カメラマサムネ

スピッツ・草野マサムネさんの詞からみつけた花・夕焼け・風・人・ぬけ道 撮ってみました

「考えているうちにバアサンになっちゃうわよ」

2008-08-12 17:44:14 | 本本本
にんげん住所録 高峰秀子著 2005年 ★★★☆☆

高峰秀子ー・・・・実は彼女の名前も姿も知らない見たことない、で
この本を読み始めた(母からもらいうけ)のだけれど。

シャキシャキっとしていて、飾り気がなく毒舌で聡明。
売れっ子女優さんとゆうのは読んでいて分かったので「キレ者」風をイメージしてたら
とっても可愛らしく美しく楚々とした人でびっくり(失礼・笑)

彼女が関わってきた人を中心としたエッセイ。
なにしろ文章が面白いので、さくさく読める。
おまけに芸能界の裏側、大物映画監督のエピソードなど、ミーハー心も満たされます。
やっぱぶっとんでるわー。凡人の価値観とは違うわー。

才能がある人が集まる芸能映画界の裏側のリアルな声(50年ほど昔だけど…)を
聞いてみたい人、高峰秀子ファンだった人にオススメです。

「ドラッグと銃はどこのストリートにもあふれている」

2008-08-06 09:04:07 | 本本本
ボーダーライン 真保祐一著 1999年 ★★★★☆

アメリカ西海岸が舞台のハードボイルド小説---

この小説を端的に表そうとするなら、その一言に尽きます。
だって主人公の職業が探偵なんだもの。ロスは犯罪で溢れかえっているのだもの。
文章も小気味よくスパっと切れていて、リズムがよい

真保さんといえば織田勇二主演で映画化もされた「ホワイトアウト」しか
読んだことがなかったけど、ユーモアのセンスあり、ストーリー構成力ありで
実力派の作家さんなんだな~ってよく分かりました。

銃社会アメリカの一面を覗いてみたい人。
生まれながらのモンスターに興味がある人にオススメです。






日本人

2008-07-28 15:26:31 | 本本本
世界の日本人ジョーク集 早坂 隆著 2007年 ★★★☆☆

小説の合間にこういった本を読むのもひとつの楽しみ。

といっても自分ではずえ~ったいに買うことはないんだけど。
(読み返すことがなさそうだから)

ともあれ、文化比較論とかが好きな人にはたまらん内容の本書です。
世界でこっそり日本人がでてくるジョークを集めたもの。
世界(と言い切っていいのか分からないけど)の人々からみた
ステレオタイプな日本人像がまる分かり。相当面白い!

中国人がオチになっているものも紹介されていて、個人的に超ツボだった
ジョークのあらすじを書いちゃいますね。

酔狂な大富豪が「青いキリン」がほしいといった。莫大な金を出してもよいそう。

イギリス人はどうやったら見つかるのか議論をした。
ドイツ人は図書館へとこもった。
アメリカ人は軍隊を派遣して探した。
日本人は品種改良に成功した。
中国人は青いペンキを買いに走った。

うぷぷぷ。国民性をキレイにとらえてます!お見事。
上海の友だちにこの話をしたら、中国人は…の時点でみんなオチが分かってたよ(笑)

海外旅行をして国民ウォッチングが好きな人、
世界から見た日本人像に興味のある人にオススメです。

「トツゲキー!」

2008-07-22 12:30:22 | 本本本
陰悩録ーリビドー短編集 筒井康隆著 2006年 ★★★★☆

まずは、wikipediaでリビドーを参照してみると、こんな感じ。
「リビドーとは、日常的には性的欲望または性衝動と同義に用いられることが多々ある」

つまり、まあ、乙女が口にだすのを憚ってしまうような、
あれやこれやが赤裸々にものすごくユニークな着眼点から描かれている短編集。
その目の付け所がすごい。本当に、スゴイ!!
そして、笑える。

大学時代の友だちをして「yuccooは下ネタだいすきだよね」と言われる私だから?
なおさら?なのかも?だけど バスの中で怪しくニヤリ。思わずクスリ。
ユーモア満載で全然やらしくない所も、作者の力量や器の大きさを見た気がします。
マサムネさんの「エロス」を日常的に浴びているスピファンには
おそらく嫌悪感を持つ人はいないであろう、爽やかエロだ!と、
内心確信してまス、ふふふ。

いやらしくないちょいエロ奇想天外の世界をこっそり覗いてみたい人、
ぶっとんだ発想に触れてみたい人にオススメです。

「どうせ死ぬのだったら」

2008-07-17 11:02:23 | 本本本
一応の推定 広川純著 2006年 ★★★☆☆

こちらも、知り合いの人から頂いた本。
まったく予備知識がなく読み始めるのは不安でもあるけどわくわくもするね~。
装丁とプロローグで、ミステリーの匂いが濃厚でしたが、マサにそうでした。

定年間近の保険調査員の男性が主人公。
私、感情的な人間なので(笑)感情描写とかはすきなんだけど
ミステリーってどうしても状況描写が多くなります。なので途中若干
集中力が途切れた…、落ち着いた文体にも単調な印象を受けてしまった。

が!調べてみたらこの作品、デビュー作らしいです。60歳の方の。
松本清張賞を受賞されてのデビュー、すごいですね。

傷害保険の裏側、ゆるやかなミステリーに興味のある人におすすめです。

「私は田村くんにたくさんパワーをもらっています」

2008-07-06 15:28:42 | 本本本
ホームレス中学生 田村裕著 2007年 ★★★☆☆

実際の話、彼の真実の人生なので星なんかをつけては悪い気がするような
誠実さを持って描かれている本。
ネタっぽい章と心に迫ってくる本音の章と、緩急がつけられていて読みやすい。

私は移動中に読んだのだけど、それでも涙や笑いがこみあげてきて困りました。
近所の人や親戚、先生や友達、家族との深く温かい交流の部分は特に丁寧に
描かれていて、作者の人柄の良さや素直さが伝わってきた。

試練がある、逆境がある、必ずしもいつも前向きではない。
それでも素直で人を妬まず、人懐っこくまっすぐで。素敵だな~

文章は…実際のところ。。。最初の数ページで何ヶ月もほったらかしにしてた位。
でも読み始めちゃうとそれほど気にならず、ほっ。

あ、もう有名だと思いますがホームレスしてたのは1ヶ月くらいの期間なので
中身の半分位はホームアリ高校生のおはなし。爆笑エピソードもあるよ。

リアルな誰かの人生の苦境を垣間見てみたい人、心の交流にほのぼのしたい人、
大阪的笑いセンスのある文章を読みたい人にオススメです

「あの子はええ目をしとる」

2008-06-22 17:46:05 | 本本本
バッテリー あさのあつこ著 1996年 ★★★☆☆

何巻も連続で出ていてずっと気になっていた本。
ひさしぶりに自分で買いました(古本屋で100円で、だけど)

読み始めてびっくり!!
爽やかなスポ根、少年同士の温かな友情、そこから生まれる感動・涙。。。
そういった期待(予想?)は見事に裏切られて 流れてるのは苛立ち・もどかしさ。
思春期の少年ってこんな風に母親や無邪気なものに対して無性にイライラしたり
まだ大人じゃない自分にあせったり・・・していたんだよなあ。

なので主人公が楽しくあはあは笑う場面ってのはほんのわずかで
あとは少し重いくらいの空気感。ずしっと手ごたえのあるブランデーケーキみたい。

真剣に周囲と向き合ってる思春期の男のこの心情を知りたい方にオススメ。

どんどん歩け!

2008-06-16 09:13:25 | 本本本
平成お徒歩日記 宮部みゆき著 2001年 ★★★☆☆

私が宮部みゆきさんの作品で「エッセイ」要素があるものを読むのはこれが初めて。
テンポのよい文章は小説のときと相変わらず。
ところどころ混ざるカタカナもなんだかよいアジが出ています。(←こんなカンジ)
本当に文章うまいよなぁ。ほれぼれ~。
お人柄がよいのも伝わってきます。

江戸時代の旧所名跡を徒歩(かち)でぐるぐる歩いちゃおう!とゆう企画を基に
編集部の方々と日本全国津々浦々歩き回る道中話なので、歴史に興味がある方は
なおさら面白く読めそう。私は~。。。日本史ぜんぜん知らないのだあ。
もっと勉強しておけばよかたね、そしたらぐっときてたと思います。

江戸時代に、宮部みゆきさんに、興味のある方にオススメです。

「死ぬのは恐くない。会えなくなることが恐いのだ」

2008-06-10 12:41:13 | 本本本

象の背中 秋元 康著 2007年 ★★☆☆☆

末期ガンで余命半年と告知された、中年サラリーマンが主人公。

すべてが「俺は…」と一人称で語られる場面で構成されてるから、
ひとりで廻してるビデオ(独白つき)を見ているような気分で読んだ。

ところどころに出てくる主人公の「男」としての身勝手さにひくひく!
それが無ければ死を目前にして生きる主人公の心に迫る葛藤や気持ちが
すーーっと胸に入ってきた気がする、残念
ぐっと涙がこらえきらない場面も途中途中あるのに、
肝心の手紙や最後のページで泣けなかったのが如実にその辺を物語ってます。

個人的には本編の後ろに載っている「秋元康×児玉清」の対談が面白かった

余命半年と自分や身の周りの人が宣告されたら?延命治療を断るって?
人生の期限を知らされた時に生きる時間を大切にする想いを味わいたい人にオススメ。

「旅は麻薬だ」

2008-03-18 01:25:11 | 本本本

上海の西、デリーの東 素樹文生著 1998年 ★☆☆☆☆

上海から始まり東南アジアを通り、インドへと抜ける旅で著者が感じたことを
描いた小説。とゆうか旅エッセイとゆうべきか。

実は三島由紀夫の後に読もうと友達から借りていた本。
でも最初の1ページをも読み終わる前に放棄してしまっていたのです。
内容よりもまず、文章にめげてしまった珍しいパターン。
自分では意識してなかったけど、最近の私は文体の好みがはっきりしてるみたい。

なんとか中国編を読んで、そこでギブしてしまったぁ。
くすりと笑ったり、ほほぅと頷かせる所もあったのですが、
著者の姿勢と文章の書き方にストレスを感じちゃったら読む意味ない!とゆう
今回はかなり辛口な評価です。オリジナリティとフラットな書き方がいかに大切か

個人的にはバックパックをひとり背負ってふらふらしていた頃の記憶が蘇って
懐かしさにムネいっぱいでした
初めての国を訪れた時の高揚感、異文化に触れる衝撃と日本を改めて見直す気持。
またそんな旅にいつか出たいなあ。なんて淡い気持ちを抱いちゃったよ。