写真家の吉村和敏さんから大きな荷物が届いた。開けてみると12月10日発行の写真集「CEMENT」とキャノンギャラリーで開催される写真展「MAGIC HOUR」の案内状だった。吉村さんは今の時代珍しい?プロの中で大判カメラで作品を撮り続けるカメラマンだ(もちろんデジタルも使っています)。「CEMENT」の出版社コピーをそのまま使うと『「物」と異空間の劇的な写真集。過ぎ去った歴史的な時間と、今そこに生きる人々の熱い思いが重なった工場。その工場に、鉱山から切り出された石灰岩が静かに流れていく。錆びついた記憶のような風景。時間が絵筆をとったような色彩。長い航海の予感と美しい沈黙。工場の静寂の中で、「物」とそれが存在する異空間が、見る者に不思議な感動をよびおこす。』とある。なにしろ大判カメラにこだわり今回の作品の大半が4x5インチサイズの大判カメラで、中には8x10インチカメラも使用している。また工場内の薄暗い場所は中判デジタルカメラを使うなど、正に私のカメラに対する考えと一緒で、被写体に応じてカメラを選定することを実践されている。ページを1枚1枚開いていくと大胆に切り取られた被写体が圧倒的な描写力で紹介されている。久々に見応えのある写真集と感心してしまう。(出版社ノストロ・ボスコ 税込3990円)※写真展「MAGIC HOUR」については後日紹介致します。