また今日のブログも昨日の続きです。「北陸旬彩・きど新」から歩いて数分のところにとても小さな古本屋さんが在りました。店頭のワゴンの上に「日本の幕末の写真集 900円」の張り紙の付いている本を見付けました。灼けに目に付くので取り上げて見ると、1986年に出版されたた「Once Upon a Time : Visions of Old Japan」と言う本のようです。ページを捲ると古き日本の風景や人々が鮮明に紹介されています。900円なんだし買うっきゃないでしょうと即購入し家に帰り写真を1枚1枚じっくり観察していますが・・・・。実は私がこの様な写真集の作品を見る時ですが時代表現や構図はもちろんですが、気にするのが撮影したカメラの位置なんですね。例えば写真5枚目の大工の仕事部屋の写真ですが背景にある道具箱の上部が見えている事や、壁面の仕切り板格子の何本目の下部が見えるかで撮影したカメラ位置は大工の頭より少し上の水平線であることが分かります。そしてこの方法で左右に在るものの写り方を検証すると大工の投げ出している足の位置に垂直線が引かれ、水平線と垂直線が交わった位置にカメラをセットして撮影した事が判明です。普通のカメラで撮影したときはこの交点はだいたいフィルムの中心なんですが、アオリ等を使える大判カメラでの撮影は交点が中心とは限りません。また昔の写真は建物や家具、自然の木々等もみな垂直線が整っているものが多いと感じます。アオリが使えないカメラでもこの傾向は同じで、今みたいにカメラを上下左右に振り回す構図では無かったとつくづく感じるのでした。(この問題についてはブログの限られた容量では書き尽くせませんね・・・また何時か。)