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くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(79)

2022-04-28 19:58:16 | 「狼おとこ」

 屋敷が火で崩れ落ちていく中、おれは必死だった。みんなの命を助けようってな。けど、おやじさんはおれにおかみさんをまかせると、逃げ出してきたばかりの屋敷に、奥さんを探しにまた引き返していったんだ。燃えさかる火の中へな……」
 カッカは優しい笑みを浮かべた。
「おれは、本当は職人でも見習いでもねぇのさ。そんなおれを、今まで信頼してくれていたおかみさんには、頭があがらねぇ。これまでも分からず屋相手にさんざん戦ってきたが――」と、カッカは顔の傷跡を指でなぞった。「これからが、おれの本当の戦いさ」
「わたし、そんなことできません」と、アリエナは手で顔を覆った。
「ばか野郎……」と、カッカは小さな声で言った。「誰かが真犯人として捕まるか、それこそ本物の狼男が名乗り出なけりゃ、ばかげた裁判は終わりゃしねぇんだぞ」
「わたしが真犯人になります」と、アリエナは顔をあげて言った。
 カッカは、ため息をつくと言った。
「アリエナ、狼男は、女の子じゃないんだよ――」
 アリエナは再び手で顔を覆うと、小さく肩をふるわせながら、すすり泣いた。
 そこへ、

「おい、そこの小娘、ゲリル様がお呼びだ」

 牢番が、錠を開けながら声をかけた。アリエナは、ひっくとしゃくりあげていたのをやめ、険しい目つきをして顔をあげた。
 二人の僧が、中へ入ってきた。そして、アリエナを立たせると、牢を出た。カッカは、困ったような表情を浮かべて、その目をそらせた。


「おやおや、かわいいお嬢ちゃんじゃありませんか」と、ゲリルは目を丸くして言った。

 審問官の元へ連れてこられたアリエナは、壁を向いて手をつけさせられ、その手首を壁についた鉄輪に結びつけられていた。
「痛い思いをしたくなければ、素直に話すことです。わたしからは、それしか言ってあげられません。なにせ鞭を打つ者が、血なまぐさいことが大好きなんでね。気にくわなければ、遠慮ということをしようとしないんだ」

「わたしは、狼男なんか知りません!」

 と、アリエナは壁をにらみ据えながら、きっぱりと言った。
 ゲリルは、鞭を持つ太った僧と顔を見合わせた。
「ほっほ、気の強い娘だこと。いつまでそんな口がきけるか、楽しみにすることとしましょう」
 ゲリルは後ろへさがると、僧に向かってうなずいた。
 太った僧は一度舌なめずりをすると、大きく横に振りかぶり、鞭を振るった。

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よもよも

2022-04-28 06:00:22 | Weblog

やれほれ。

昨日は朝から札幌で会議XXX

ちょっと早い時間から

公共交通の駅に向かったはずなのに、

富良野辺りじゃあり得ないほどの人の波・・・。

学生からサラリーマンからおじちゃんやらおばちゃんも、

みんな早くからどこに行くのさ??

Eさんのアリよさらばって歌の歌詞が脳の中でリフレイン。。

おまけに風が強くって通りかかった学校のグラウンドの土が

舞い上がって砂漠の砂嵐状態。加えて花粉症でしょ。

んなもんだから目はしょぼしょぼしてくるし、

肝心の会議はあれやこれや作業指示ばかりで目眩しそうだし、

これがオンラインの会議だったらマイク機能ミュートにして

ぶつくさ言いながら少しは言い返してやった気分になれるんだけど

久々の対面の会議はそんなことできないしさ

言われたい放題言われまくるだけだもんね・・・。

はぁ。

朝から愚痴が止まんないXXX

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