湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
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◇ 観ることができた「ランス美術館展」と観られなかった「熊本復興ねぶた」

2016年09月04日 23時48分52秒 | 日常・その他
7月16日より熊本県立美術館で
「ランス美術館展」(*)が開催されていました。

  * : ランス美術館(フランス)の大規模改修に
     合わせて、その所蔵品の一部が日本で紹介
     されるもので、熊本を皮切りに、来年3月
     までの間に、静岡、福井、広島の各市で
     開催されるようです。
     子供時代を熊本で過ごされた
     レオナール=ツグハル・フジタ(藤田嗣治)
     さんの絵も多く展示されます。

台風12号が接近している雲行きでしたが、
前売り券を買っていたので、
最終日の今日(4日)観に行ってきました。


 ウジューヌ・ブーダン <ダンケルク周辺の農家の一角>
 アルフレッド・シスレー <カーディフの停泊地>
 レオナール=ツグハル・フジタ <マドンナ>(**)
 ヤーコブ・ヨルダーンス <サテュロス>
 ,etc.

  印象派でない方の絵も印象に残りました。

  ** : 黒人の聖母と、それを囲む黒人の天使たちが
      描かれていました。
      解説には、聖母のモデルは
      懐かしい映画「黒いオルフェ」のヒロイン
      マルペッサ・ドーンさんだと書かれていました。
      愛らしい顔でした。

  フジタさんのコーナーには
  晩年に描かれた宗教画が数多く展示されていました。
  地震で被災した熊本は、
  母亡き後の幼少期を過ごされた
  思い入れのある場所のはずです。
  このランス美術館展は熊本地震発生のずっと前から
  開催が決まっていたものですが、
  県民をキリスト・聖母の眼差しで
  慰めたかったのでしょうか?
  何かしらの因縁を感じました。


美術館は熊本城内二の丸広場の西側にあります。


後ろ(東側)を振り返ると、
熊本地震で壊れた
痛々しい天守閣や櫓、石垣があります。

   ※手前の櫓が
     辛うじて隅石でもっている戌亥櫓(イヌイヤグラ)。
     後方の中央が天守閣、向かって右が宇土櫓、
     左に最上階屋根だけ見えているのが小天守。


二の丸広場では
「ねぶた」の解体作業が進められていました。



  この山車は
  「纏(マトイ)と唐獅子牡丹」といいい、
  熊本地震の被災者を元気づけようと、
  8月の青森ねぶた祭で使われた1台が
  トレーラーに分載されて、
  はるばると持ち込まれたものです。
  青森市で会社を経営されている外崎玄さんの発案で、
  青森と熊本の有志により運行されました。

  3日(土)、4日(日)の2日間の運行が
  予定されていましたが、
  台風12号の影響で4日は中止となりました。

  私は仕事の都合等があり、
  4日に観ることを楽しみにしていましたが、
  残念ながら解体作業だけを見ることになりました。



  ローカルのテレビニュースで
  勇壮な山車と跳人(ハネト)の踊りで
  盛り上がった群衆の映像が流れていました。

   多くの熊本県民が元気づけられたようです。
   青森の皆さんありがとうございました。