湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

◇母の卆寿お祝い一泊旅行(1/3) - 蕎麦屋「蕎麦工房まつ田」での昼食 -

2014年10月28日 13時54分58秒 | ちょっとした出来事?
数え歳で90になった母の卆寿祝いで、
南阿蘇へ一泊旅行しました。

一行は9名です。
東京に住む姉の家族3名も参加者してくれて、
マイカー(軽)とレンタカーに分乗して出かけました。

南阿蘇へは何度か行ったことがあるということで、
母の疲れも考慮して特に観光地巡りはしませんでした。

昼は蕎麦、夜は美味しい料理が食べたいという本人の希望を考慮して
店と宿を選びました。


昼は高森町にある「蕎麦工房まつ田」で、
「鴨せいろ」と「そばがき揚げだし」を食べました。
この蕎麦屋さんは寮生推奨(*)の店です。

  *:以前に書きましたが私の仕事先は某職業訓練校の
    舎監(寮の管理人)です。
    寮生の中に南阿蘇出身の者がいたので美味しい
    蕎麦屋を教えてもらっていたのです。


この店は根子岳(阿蘇五岳の一つ)の南麓にあります。
人家が少ない田舎の農道の脇にある、気を付けていないと通り過ぎてしまうような
隠れ家的な目立たない店です。
店主手作りの木製テーブルが4卓、18席しかありません。

    ・当日の根子岳(標高1,433m)  ※南側にある高森町から見たところ。 

それにしてもラッキーでした。
私たちがその日最後の客だったのです。

私たちの後ろから入店しようとしていたグループは
店のおばさんの『すみません。売り切れました』の言葉を聞いて、
ドアを閉めてスゴスゴと帰っていかれました。

私たちが店に入ったのは、まだ昼の12時を少しまわった頃です。

『エッ、ナニ?』と思って小さな看板を見ると

 開店:11時30分
 閉店:売り切れしだい

  と書かれていました。

なんと、開店して1時間もしないうちに売り切れとなったのです。

儲けなど念頭になく、数を限って
納得する物をつくられているのでしょう。

一歩遅れていたら、スゴスゴ組になるところでした。



店の愛想のいいおばさんに『鴨せいろセット(2,100円だったか?)』を
頻りに勧められたのですが、夜のごちそうのことを考えて全員単品注文になりました。


◆「そばがき揚げだし」(350円)の感想

ご飯を食べながらでも酒を飲むことがある食通でない私は
感じた味覚を文字や言葉で上手く表現することが困難です。

今回食べた「そばがき揚げだし」の美味しさを敢えてお伝えするとなると
次のような文章になります。

  外はサクサク、中は柔らかトロッチリ(トロリとモッチリの中間)で、薄味。

  人はこれを食べたとき、
  食べタレのように一口目で絶句し『美味い!』と”感激”で叫ぶ、ということはないでしょう。

  しかし、その後他のそばがきを食べるたびに
  『むかし阿蘇の山の中で食べたそばがきは本当に美味しかったなあ ・・・』と
  ”感慨”に耽ることになるでしょう。


◆「鴨せいろ」(1,100円だったか?)の感想

蕎麦は白っぽく細めで香りは強くなかったのですが十分な量でした。
鴨と葱が入った汁の椀は大きく、どうすればこのような味が出せるのかと考えながら、
汁だけを啜ったりもしました。

食べてる途中でおばさんが席に来て
『残った汁は濃いので、蕎麦湯で薄めて飲むといいですよ』とアドバイスしてくれましたが、
時すでに遅く、あらかた飲み干しつつあった私は
ガッツイタたおやじに見られたものと思われます。

少しだけ残った汁に蕎麦湯を足して飲みましたが
これが絶妙な味で、一滴も残しませんでした。

 おばさん早く教えてちょうだい。


東京から来た好き嫌いが激しい義兄も『この蕎麦はうまい』と言ってましたから、
遠回りした甲斐があったというものです。



やれ”蕎麦は噛まないで”とか
”先の方だけ汁をつけて”とか
”音をたてて空気と一緒に吸いこむと香りが広がる”とか

講釈が多い蕎麦通の江戸っ子の皆さまへ

『熊本にはヤマンナカ(山あいの田舎)にも
    オイシカ(美味しい)蕎麦がアットダケンネ(あるんですよ)』