用者もいませんでした。
それでも、防犯・安全・管理のために屋内・屋外施設の巡視等は続けられました。
施設は標高350mほどの山中にあるので、暖冬だったとはいえ2月に入ると寒さが厳しくなり、暖かい頃にはウンザリするほどたくさんいた虫たちも、少なくなっていました。
偶に見かけることがあっても、その動きは秋ころまでの元気なものではなく、モソモソ・ヨタヨタと一歩一歩進む弱々しいにものに変わっていました。
クサギカメムシ(たぶん)
このカメムシは宿泊棟の廊下にいたものです。
すでに息絶えて屍となっているものです。
この虫は数日前からこの場所にいました。
何をしたかのか、何処へ行きたいのかわかりませんが、ユーックリと足や触覚を動かしていました。それでも、ほとんど進むことができないでいました。
文字どおり行き倒れの状態ですが、尊厳を保つかのような、スックとした立ち往生でした。
これはアリモドキの一種ではないかと
廊下の縁を、何かを(出口?)を探しているかのようにしながら、ユックリ横に移動していました。
外に出たがっているように見えました。直ぐ上の窓を開けて外に逃がしてやろうと思いましたが、考え直しました。
外は冷え込んでいます。良かれと思ってしたことが死期を早めることにも成りかねないと・・・
どうしようかと迷った末、このアリモドキ?を紙に載せ、玄関ドアの下の隙間のところへ移してやりました。
ここであれば、屋外へ出るか室内に戻るか、この虫が決めることができるはずです。
施設内を巡回して約20分後に戻ってきたとき、ここにこの虫の姿はありませんでした。
近くを探しましたが見つけることができませんでした。
外へ行ったのか、室内に戻ったのかわかりません。
余命いくばくもなかったかもしれませんが、我が道を行ったのだろうから、それで良しとしました。
立ち往生のクサギカメムシは、後日、外の土の中に埋めました。
宿泊棟の部屋の網戸には、沢山のホソヘリカメムシや蛾が張り付いたまま往生していました。
みな、天敵に襲われないで生き抜きた末の、穏やかな死に方だったのだろう思と思います(思いたい)。