くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(57)

2022-04-06 20:06:05 | 「狼おとこ」


 トン、トン、トン……

 と、ドアを叩く音がした。アリエナは返事をした。
「アリエナ、話があるんだ」と、ケントは疲れ切った顔をして中をうかがうと、ゆっくりと入ってきた。
「このままでは、わたし達は飢え死にしてしまうだろう」と、ケントはベッドに腰をかけると言った。「だから考えたんだ。ロンドンへ行こうって。まだお金なら、たくさんとはいかないが蓄えがある。それを使って、ロンドンの親戚を頼っていくつもりだ」
「いつ行くの――」と、アリエナは、うつろな目をして訊いた。
「すまないが」と、ケントは目を伏せて言った。「先方に、わたし達が事件に巻きこまれたと知られては、後々面倒なことになる。ここはひとまず、わたしとエレナが訪ねていこうと思う。アリエナは、その後からゆっくりと来ればいい。ちゃんと、それまで暮らしていけるだけの物は残しておく」
 アリエナは黙っていた。きっと、わたしは置いて行かれるんだわ。という予感めいたものがあった。
「いいだろう、アリエナ。このままでは、みんな死んでしまうんだ――」と、ケントは、アリエナにわかってくれ、と頭を下げた。
 アリエナは「いいわ」と、そうひと言だけつぶやいた。
 ケントとエレナは、その夜、大きな荷物を手に出て行った。ケントは出がけに、「元気でいろよ」そう言って、アリエナの手に数枚の紙幣を握らせた。それは、ほんの気持ち程度の額だった。アリエナは、閉められたドアに向かって、紙くずを丸めるようにくしゃくしゃにすると、ぽんと壁にぶっつけた。
 アリエナは、ひとりぼっちになった。


 オモラは、ケント達がロンドンへ馬車を走らせた夜、一人カンテラを手に、森の奥へと分け入っていた。行き先は、オモラだけが知っている、まだ左腕があった頃の、楽しい思い出が残る場所だった。
 やがて、太い針葉樹の下を抜け、下草をぱきぱきと踏みながら進むその先に、淡いカンテラの光で照らされた、丸太組の小屋が現れた。オモラは、額の汗を袖口で拭いながら、ゆっくりと荒い息を静めた。
「変わってないね――」と、オモラは言うと、カンテラを高く掲げ、小屋をはっきりと照らし出した。
「グレイ、おまえ、いるんだろう――出ておいで。オモラだよ、なにもしやしないよ」
 しんと静まり返った小屋の扉が、ギィーという音を立て、内側から開き始めた。小屋の中は、いくらカンテラを向けても、うかがうことはできなかった。
 オモラは小屋に近づくと、恐る恐る中に入っていった。
「グレイ――いるのかい、グレイ――」
 オモラは、何度もグレイの名を呼びながら、小屋の中を奥へと入っていった。カンテラに照らされた中には、誰もいなかった。長年うち捨てられていたためか、床にも、備えつけのテーブルにも、その他の家具にも、薄らとほこりが積もっていた。
 カンテラをテーブルの上に置き、オモラは持ってきた食事を、その横に次々と広げていった。

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よもよも

2022-04-06 06:19:56 | Weblog

やれほれ。

新型ウィルスにさんざんな目に遭わされてると思ったら、

次は鳥インフルエンザだってさ・・・。

ほかの自治体はわかんないけど、

北海道だからかも知れないけどさ、

カラスなんかの野鳥からキツネに感染してるのが見つかったって。。

ほ乳類に感染が始まったら、

またぞろ空気感染みたいなやつでどんどん広がってく

可能性あるんでしょ??

確かにここんところインフルエンザに罹ってる人めっきり見ないしさ、

ウィルスも危機感覚えて感染力増し増しで、

なんとか存在が消えないように頑張っていこう、

なんてやってるのかもしれないわ。。

困ったもんだXXX

 

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