プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

東電の「ヤラセ」賠償業務

2013-06-03 10:22:36 | 日記
 東電が実施している業務の中に、原発事故をめぐる東電の賠償業務のデータ入力があるのですが、それが余りにも杜撰な、仕事とは思えない内容のものなのです。潜入ルポをご紹介します。(引用は『週刊朝日』)

 現場は有明セントラルタワー、仕事内容はおろか、職場の所在地を親でさえ知らせてはいけないという「守秘義務」を課せられた「秘密の業務」なのだそうですが、1日で済む作業を4日掛けてやると職員の中で囁かれているほどの非効率な、(使えない)マニュアルありきのやり方です。例えば、住所に大字(おおあざ)、大(あざ)が入っていないだけで数日間ももめたり、生年月日を手書きで記した書類の扱いを議論して結果2日間を費やしたりしています。

 こうした作業は長くて1週間、短いと1日で終わり、新たな業務が始まる度に「研修」が行なわれます。また、「就労不能損害請求」の処理の作業では、既に支払いが行なわれ、しかも東電社員によって賠償金額が算定されているにも拘わらず、それをわざわざ(無駄に)計算させたり、コピー&ペーストすれば10分で済む作業も1時間以上掛けて個別に入力させたり、仕事がないか、やる必要のない作業を故意にやらせている「アリバイ工作」に過ぎない実態なのです。

 この職場には(昨年9月の時点で)派遣社員を含めて2,000人もの人員がおり人件費だけでも月3~4億掛かっているそうで、人員は今年に入って増員傾向にあるとのことです。この金は何処から出ているのでしょうか?国から東電に注入された税金が使われているとしか思えませんが、たとえ必要な仕事であっても非常に杜撰で無駄なやり方で税金が消費されているようにしか思えません。必要のない業務であれば、正に流用していることになります。

 またようやく始まった「不動産賠償」の手続きに関する作業が直ぐに中止されたそうで、これでは意図的に作業を遅らせているとしか思えません。(以前も書きましたが、)賠償作業を遅らせて、被災者(避難者)の方々を「兵糧攻め」にし、賠償額を低く叩くためのサボタージュなのかもしれません。やっている振りだけの「詐欺」仕事で、税金を食い潰していると言ったら言い過ぎでしょうか?東電は、「迅速かつ適格な賠償に向けて作業を進めている」と仰せですが、少なくとも、(その多くの方々の住所が未だ「仮設」の)避難している方々の為に、できるだけ早く作業をしようとしているようには感じられないのです・・・

P.S. 復興予算が「基金」を通して流用されているとの報道がこれまでにもありましたが、朝刊(『朝日新聞』)を見ると、「震災等緊急雇用事業」という、雇用に関する事業でも、「基金」を使った流用があったそうです。予算の付いた2,000億円のうち、1,000万円強が、被災者ではない人たちへの雇用として消費されています。しかも、その雇用事業というのが、(新聞には12事業載っていましたが)被災地ですらない我が愛媛県でも「飲食店などのガイドブック作成」など、震災とは無縁の事業に使われています。「ゆるきゃら『ちょるる』によるPR隊結成」(山口県)事業など、増税してまですべき事業でしょうか?全く被災地、被災者と関係のない、無駄な事業だとしか思えません。(やるなら各自治体が自腹でやって頂きたいと思います)兎に角、(流用が)酷過ぎます・・・

P.S.2 なかなか広まらない多重ローン者救済のための「被災者ローン減免制度」ですが、金融機関と被災者の間を取り持ち、返済計画を造る支援をしている(全国銀行協会や日本弁護士連合会)で立ち上げた)「私的整理ガイドライン運営委員会」が、(財産や収入などの)聞き取りの前に、(事実上)一定の金額を返済するとの約束させる「念書」を取っていたそうです。これでは、支援というより「脅し」にしか感じられません。同制度が広まらないのも、こうしたも事情があった、というより広めたくない(救済したくない)ということのように思います・・・

P.S.3 原発事故による避難範囲を決める閣僚会合の議事概要によると、「避難対象や賠償額を左右する基準が・・・避難者数にも配慮して作られていた」そうです。「年5mSv以下に強化する案を検討したものの、避難者数が増えることお懸念して見送られていたというのです。安全面や被曝の危険性ではなく、避難者が増え、賠償額が膨らむことが優先されて、避難範囲が決まったということです。(出席閣僚の1人もそう証言しています)正直、被曝地から遠く離れた私でも、(うすうす分かっていたとはいえ)遣り切れない思いで一杯になります。事故後自殺された方の(1千万円強の)賠償が行われるそうですが、これもまた、遣り切れなさが募ります・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年6月3日)