カメラマサムネ

スピッツ・草野マサムネさんの詞からみつけた花・夕焼け・風・人・ぬけ道 撮ってみました

「ここで負けるわけにはいかない」

2010-06-25 23:05:49 | 本本本
空飛ぶタイヤ 池井戸潤著 ★★★☆☆ 2006年

熱い熱~いお話。
経済小説という括りを知らずに読み始めたのだけれど
正義感の強い主人公が活き活きとしているため固い印象は受けない。

ただ重苦しい雰囲気は始終漂う。

希望の光りがチラリ、揺れたと思ったら消えてしまう。その繰り返し。
かなりハラハラして読んだので私はちょっと疲れてしまった。
(最後に爽快感がくるかどうか・・・は読んでのお楽しみ。)

企業内営業ばかりする登場人物に、古い体質に日系メーカーに勤めていた頃を思い出し・・・。
「営業」とは名ばかりで、みんな社内政治に必死だったな。酷いことだ。


実際に起きた「リコール隠し」の実態や影響について興味のある人、
メーカーや銀行内の人間関係やその繋がりに興味のある人にオススメです。

「ぼくたちは」

2010-04-05 15:32:32 | 本本本
さくら 西加奈子著 ★☆☆☆☆

今回はまったーくはまれなかった・・・。

言い回しに色んな人の影響を感じて著者のオリジナリティを全く感じず。
そのマネ?っぽい文体にいらいらいら。。。
なのに最後までよく読んだわ~(そんなところを自画自賛・苦笑)

いちばん、んーーーーーと思ったのは著者の思い込み。
彼女は「こんなにステキな家族、いいでしょ??」と押し付けがましいのだけど
そもそもその家族がステキに思えない。
美人とゆうことでいろんなことが「限りなくやさしい」とか表現されてしまう妹が、とくに。。。

「黄色い象」は中国にいたせいかなにか、前半はかなり楽しめたんだけどなあ。


そうとう辛口になっちゃって、もしこの本を好きな人が見たらごめんなさい。
こんなにマイナスな感情わいてきたのは私だけ?とアマゾンのレビュー覗いて見て、ほっ。
今度からちょっとアヤシイ本はこのレビューの評価を参考にしよう


「忘れたくない」

2010-03-10 00:12:54 | 本本本
明日の記憶 萩原浩著 2004年 ★★★☆☆

映画化されたことで有名な本。
若年性アルツハイマーの主人公が次第に記憶を失くしていくお話。

夫婦の絆をもっともっと中心に見たかった。
ので、職場の場面では「この描写いるの?」な~んて思ってしまうことも。
でも男性にとっては仕事も家庭と同じくらい、いやそれ以上?大事なんだよね。

若年性アルツハイマーの進行の恐ろしさを知るいいきっかけに。
自分の大切な人が自分のことを次第に、でも確実にどんどん忘れていっちゃったら。
もしくは逆に。。。それを考えると泣けるんだなあ。。。

若年性アルツハイマー。聞いたことはあるけれどどんな病気か知らない人。
記憶の大切さを身に染みて感じてみたい人におすすめです。

「泣いていいぞ」

2010-02-20 22:17:14 | 本本本
図書館内乱 有川浩著 2006年 ★★★☆☆

「図書館シリーズ」の第2巻。
完璧これは1巻「図書館戦争」を呼んでファンになった人向けなので
必ず順序を守って読んだほうがよい。しかも次の巻に続いて終わる・・・。
恋愛のいちばんイイところで!!

甘~いやりとりと女性の心理描写が巧みだったので気になっていた作者の性別を調べてみたら
女性。やはり。どうりで。「ヒロ」と読むそうです。

じれったい恋愛モノが好きな人におすすめです。

「おまえ、オズワルドにされるぞ」

2010-02-16 21:30:45 | 本本本
ゴールデン・スランバー 伊坂幸太郎著 2007年 ★★★☆☆(3,5)

期待しすぎた・・・というのが第一感想。。。ざんねん。

逃げて逃げて逃げまくる。それは知っていた。
けれど途中で偶然出会う人がデキすぎている!!

その人に出会わなかったらもう一巻の終わりだろう?!ってな場面がいくつかあって。

昔からの知り合いって伏線だったらじゃあ「都合がいい」で終わらないのかって聞かれたら
なんとも言えないんだけどねぇ。うーん、なかなか消化不良な感じでおわった自分に残念。
でも先入観なしで読んだなら「伏線がステキ」ってなったのかもしれないなあ。

今映画もちょうど上映されてますね。
そちらの方はどんな構成になっているんだろう?時系列かな?

巨大なミステリーの中で逃げ続けるハラハラ感を味わいたい人、
数年連絡が途絶えていても続いている学生時代の友情を感じたい人におすすめです。

「母性=正義=自己犠牲」

2010-01-15 20:16:54 | 本本本
母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き 信田さよ子著 2008年 ★★★☆☆

もう、題名そのまんまです。

ぎくっとしたけれど、立ち止まらずにはいられなかった。

そう、あんなに仲良しだった母と私なのですが…。
昔は「母とぎくしゃくしてて、里帰り出産しません」て人に会ったりすると
「お母さんと何をもめることがあるんだろう?」なんて無邪気に訝っていたのが嘘みたいに。

この本には、母を重たいと感じる人の事例がいっぱいでてきます。
ところどころ私と似ていることもあります。お母さんには本当に申し訳ないけれど。
そして一番私が知りたい解決策は?!打開案は?!

・・・・「娘が我慢しましょう」でした・・・・・・・

そうよね、そうですよね。我慢、我慢か~・・・
この世のどのくらいの家族になんらかの問題があるんだろう??
それを乗り越えたり見えない振りをしたり。永遠のテーマだよね。
たくさんの愛情をもって育ててくれた。その感謝の気持ちはいつも忘れたくないけれど。

題名を読んでドキっとしてしまった、そこのあなたにオススメです。

「そんな感じだった」

2009-12-19 00:10:58 | 本本本
不倫と南米 吉本ばなな著 2000年 ★★★☆☆

一冊でも圧倒的に大好きな本があれば、その著者の他の本もチェックしてみる。
そんな風に読書をしている私ですが、吉本さんもそれに当てはまる。

一番好きなのは王道中の王道でお恥ずかしい限りだけれど「キッチン」
透明感のある、あの読書タイムの衝撃は今も忘れられない。

ところが、続く本がなかなか、これがどうして、あまり肌に合わないものが多い。
この本もそんな一冊。残念ながら心の奥底までは響かなかったけれど
でも南米の暑くて熱い空気や、そこはかとなく寂しい気分がじんわり表現されていた。

旅行記とは違う視点でアルゼンチンやらやらを覗いてみたい人。
ばななワールドが好きな人におすすめです。

「くー、なんか、いい!」

2009-11-19 22:32:06 | 本本本
無銭優雅 山田詠美著 2007年 ★★★☆☆

主人公、42歳男女。
中央線に生まれ育った、中央線な人々のおはなし。

名作文学を所々に挟み込みながらの短い文体は、サバーっと今っぽい雰囲気。
↑このセリフだって42歳男性のセリフなのであーる。そう、そうゆうノリ。

「私たちって粋でちょっと特別でしょ?」ってゆう視点なのは昔から変わらない~けど
「それを理解できない人たちってダサイ」から「そんな人たちにもよい所がある」
というフォローが付け加えられている辺りに年月を感じる。

何を隠そう?私も中央線沿いには2年ちょい住んでいた。
あの雰囲気、だいすき!!私もどちらか?というとそっち寄りだよなぁと思うし。

ただ「無邪気」と「こどもっぽい」は似てるけどちょっと違う。
というわけで、残念ながら3.5点くらいの読み心地。

大人になっても「運命」を感じるような恋が存在すると思っている人。
40歳を過ぎても色褪せない恋をしている人におすすめです。 

「私にも心があることを忘れないで」

2009-10-24 21:10:19 | 本本本
犬と私の十の約束 川口 晴著 2007年 ★★★☆☆

犬を飼っているor飼ったことのある人(これ私)は要注意!!!
も・ち・ろ・ん、号泣しちゃったー。。。。

とーーっても淡々とした文章です。なので展開が速く感じる。
脚本っぽいなぁと思ってたら脚本家の人が書いたものなのね、納得。
話の展開は、ステレオタイプな登場人物が多いおかげで
なんとなく先が見えちゃう。よくも悪くも安心して読めます。

残念だったのは、主人公があまり魅力的に映らなかったコト。
文章に深みがない分、想像力に任せられるのだけどいかんせん情報が少なかった。

ところで「犬の十戒」ってのはすでに存在しているみたい。
それだけで泣けるよぅぅ。小説にしなくても。
あっさりした文章が好きな人、犬好きな人におすすめです。


「看取ることができて幸せだった」

2009-08-18 16:08:43 | 本本本
そうか、もう君はいないのか 城山三郎著 2008年 ★★★☆☆ 

本編の後ろについている、次女の方のあとがき?が秀逸です。
決して長くない文章。
しかし大切な人を亡くした、その片割れの気持ちがぎゅっと詰まっている。
これを、涙なくして読める人がいるのだろうか。

遠藤周作の「深い河」もそうだけれど、どうやら連れ添った夫婦の別れ(妻の死)
に私は弱いようです。そのやるせなさに、泣けてしょうがない。

本編の方は「ほ~、こんな風に思われるような妻だったら素敵だなあ」と思うものの
時代背景の違いもあってか、そこまでピンとこなかったというのが事実。

直木賞作家さんの文筆の仕方、私生活を覗いてみたいと思う人。
温かな夫婦の絆、かけがえのない存在を目の当たりにしたい人におすすめです。