プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

NO MOX

2013-06-28 11:56:36 | 日記
 事故後初めてのMOX燃料が高浜原発に搬入されました。(以下、参照は『朝日新聞』)プルサーマル計画を実施していた伊方原発3号機も、7月に入れば再稼動を申請します。通常のウラン燃料以上に危険で、経済性が全く無く、高レベル、低レベルの核廃棄物がさらに発生する再処理を含めた「核燃料サイクル」の馬鹿げた継続は、最早意味がありません。(国内に約9トン、英仏に約35トン)合計44トンを超えるプルトニウム(原発由来の量としては世界第4位)を、形だけでも燃やさなければならないことがプルサーマル計画の最大の理由とされていますが、日本がプルトニウムを持つこと自体を懸念する声が、(各国の原発反対の市民の声は別として)核大国の中にあるとは思えません。彼らは明らかに日本のプルトニウム(長崎型原爆5,000発分の)保有を「黙認」しています。日本もまた、「核大国」の一員だからです。

 核(原発)を持ち、核(原発)を輸出するのが、この世界の流れであり、この核を持つことが、最優先課題なのは、何も北朝鮮だけではありません。どこの国も、核(原発)を持ちたがっています。核を持つことが、軍事的だけでなく、経済的にも政治的にも大きなステータスを得ることになるからです。勿論、5大国をはじめとする、世界のサミット主要国の仲間入りの最低条件なのでしょう。その代償として、(税金と電気料金の形で徴収される)国民の経済的な負担と、放射能被曝の危険や事故による避難など、生活そのものが脅かされるという重い負担が課せられているのです。

 ちなみに、2010年に高浜原発に搬入されたMOX燃料の輸入額は1トン当たり約13億円で、ウラン燃料の約5倍だそうで、非常に高くついています。しかしながら、「核燃サイクル」でやろうとしている日本原燃による再処理事業では、(電気事業連合会の03年の試算では)40年で19兆円掛かるそうです。これは、通常のウラン燃料に換算すると、たった9千億円分の燃料を造るに等しいのです。約20倍のコストを掛けて、危険なMOX燃料を作るという訳です。電事連の試算ですらこの数字ですから、本当はこの何倍も高くつくのでしょう。さらに発生する核廃棄物の処理や保管費用を考えれば、どれだけ掛かるか分かりません。

 実際には、ガラス固化ができずに再処理工場は止まっていますし、(プルトニウムを燃やすはずの)「もんじゅ」もやはり今後も無理でしょうから、「核燃サイクル」は事実上破綻しており、その点少しばかり安堵してますが、MOX燃料を形だけ燃やすという、最早必要のないプルサーマル計画を続けていけばいくほど、私たちの経済的、および危険の負担は増大するということです。必然的に、(反対しても止まらないとは思いますが)反対せざるを得ないという結論が出てくるのです・・・

P.S. ちなみに、現在、各原発に保管されている使用済燃料は総計1万4,200トン、(燃料の間隔を半分にしてなんとか)容量の69%が埋まっている状態で、さらに六ヶ所村には2,945トンが運び込まれて容量の98%が埋まっています。(再処理などできない今)この使用済燃料をどうするのかは、未だ決まっておりません。(私は)どんなに費用が掛かっても、直接見られる地上で厳重に保管するしかないと思っています。多分、人類が滅びるまでずっと・・・

P.S.2 地下での直接処分をしているドイツのレポートを、某週刊誌で広瀬さんがされてました。しかし現状は、地下水が浸潤してきて、放射性物資が漏れ出しています。やはり、この地下水の問題が最大のネックにあると思います。地震大国というのもありますが、雨量が多くて、地下水豊富な日本において、地下水の入り込まない安全な場所など、ありそうもありません・・・

P.S.3 政府の福島第1原発「廃炉対策推進会議」は、溶融した核燃料の取り出し開始時期を、最速で1年半前倒しして、2020年前半には始めるよう工程表を改定しました。しかし現在、溶融デブリが何処に、どのようにあるのかさえ分からず、その取り出す為の技術や、また超高線量の中、無線で作動できるロボットも開発されていません。チェルノブイリでは、事故から27年経った今でも燃料の取り出しは開始されていません。世界各国の支援で廃炉計画が進行中ではありますが、やはり無人ロボットすらまだ開発できていないのです。取り出し時期だけを前倒しにする政府の決定には、何の根拠もないように思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年6月28日)