プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

凍土壁「典型的泥沼式アプローチ」

2014-08-20 11:15:53 | 日記
 「典型的に泥沼式アプローチ」(会津大学角山前学長)の言葉です。東電が作業中のトレンチと建屋の間の「氷の壁」が、3ヶ月経っても、ドライアイスをいくら投入しても(東電は9割凍っていると言っていますが)凍りません。これに対して東電は、凍らない部分にセメントなどの充填材を流し込んで埋めようとしていますが、詰め物のセメントや水ガラス、高分子吸収剤、砂鉄など、どれが使えるのか9月半ばまでに実証実験を進めるのだそうです。(引用は『朝日新聞』)

 こうした後手後手の対応に角山氏は(規制委員会の検討会のメンバーだと思います)、「泥縄式の対応でズルズルいっている。準備をしていればできたはず」と指摘。(NHKニュースでは)他のメンバーの福島大の渡辺教授からは、「(充填剤を入れて)本当に止水できるのか疑問」、同教授によると、建屋からトレンチに流れ込んでいる高濃度に汚染された冷却水は、東電の予想よりも温度が高かったようで、この高温水が、凍らない最大の原因なのではないかと思われます。

 同教授は、「これはトレンチの問題だけではなく、凍土壁問題についても同じこと。きちんとした対応をしないと、同じように凍らないという現象が起こる」、「凍土壁にこだわらない対策を、次のステップとして考えていく必要がある」と指摘しています。実質的に「凍土壁」に代わる代替策を考えるようにとの提言だと思います。規制委員会は今後、充填材の効果を見極めた上で、投入を認めるかどうか判断するとのことです。いずれにしても、「泥縄」の対応が今後も続くように思います・・・

P.S. 規制委員の更田委員は、「充填剤を入れて止水できるのか、氷が溶けないのか?」と充填剤投入に疑問を呈しています。また、「凍土工法が十分有効性を持っているのか」と、やはり「凍土壁」そのものへの疑念を表明しています。「凍土壁」の実現可能性への疑念の声が挙がる中、(上手く凍ったとしても)来年9月以降に効果が現れるそうです。しかしその効果に、多くの専門家から疑問の声が挙がっているのです。しかしながら東電は、「凍土壁」に執着し、邁進しています。とても不安を感じます・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月20日)