プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

12、000mSvの甲状腺被曝

2012-12-01 13:51:15 | 日記
 原発作業員12、000mSvの甲状腺被曝と言われても、絶句するしかない途方もない数値です。チェルノブイリ事故では50mSvの甲状腺被曝での癌発症のリスクが上がるとの報告があります。極めて深刻な被曝の現状が、(そのほんの一端ではありますが)見えてきました。(以下、引用は『朝日新聞』)

 東電が公表したのは522人の作業員の方のデータですが、年齢等の重要な情報は削除されています。(新聞では)1万mSv超えが2人、2,000~1万mSvが10人、1,000~2,000mSvが32人、500~1,000mSvが50人、200~500mSvが69人、100~200mSvが15人(50~100mSvは数字がありません)というものです。事故直後は「遠くはなれた場所で待機していた人の低い線得量が自分の染料にされてしまった。・・・一部の人だけに甲状腺の検査をするのはおかしい」と疑問を投げ掛ける作業員の方もいます。

検査もされず、線量を低く抑えられ、被曝の実態が隠蔽されているのですから、勿論医療保障もありません。また検査した方の大半に、結果も知らされていない現状です。政府は重大な被曝管理を、東電に丸投げしたままですから、今後も本当の被曝の実態が明らかになることはないでしょう。チェルノブイリ事故では、軍をはじめ事故処理作業(所謂ルクビダートル)に関わった殆どの方が、癌や白血病で亡くなっています。厚労省(政府)は、こうした事実を無視して、事故後の収束宣言後の被曝すらないものとしようとしています。(WHOが唯一認めた)甲状腺被曝(と癌)に関しては、(全身と違い)被曝の基準すらありません。(東電には)検査の必要性も、報告の義務すらないのです。これでは、(出さない避難指示と同様に、)原発作業員を見殺しにしているのと何も変わらないと思わざるを得ません・・・

P.S. たった16時間の放射能漏れを起こしたスリーマイル島原発事故でさえ、癌患者増加の報告がなされています。(参照は『週刊現代』)ベラルーシでは、4年後から小児甲状腺癌が急激に増加し、チェルノブイリ周辺でも、事故後20年を過ぎた子どもたちが、30~40代の「好発年齢」(特定の病気を発症しやすい年齢)になって甲状腺癌等を発症しています。またアメリカの科学アカデミー委員会は2005年、「被曝のリスクは低線量に至るまで存在し、閾値はない」と結論付けています。放射線量が低いからと、被曝線量が少ないから、安全であるということではないのです。(認めるわけにはいかないのかもしれませんが)そうした認識が政府には全く欠如していると言わざるを得ないのです・・・

P.S.2 「ECRR」(欧州放射線管理委員会)は、1945年から1989年までの44年間に、核実験や原発からの放射線で、約6、500万の人が癌などで死亡したと推計しています。ちなみに、ICRPの基準では117万人です。日本政府は、この余りに過小評価の基準を有り難がって「妄信」しているのです。これでは、「日本国民の健康と生命は守らない」と宣言しているようなものです・・・

P.S.3 (某TV報道で)福島の避難区域に調査に入ったパリ大学のアンダース・メラー教授の調査では、鳥が減少し、植物に異変が起こっているそうです。遺伝子の破壊が生じていると言われます。また北海道大学の秋元教授は、アブラムシの(通常は1%ほどですが)1割に形態異常(奇形)が生じているそうです。足に腫瘍状の突起ができたり、腹部が2つあるなど(通常見られない)異常なものだそうです。さらに、蝶や蝉も減少していると言うのがサウスカロライナ大のムソ-教授です。チェルノブイリでは、25年にわたる調査の結果、鳥の脳が10%も小さくなった、或いは2つ頭のある牛が生まれたといった動物の奇形の報告も多数あります。今後、(福島だけでなく)日本全国で、こうした事例が現れる(或いは既に生じている)可能性は否めないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年12月1日)