カメラマサムネ

スピッツ・草野マサムネさんの詞からみつけた花・夕焼け・風・人・ぬけ道 撮ってみました

世界は卵でいっぱいになりました

2009-02-19 10:09:42 | 本本本
 夢みるピーターの七つの冒険 
 イアン・マーキュアン著 1995年 ★★★☆☆

題名のとおり、7つの短編。
原題は「The Daydreamer」で、その響きも好き。
つまり日中夢を見ている・・・空想をしている男の子が主人公。

なまなましい感覚でもって子供時代の記憶を探られる感じ!!
そうそう、忘れていたけど、いっぱい空想の世界で遊んだっけなあーー。
特に私が住んでいたのは田舎だったから、自然相手に遊ぶ時はいつも空想してた。
大人になった今してるのは妄想だけど…笑

今の子供たちは空想の時間をゲームに使ってるのかなあ。
「想像力」。特に相手の気持ち・立場を考える「想像力」がキチンとあったら
いろんな争いは無くなるんだろうにな。。。「Imagin」

こどもの時に感じていた空想のワクワクハラハラを味わいたい人、
日常の冒険に自分の翼ででかけたい人におすすめです。


「会社とはおでん鍋だ」

2009-01-25 16:26:28 | 本本本
神様からひと言 荻原浩著 2005年 ★★★☆☆

タイトルからは想像できないけれど--れっきとしたコメディ!!

リアルな体質の古い食品メーカー勤務経験がある身にとってはちょっとリアルすぎて
あの胃の痛かった日々を思い出し…たことにより、★ひとつ減少。ごめんね。
でもその経験をしてない人にとっては、痛快サラリーマンコメディだと思う。

そして真摯に会社の真髄をあらわしているのがいい。

社会や会社の矛盾、理不尽さ、無駄・・・そうゆうものの中で揉まれるってのは
忍耐や適応力やなんかを培うこと。すごいエネルギーがいるよね。
私はそこをギブしてもう自由気ままに生きていける道をなんとか探したのだけど
大部分の人にとっては頷ける所が多いんじゃないだろうか。

濃ゆ~いキャラの脇役に支えられて、前へ前へと進んでゆく主人公。
熱意やがっつりした気力とは無縁の主人公がそれでも進んでゆくさまが、いい感じ。

最近元気が足りないなぁって人、サラリーマン社会を覗いてみたい人、
読後感がスッキリしたコメディを楽しみたい人におすすめです。

「一緒に行こうよ」

2008-12-22 22:47:31 | 本本本
ICO-霧の城ー 宮部みゆき著 2004年 ★★★☆☆

「ゲームをノベライズ」とゆう珍しい作品。
ドラクエなどのように、ストーリーがはっきりしているゲームではない、「ICO」。
骨格と流れだけがあったゲームに、肉と陰影を付けたのがこちらの小説。

ゲームを知らない私は普通に冒険脱出劇として楽しめました。
少年ICOのまっすぐな心、囚われの少女の心情、謎めいた霧の城。
そのすべてのディテイルが丁寧に丁寧に描かれてゆく。
章ごとに語り手(視点)が変わるのも変化があり飽きずに読める。

ただ、お城の複雑な構造がたまにあたまに浮かばず「目で見たい!」と思うことも。
わたし、風景はいいのだけどお城や町の描写を頭でイメージするの苦手なのよね~
もうちょっと立体的な想像力も得意になりたいわ。

とある闇にひとりで立ち向かう、空想の歴史冒険小説に興味がある人、
心の中にある愛や友情に励まされながら諦めることなく進みつづける主人公
に心洗われたい人におすすめです。

「やれやれ^この人は救いがたいわ!」

2008-11-28 23:55:52 | 本本本
嵐が丘 エミリー・ブロンテ著 1847年 ★★★☆☆

私の中では漠然と「風と共に去りぬ」と同じ位置づけだったこの「嵐が丘」。
決定的な違いに気づいたのは大学生のとき。こちらは英文学史。。。ヨークシャーが舞台で
「風と~」はアメリカが舞台。南北戦争も絡んでいる激しい愛の物語です。

この古典名作を読んでいて思ったのは…いるいる!こーゆう人!!!
現代だと刑務所に入っちゃう犯罪を起こしそうな。。。倒錯気味なのです。
穏やかに愛することを望んでやまない私としては、こんなに激しく狂おしく
そう、まさしく狂ってしまうほどの愛情はちょっとコワイなぁ、とゆうのが正直な感想。

暗くて絶望的で残酷な人間の一面をじっくり見たい人、
環境が人間を育てそして激しい運命に巻き込まれてゆくのを味わいたい人におすすめです。


人間はみんな孤独なんだ

2008-11-17 10:18:03 | 本本本
オラ・メヒコ! 田口ランディ著 2005年 ★★★☆☆

初めてこの人のエッセイを読んだとき、相当の衝撃を受けた。深い!鋭い!

「面白いエッセイを書けるのはこうゆう人か」とその視点や目の付け所
そして何よりもその感受性と思考と文章にガツーんっっとやられた。
彼女の本を読んだらその後影響を受けない人の方が少ないんじゃないかな?

で、この「メヒコ」ってのは卑弥呼の仲間とかじゃなくってね、「メキシコ」です。
メキシコの旅行記ってゆうか。
半分近くはAKIRAさんとゆう今回の旅先案内人が書いています。交互形式。

著者が凹んでいるときに旅立つのを決めたせいか、全体的にロウな雰囲気。
夢見るメキシコの大地の魅力にぐいぐい引き込まれていく様が圧巻。

強烈に惹かれて旅心を刺激されたい人、メキシコに興味のある人におすすめです。

「結婚もするし学問もする」

2008-10-21 22:42:16 | 本本本
英国貴族と結婚した私 マークス寿子著 1995年(1986年)★★★☆☆

「予想と違うかも」貸してくれた友達がそう言いながら手渡しました。
。。。。ホンとだ~!貴族と結婚した、その結婚生活のことはほとんど書かれていません。
むしろ海外へ出た経緯、イギリスへ渡ってからの生活。
それらが細かい点まで書いてあります。
私はこんなに人の名前や地名を思い出せなさそうだな(汗)

男性関係についても、肝心の貴族よりもそれまで付き合ったボーイフレンドたちのことが
こまごまと書かれてるー。ほへー。私生活丸のぞきです。
そして仕事にもバリバリ生きている!!同時通訳って頭の回転速くないとできないよね。

自立して自分の求める道を突き進みたいけれど周囲の反対があって迷っている人、
異文化に住んでみたい、30年くらい前のイギリスに興味のある人におすすめです。



「火喰い鳥」

2008-10-12 23:54:53 | 本本本
チーム・バチスタの栄光 海堂 尊 2007年 ★★★☆☆

現役の医師が描く大学病院内のミステリー。
「このミステリーがすごい」で堂々の1位を取っていた話題作。

まずは文体、そしてキャラが漫画っぽいのでとっつきやすい&ポップな感じで始まる。
そのあとは主題となるミステリーが展開されてゆくわけなのだけど
本格ミステリーを期待しすぎてはいけない雰囲気。そう、エンターテイメント。
きっとすごく面白い人には面白いんだろな。

デビュー作でこれだけ書ける語彙力・表現力には脱帽です!
医療従事者の生の声や構造がふんだんに偽りなく盛り込まれている点も貴重かと。

ぶっちゃけわたしは奥田英明さんの伊良部のほうが好きなようですが。

軽い雰囲気で楽しめるミステリー好きの人、
現役医師が描く病院内に興味がある人におすすめです。


「人妻はやっぱりステキです」

2008-09-16 20:10:18 | 本本本
人妻魂 嵐山光三郎 2007年 ★★★☆☆


ー明治大正昭和を彩る人妻53人が勢揃いー
そんな風に帯に書いてある。一人の人妻につき4ページづつ、主に夫との関係や
彼女の生き様が描かれている。時代背景もあってなかなか激動の人生を生きた人も多いのね。

秀逸なのはそれぞれの章(人妻)の題名。そそられるわぁ
「不良夫を調教する妻」「人妻はカゲキに進化する」「クラクラの人妻」などなど…
大学を卒業して2年目の初夏には人妻となった身としては
こういった人妻の魅力(?)や恐ろしさ満載の本に興味津々まる~

それにしても「人妻」って独特の色気がある言葉だよね
前に初対面の人に紹介されるとき
「こちらyuccooさん」に続いて→「もう結婚してます」「だんなさんがいるんだよ」よりも
「すでに人妻です」ってゆう紹介が場が盛り上がった覚えが。

ちなみに私が目指す人妻は、ズバリ「あげまん」。今のところ、順調。にんまり。
「おまえがいるからがんばれる」な~んて死ぬまでに一度言われてみたい。よね

多種多様な人妻人生に興味ある人、「私って悪妻?」と悩める人、
「人妻魂をいつの日にか発揮してみたい!」と息巻いている人におすすめです。

「行き先の分からない乗り物に乗ってみませんか」

2008-09-01 09:21:05 | 本本本
けものみち 松本清張著 ★★★☆☆ 昭和39年

この題名で気にならないスピッツファンはいないと思います!(笑)
漢字かどうかの違いはあるけれど、ずーーっと気になってました。
なんてったって、スピッツの「けもの道」はかんなり好きなので

最初のページをくくると、まずは注釈のような短文が目に飛び込みます。

『けものみち・・・カモシカやイノシシなどの通行で山中につけられた小径のことをいう。
山を歩く者が道と錯覚することがある。』 とあります。

スピッツのけもの道は、「道路(正面の道)からはずれても諦めずに歩いてゆこう」
とゆうニュアンスで使われているのに対して、
松本清張はどうやら「人が踏み外してしまった、人間の心を失ったものが通る道」
とゆうような感覚で使っているようです。全然違うんだねえ~

松本清張の作品は何作か読んだだけだけど、30歳ころの美しく聡明で欲深い熟女が
どうしようもない夫を持っている作品が印象に残っている。
今回もそうゆう設定。そして物語の最後もなんとなく予感どおりになる。
その点ではあっと驚く展開はなかったのだが、社会の暗闇・人間の強欲・残忍性
そういったものは余すことなく書かれていたように思う。

そうそう、それとこれはR18禁!!にすべき!
描写があまりに官能的すぎて、中学生や高校生が読むにはちょいと刺激が(笑)

社会や政治の裏側に潜むものを垣間見てみたい人にオススメです。

「かなりのバカね」

2008-08-26 10:14:19 | 本本本
Fake 五十嵐貴久著 2004年 ★☆☆☆☆   


手に汗握るスリリングな展開!!あっと驚く大どんでん返しの結末!!!!

だいた~いこんな感じで始まるっぽかった(帯にはそんな風に書いてあった)ので
ハリウッド映画を観るつもりで読み始めたトコロ。。。。

読者はシャーロックホームズでいうところのワトソン君役なわけです。
そして、この本の主人公がワトソン君役。主人公も読者もタネや仕掛けが分からない。
ハズなんですが、思いっきりばれてるってゆうかトリックが浅すぎ
本書での一番ヤマであろう後半をマルマルすっ飛ばして最後だけ読んじゃったヨ

作者としては主人公と一緒に騙されて欲しかったんだろうけど、ねえ。

また、人物造詣がステレオタイプすぎて「作り物」感が否めず。伏線もこじつけっぽいし…
う~ん、どうも辛口の言葉しか出てこなそうなのでこの辺にて。



ちなみに昨日の上海、一時的に激しい雨が降って、一部浸水!
撮影機材持ってヒザまでの水を掻き分けながら歩くことに。
あー転ばなくって本当によかった!終わってみれば非日常間がたのしかった♪