柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

嫌いなこと、嫌いな言葉

2020年07月11日 15時21分00秒 | 日記
大事なことだから、
メールや、メッセンジャーや、LINEや、手紙などでは無く、
電話で話したい
直接会って伝えたい、
という人が時々いるんですが、
わたしの性格上、そのお申し出は一切受け付けません。

だいたいそういうのって、悪い知らせなんですよね。
良い知らせだったら、すぐに伝えるから。

こちらの心構えがあるので、
わたしは、どういう内容か、あらかじめ要点を箇条書きにしてお知らせください、とお返事します。
突然、直接、悪い知らせを伝えられて、言葉に詰まった沈黙を聞かれたり、曇った顔を見られたりするのが、
わたしは嫌です。
とてもじゃないけど、耐えられません。

直接伝えたい、というのは、悪い知らせを受け取らなければならない相手の気持ちを無視した無神経な自己満足です。

あと、
ごめんなさい、
という言葉が、
わたしは大嫌いで、
息子には幼児の頃から、
ごめんなさい、という言葉は使わないで、
と伝えつづけています。

何故、相手の心身に傷を負わせたり、礼を失したり、悪いことをした側が、
「ごめんなさい(免じてください、許してください)」などと言えるのか?

免じて当然、許して当然だという厚かましい態度なのではないか?

免じるか、許すかは、ダメージを受けた側が判断するのであって、ダメージを与えた側が「御免なさい」などと言って、免じること、許すことを相手に求めるべきではない。

「ごめんなさい」と言っていいのは、
相手が傷付かない些細なこと(電車が急停車して、隣に立っていた見知らぬ人に軽く肩をぶつけてしまったーー、授業の途中でトイレに行きたくなり、机と机の間を通り抜ける際に、クラスメイトが机の端に置いてあった消しゴムを床に落としてしまったーー、など)に対してのみで、
自分の行為や言葉に怒っている、悲しんでいる、苦しんでいる、落胆している相手に対して、
「ごめんなさい」などと言うべきではない。




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