「吉田調書」(或いはテレビ会議録)から、福島第1原発3号機のメルトダウンの原因と考えられる経緯が分かりました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)
3月12日夜、官邸にいた東電の武黒フェローから1号機への海水注入の中止要請があるも、(要請を無視し)吉田元所長は海水注入を継続。(正しい判断だったと思います)13日午前5時42分、3号機の淡水の入ったタンクが空との報告、吉田元所長は海水注入を決断。(これも正しい決断だと思います)しかし、6時43分に官邸に詰めていた東電社員から電話。(途中で官邸の誰かに代わる)原子炉を痛める海水注入は極力避け、真水や濾過水を使用するよう要請される。
(海水を注入し続けた)前日とは違い、吉田元所長は「官邸から電話があって、(海水注入ではなく)何とかしろという話があったんで、頑張れるだけ水を手配しながらやりましょう」と、淡水を注入し続ける。(これが判断の誤りの端緒)午前9時13分、福島オフサイトセンターにいた東電の武藤副社長が、「もう海水を考えないといけないんじゃないの」と海水注入への切り替えを進言、しかし吉田元所長は淡水注入を継続。(2度目の判断ミス)
午後12時18分、吉田元所長は「あの、もう、水がさ、なくなったから」と海水注入を指示。(この時点では遅きに失している)吉田元所長は、海水への切り替えが10分程度で終わると思っていたが(知識不足か、作業が手間取ったのかは分かりませんが)、実際に海水注入が始まったのは午後1時11分。この間(約1時間)3号機は冷却できない状態で過熱、メルトダウンへ進行することになります。
吉田元所長は、この淡水注入を要請した電話の相手2人を、「私の記憶は全く欠落していたので、・・・そこは可能性だけの話」だとして、東電幹部と保安院の幹部の名前を挙げていますが、断定を避けています。いずれにしても原発の過酷事故に直面しながら、経済的、経営的な理由から廃炉を避けたい東電や保安院の意向(要請)と、その要請を断り切れなかった吉田元所長の決断のミスが、3号機のメルトダウンの大きな要因となり、原因だったと言わざるを得ません。3号機もまた、メルトダウンを避けることができたのだと思うと、慙愧に耐えません・・・
P.S. 吉田元所長は、1号機では海水注入中止の要請を断り、「私は海水もやむを得ずというのが腹にずっとありますから、最初から海水だろうと、当初言っていたと思います」と聴取でも答えています。その姿勢を貫くことができていればと残念で仕方がありません。吉田氏の判断ミス、決断の誤りだけを追求し個人的に責任を負わせる積もりはありません。しかし(情報を全て出した上で)事故原因を総合的に追及し、役職や立場に応じて責任をとるのは当然のことだと思います。そして、そうしたミスや過酷事故を招来させた東電そのものの「経済優先」、「安全軽視」の体質や、過酷事故は起きないとの「神話」を完全に絶つ(変える)ことが大事なことだと思います。しかしながら、その両方とも、有耶無耶(うやむや)なままのように思います。何も変わってはいないと。それでは、多大なる犠牲を払わされた人々は、報われないと思うのです・・・
P.S.2 菅元首相が、「調書」の公開を政府に求めましたが、「行政機関以外に見せるのは難しい」と国会議員への公開を拒否しています。国政調査権を使って、是非とも「調書」の内容を開示して、国民に知らせて戴きたいと思います。事故原因を解明するには(テレビ会議録もそうですが)、「吉田調書」を始めとする「聴取書」は、どうしても必要な「証拠」だと思います。全面開示して戴きたいと思います・・・
P.S.3 (報道によると)「地下水バイパス」の(12ある)汲み上げ井戸の1つから、26日に汲み上げた地下水から放出基準を上回る1ℓ当たり1,700ベクレルのトリチウムを検出、東電は汲み上げを中止し、調査を行っています。(以前の)タンクからの汚染水流出の影響でしょうか・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年5月28日)
3月12日夜、官邸にいた東電の武黒フェローから1号機への海水注入の中止要請があるも、(要請を無視し)吉田元所長は海水注入を継続。(正しい判断だったと思います)13日午前5時42分、3号機の淡水の入ったタンクが空との報告、吉田元所長は海水注入を決断。(これも正しい決断だと思います)しかし、6時43分に官邸に詰めていた東電社員から電話。(途中で官邸の誰かに代わる)原子炉を痛める海水注入は極力避け、真水や濾過水を使用するよう要請される。
(海水を注入し続けた)前日とは違い、吉田元所長は「官邸から電話があって、(海水注入ではなく)何とかしろという話があったんで、頑張れるだけ水を手配しながらやりましょう」と、淡水を注入し続ける。(これが判断の誤りの端緒)午前9時13分、福島オフサイトセンターにいた東電の武藤副社長が、「もう海水を考えないといけないんじゃないの」と海水注入への切り替えを進言、しかし吉田元所長は淡水注入を継続。(2度目の判断ミス)
午後12時18分、吉田元所長は「あの、もう、水がさ、なくなったから」と海水注入を指示。(この時点では遅きに失している)吉田元所長は、海水への切り替えが10分程度で終わると思っていたが(知識不足か、作業が手間取ったのかは分かりませんが)、実際に海水注入が始まったのは午後1時11分。この間(約1時間)3号機は冷却できない状態で過熱、メルトダウンへ進行することになります。
吉田元所長は、この淡水注入を要請した電話の相手2人を、「私の記憶は全く欠落していたので、・・・そこは可能性だけの話」だとして、東電幹部と保安院の幹部の名前を挙げていますが、断定を避けています。いずれにしても原発の過酷事故に直面しながら、経済的、経営的な理由から廃炉を避けたい東電や保安院の意向(要請)と、その要請を断り切れなかった吉田元所長の決断のミスが、3号機のメルトダウンの大きな要因となり、原因だったと言わざるを得ません。3号機もまた、メルトダウンを避けることができたのだと思うと、慙愧に耐えません・・・
P.S. 吉田元所長は、1号機では海水注入中止の要請を断り、「私は海水もやむを得ずというのが腹にずっとありますから、最初から海水だろうと、当初言っていたと思います」と聴取でも答えています。その姿勢を貫くことができていればと残念で仕方がありません。吉田氏の判断ミス、決断の誤りだけを追求し個人的に責任を負わせる積もりはありません。しかし(情報を全て出した上で)事故原因を総合的に追及し、役職や立場に応じて責任をとるのは当然のことだと思います。そして、そうしたミスや過酷事故を招来させた東電そのものの「経済優先」、「安全軽視」の体質や、過酷事故は起きないとの「神話」を完全に絶つ(変える)ことが大事なことだと思います。しかしながら、その両方とも、有耶無耶(うやむや)なままのように思います。何も変わってはいないと。それでは、多大なる犠牲を払わされた人々は、報われないと思うのです・・・
P.S.2 菅元首相が、「調書」の公開を政府に求めましたが、「行政機関以外に見せるのは難しい」と国会議員への公開を拒否しています。国政調査権を使って、是非とも「調書」の内容を開示して、国民に知らせて戴きたいと思います。事故原因を解明するには(テレビ会議録もそうですが)、「吉田調書」を始めとする「聴取書」は、どうしても必要な「証拠」だと思います。全面開示して戴きたいと思います・・・
P.S.3 (報道によると)「地下水バイパス」の(12ある)汲み上げ井戸の1つから、26日に汲み上げた地下水から放出基準を上回る1ℓ当たり1,700ベクレルのトリチウムを検出、東電は汲み上げを中止し、調査を行っています。(以前の)タンクからの汚染水流出の影響でしょうか・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年5月28日)