プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

東通原発も活断層

2012-12-22 10:50:35 | 日記
 青森県の東北電力の東通原発の敷地内を通るF‐3、F‐9の断層が、それ自体「揺れを起こす活断層の可能性」あるとの意見で一致(以下、引用は『朝日新聞』)、さらに島崎委員長代理は、原子炉建屋から僅か数百メートルにある断層のずれや揺れに関して、「適切な(想定の)手法がない」と指摘、これは耐震安全性の見直し自体が極めて困難であるとの見解です。さらに、(東北電力の北に隣接している東京電力の東通原発の敷地内にも)「一連の断層が、東電にも延びている」とも述べています。

 この青森県の(太平洋側)沿岸には、「大陸棚外縁断層」が約80キロに渡って延びており、「これが活断層ならM8級の地震を起こす」とのことで、六ヶ所村の再処理工場やむつ市の(建設中の)使用済燃料中間貯蔵施設や、少し離れていますが(建設中の)フルMOXの大間原発にまで影響が及ぶと危惧されています。正直、建屋直下でなくとも、敷地内、さらには近くに大きな断層があるというだけで、その抱えているリスクは計り知れないものがあると思うのです。

 こうして、かつて申請・許可された原発の極近くに、これほどの活断層があるということ自体が、これまでの原子力行政の「嘘」を明らかにしているように思います。それは、これまでの断層「評価会合」に選ばれた専門家は、(完全に中立とは言えないでしょうが)「日本活断層学界などが推薦する候補者の中から、電力会社との利害関係を調べた上で選ばれた」ことや、「現地での調査や評価会合も全て公開」している効果が出ているのかも知れません。しかし一番大きな要因は、やはり実際に地震及び津波により過酷事故が起こり、また事故による避難と被曝の現実を知った多くの国民が、原発に対して強い関心を抱いているからこそ、政府や官僚におもねり、原発関連から少なからず甘い汁を吸ってきた専門家も、これ以上「嘘」を公けにつき続けることができなくなったからのように思います。

 政権を取り返した自民党の中からは、国会で承認を得ていない規制委員の人選を見直すとの声もあるそうです。人事を握って圧力を掛け、活断層評価や再稼動の審理を推し進めようとするでしょう。最早3条委員会に独立性の欠片もない情況となるのは必至です。ただ、それを押し返すことができるものがあるとしたら、それはやはり国民の「目」であり、関心でしかないと思うのです・・・

P.S. 民主党政権下でも、日銀法改正までちらつかせても首を縦に振らなかった日銀総裁が、まだ誕生すらしていない安倍首相の意を汲んで、インフレターゲット2%を(実行と説明責任が問われる)「目標値」としました。やはり、(民間とはいえ、実質国家に属する)日銀総裁も、強硬な親分の登場には少々びびったのでしょう。これを実行力と言うのかどうかは分かりませんが、少なくとも官僚の「パペット」には、安倍さんはならないと言えるのかもしれません。ただ、給料が上がらない中、インフレになれば、苦しむのはやはり多くの国民だと思うのです・・・

P.S.2 (決して安倍さんを支持はしませんが)貿易額3位の韓国に対して安倍さんは、日韓議員連盟幹事長の額賀氏の派遣を早々に決め、さらに政府主催の「竹島の日」主催の見送りを決定しました。その素早さは(素直に)評価したいと思います。また財務省に対して、消費税の引き上げは、「(13年の)4~6月期のGDPの数字が良くても、その後が悪くなれば緊急停止をするかもしれない」と発言しています。明快だと思いますし、行動がやはり迅速です。多くの中間、或いは低所得者層に付回しをする上に、税収が上がらないのでは踏んだり蹴ったりですから。この安部政権、少なくとも民主党政権下の「ぐずぐず」よりは、(現実はそれほど変わらなくても)少しはマシだと「思わせる」姿勢を、(2度目なのですからそこは経験済みで)安倍さんなりに演出している、(でも本当に良くなれば良いのですが、それは正直難しい)そんな気がするのです・・・

P.S.3 総務省は、原発事故により避難している住民の方々に対し、住民票を移していなくても「携帯電話の売買ができない」などの不便がないように、避難先に住んでいることを示す「公的証明書」を発行すると発表しました。早ければ来年2月から、(住民票のある)福島県内の各市町村が発行するそうです。しかし問題は、その対象が「原発避難特例法の対象となっている福島県内の13市町村の住民」の方に限定されていることです。避難先の福島市や伊達市、或いは関東圏でも、避難すべき(5mSvを超える)スーパースポットは数多くあります。或いはそれ以下でも、年間1mSv以上の被曝が考えられる放射能染地域から、本当に(苦渋の決断で)「自主的」に避難している方々も、その対象とするべきだと思います。これが(現実にはあり得ませんが、私の理想とする)国家の果たすべき「役割」だと思っています・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年12月20日)