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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

CLT視察ツアーinUK 6日目

2017-07-08 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
CLT視察ツアーinUK。今日はオプショナル木造ツアー。まずはFoster + PartnersのCrossrail Placeを訪ねる。高層ビル街に新設された駅舎で、屋上に設けられた庭園を木の架構が覆っている。

ロンドンに来て最初の仕事はここドックランドが敷地の高層ビルのコンペだった。1ヶ月ほぼ毎晩ここで窓の数を数えて建物の高さを計り、昼間はひたすらスタイロを切って敷地模型を作った。それから10年経ち、オフィスビルは立たなかったけど、そこから繋がった仕事でHCLA設計によりここに集合住宅が建設中である。

続いて川島さんの案内でJohn Smart Architectsを訪問。CLTの内装で古い倉庫を改修したオフィス。間仕切り壁のほか机や模型台も同じ三層のCLT板で統一。不動産取引から建築設計・施工、物件の運営まで行う珍しいアトリエ事務所。先月CLTのイベントがここで開かれた。

ロンドンで働く崎村くん吉田くん石井くんとも合流。CLTで増築された子ども洋品店Tin Lidを見学。店舗部分ではCLTは見えないが、見上げると窓の向こうにCLT板の断面が見えた。市井の建物にも気負いなく適材適所で使われるほど、CLTは日常に溶け込みつつあるのかもしれない。ここで景くんへのお土産も購入。

みなでパブランチのあと、RIBAブックショップに移動して木造関連書籍を物色。作品集やディテール集などが、本棚の一角を占めている。去年11月の渡英時にも買い集めたが、今回もスーツケースが重くなりそう。ツアーは一旦ここで解散し、夕方Serpentineパヴィリオンに再集合とする。僕はスタバで休んだり、本を選んだり。

夕方、Serpentine Pavilionに再集合。屋根の木ルーバーのほか、外壁は木片を積み上げて構成している。

再集合のあと、タクシーに分乗してKingsgate Houseへ。自分がロンドン勤務時に携わったCLT造7階建て集合住宅。植物のように見える太陽光パネルにインスパイアされたのか、家々がバルコニーに植栽を植えてくれているのが嬉しい。何か問題が起こってはいないかと訪れるたびにドキドキするが、今回もホッとした。

夕食はbusaba。懐かしい味だが予約は出来ないので自由行動日に行こうと決めていた。合流した大野さんも交えて疲れを癒す。希望者はSt.Pancras駅に移動し、構内のバーBooking Officeで二次会。ZHAの吉川さんも合流してくれて、最後の夜を楽しんだ。

去年5月に続き2度目の英国木造視察コーディネート。CLTを巡る状況は刻々と変化している。視察日程を組んだ数ヶ月前と今とのタイムラグは最終日のオプショナルツアーで極力回収に努めたが、それでも他都市までは手が回らなかった。次回があれば、それらロンドン以外の都市をカバーできればと思う。


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CLT視察ツアーinUK 5日目

2017-07-07 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
CLT視察ツアー最終日。今日はHackneyに建てられたCLTによる集合住宅巡りからスタート。まずはWaugh Thistleton ArchitectsによるDalaton Lane。ボリュームで世界最大量のCLTが使用された集合住宅で、昨日引渡しがあったばかりとのこと。

続いてBridport Houseを見学。Karakusevic Carson Architects設計で2011年竣工の、アフォーダブル集合住宅。ロンドンにおけるCLT集合住宅のさきがけの1つだが、それから6年を経てプレイヤーも増え裾野の広がりを今回の視察では感じている。

午後はZHAの井関さん吉川さんとランチをご一緒したあと、吉川さんからZaha Hadid Designのショールムを案内してもらう。デザインのステージごとに適したCADを使い分ける話、動きと連続が形づくる建築の話、ザハが遺したものの話など、貴重な意見をたくさん聞くことができた。

視察の最後はWaugh Thistleton Architectsを訪ねAndrew Waugh氏のレクチャーを聴く。CLTの伝道師は今回も熱かった!レクチャー後は彼の最新作Hoxton Cinemaを見学し最後はMurray Groveで終了。英国CLTの10年を駆け抜けた視察だった。

フェアウェルパーティーを兼ねた夕食のあと、視察の全日程が終了したので、有志でtate modernへ。増築棟が完成してからは初めて来た。無料ゾーンの展望台に登り、見たことのないアングルからロンドンを眺める。この景色がみんなのものになったのはすごい。なんという景色。Swiss Reがまったく隠れてしまうほどシティの風景は変わり続けている。tate modernとミレニアムブリッジをこんなアングルから見る日が来ようとは。ここからテムズ川の対岸を眺めただけでも、そこかしこに林立するタワークレーンが目につく。

閉館時間までゆっくり過ごし、CitizenMのバーでまったりしてからタクシーでホテルに戻る。早めに就寝。
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CLT視察ツアーinUK 4日目

2017-07-06 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
朝ホテルを出発し、まずはケンブリッジ大学建築学部のマイケル・ラメージ教授を訪ね、日本でも話題になった80階建ての木造超高層プロジェクトについて話を伺う。素材研究から建築提案までの統合的なアプローチ。その後は二手に分かれ、CLTで整備中のStephen Perse Foundation中学校の建設現場と、6a ArchitectsのCowan Courtを訪ねる。後者はRC造+CLTの混構造で、古材を使った仕上げが印象的。Stephen Perse Foundationの現場では、構造事務所Smith and Wallworkの担当者が案内してくれた。CLT・集成材・鉄骨のハイブリッド造だが、設計・供給・施工をKLHに一元化し効率化を図っていた。隣接した既存校舎を使用しながらの施工。Stephen Perse Foundationの施工の様子は、ライブカメラとタイムラプス画像が公開されている。去年の6月に着工し、今年の8月に竣工予定だそうだ。面積はおよそ3000平米。ケンブリッジ視察の最後は設計者の方に案内していただきEly(イーリー)のボートハウスを見学。自然に囲まれたケンブリッジ大学ボート部の練習施設で、OB達の寄付によって建てられた。部員たちの心の拠り所であるイーリー大聖堂に向かってCLTによる折板状の大屋根がかけられている。終了後、一路ロンドンに戻る。ホテルに荷物を置いてから数人で市内に出て、ウェストミンスター、サウスバンク、タワーブリッジと巡る。ミレニアム・ブリッジから見た川沿いの景色は、たった1年前に来たときとも異なっているように思えた。ロンドンは変わり続けている。ホテルに戻り、早めに就寝。
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CLT視察ツアーinUK 3日目

2017-07-05 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
ホテル出発がゆっくり目だったので、朝はメールの返信など作業時間に充てる。

今日の視察はOpen Academyから。去年の5月も訪ねたので今回で2回目。毎回快く視察を受け入れてくれることに感謝。スタッフから建物が愛されているからだろう。昨日のレクチャーで予習はバッチリなので、要所を押さえつつ、バイオマスボイラーなどの施設も見学させてもらう。

終了後、イースト・アングリア大学に移動し、昼食。今回の視察ツアーも昼食はいつものSainsbury Centre for Visual Arts。ゆっくり時間を取れないのが残念だが、今回も来れてよかった。

午後は大学施設部でプロジェクトマネージャーをしているマーティンの案内でイースト・アングリア大学(UEA)サステイナブルキャンパスを視察。2011年竣工の体育館から去年竣工したばかりの12000平米の学生寮までCLTで5棟を整備している。大学ランキングでも上位に位置し拡大を続けるUEAでは、大学の拡大に伴って特に学生寮の整備が進められている。延べ面積が2倍にも関わらず工期はほぼ同じで実現など、クライアントである大学の施設部にCLTの経験が蓄積されているのを感じた。終了後、バスは一路ケンブリッジへ。サービスエリア併設のホテルに泊。明日に備えて早めに就寝。
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CLT視察ツアーinUK 2日目

2017-07-04 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
朝ホテルを出て2日目の視察がスタート。今日は2つの設計事務所を訪ねる。

午前中は構造設計事務所のPrice & Myers。CLTに限らず木造に強い設計事務所で、今回の視察先の中にも彼らが設計したものが多く含まれている。レイチェルと再会。僕がKingsgate Houseで協働していたころ、彼女は大学を卒業したてで初めての仕事であった。かつての仲間にこうして協力してもらい歓迎してもらえるのはとても嬉しい。現在までに90棟超のCLT建築に携わってきたP&Mの講義からは、CLTの特性を活かすには、後付けではなく早い段階から施主を含めたチームとしてこの素材の理解を深めることが大事であるということを再認識。パートナーのフィルもプレゼンに参加してくれて、後半は日本におけるCLTについて逆質問され、有意義な議論もできた。

昼食を挟んでSheppard Robsonへ。前回訪ねたときと同じくソフィとリーからレクチャーを受ける。ここでは竣工した4つのCLT建築全てが教育施設。印象的だったのは鉄骨や集成材との混構造を意図的かつ効果的に利用していることで、彼らの考える新しい学校のあり方が構造システムとセットで提案されていた。熱意にあふれ微に入り細に入り説明してくれる彼らに、ツアー参加者も心を動かされていた。

ツアー2日目の視察はこれで終了し、バスは一路、次の目的地ノリッジに向かう。僕は明日以降の視察先と最終調整をしつつ、出発前に預かった質問票を車内で英訳。ホテルに着いてからは、夕食をとりつつ参加者の方々と意見交換。今回の視察で見たものを消化しながら、本視察のテーマ「(森林資源もなくCLT工場もない英国で)なぜCLTが使われるのか?」に対しそれぞれの立場で答えを見つけようとされているので、こちらもとても勉強になった。ヒアリングや事例見学を経て見えてきているのは、いくつかの条件が揃ったときにCLTが使われているという現状のようだ。夕食のあとは部屋に戻り早めに就寝。
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CLT視察ツアーinUK 1日目

2017-07-03 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
朝食をとってから準備をして集合。いよいよCLT視察ツアーinUKが始まる。バスでWenlock Crossへ。Hawkins\Brownから担当者のAndrewさんが現地で案内してくれる。Wood First Policyを持つHackneyで建てられたことがCLT採用のきっかけとなったが、求められる建築空間を実現するために鉄骨造とのハイブリッド造が選択されるまでのいきさつが面白かった。終了後、昼飯を食べてからバービカンを訪ねる。爆撃跡地を戦後に再開発したもの。ロンドンで一番好きな場所の1つだったので、案内できてよかった。

午後はHawkins\Brownの事務所を訪ねてレクチャーを聞き、バスでBishop's Stortfordへ。CLTを利用した学校施設を見学。設計者のHawkins\Brownから4名のほか、構造のsmith and wallwork、CLTのKLH、そして施主であるカレッジの方々まで、総出で案内いただく。彼らが何度もCLTプロジェクトの鍵だと繰り返していた「協働」の大切さをそこからも感じた。工期の速さなどCLTのメリットは、チームが同じ方向を向いて初めて発揮される。

バスでロンドンに戻り、今日は解散。僕は電車で中心部に出て、会社帰りによく通ったルートを辿って腹ごしらえ。ラーメンが恋しかったのではなく、ロンドンで食べるラーメンが恋しかったので。閉店前の半額itsuにも寄り、ロンドンに戻ったような錯覚を楽しむ。ホテルに戻り、明日に備えて早めに就寝。
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CLT視察ツアーinUK 0日目

2017-07-02 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
早朝に羽田空港に着。Wifiレンタル、保険加入、両替。集合場所で旅行会社さん、中島さんと合流。集合時間になり参加者の方々に挨拶。一緒にチェックインしてゲートで再集合。僕はこの間に連絡していたロンドンの元大家さんから返信があったので駆け込みでお土産のお茶を買う。予定より少し早く離陸。飛行機の中では睡眠に努めようと思ったが、二本だけ映画を観て、視察に参加できない先生から預かった質問リストを英訳する。機内の消灯に合わせて仮眠。ロンドンに到着し、現地アシスタントの方と合流。ホテルに直行し、休憩のあとホテルの食堂でウェルカムパーティー。ツアーには様々な分野の方が日本中から参加されている。自己紹介のあと、自分から今回のツアーで訪ねる建物の選定理由などご説明。終了後、早めに就寝。
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銀杏会

2017-07-01 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
朝起きて、電車で高崎へ。群馬銀杏会の総会に出席。去年初めて誘っていただき、今年で2回め。基調講演は地元群馬大学で完全自走運転車の研究をされている若い研究者の方。「空間」と「移動」に関するとてもエキサイティングな講演でメモを取る手が止まらなかった。秋ころに予定されている「地球の声」デザイン小委員会の群馬遠征では、ぜひ群馬大学のこの研究室を行程に入れたいと思った。終了後、懇親会。ビンゴがあたり、スピーチの機会をもらう。

終了後、前橋に戻る。奥さんに手伝ってもらいながら英国視察のための荷造り。夕方、奥さんと景くんと買い物。帰宅後、景くんをお風呂に入れる。夕食を挟んで、引き続き奥さんに手伝ってもらいながら荷造り。夜半前に終了し、そこからツアー参加者への配布資料の印刷。これが思いのほか時間がかかり、出発時間がギリギリに。慌てて奥さんを起こして出かけるむね声をかけてから高速バス乗り場に走り、深夜バスで羽田空港に向かう。行きの車中で来週の鹿児島出張の手配、各所への連絡など。少し仮眠。
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博論と連載

2017-06-30 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
朝から電車で東京へ。行きの車中で博論予備審査会のための資料作り。昼過ぎに本郷に着。院生室で引き続き資料作り。夕方から加藤研ゼミ。博士課程の同僚による発表。テーマは全然違うのだが、視点には似たものを感じたので色々教えてもらう。終了後、予備審査を受ける博士課程の3人は加藤先生からアドバイスを受ける。自分も準備した資料への意見をいただく。しばらく院生室に残って作業。終電で前橋に戻る。帰りの車中でロンドン視察の準備を始める。間も無く出発だ。

メールマガジンで『新建築』7月号の紹介ページが届いたので、さっそくFacebook、Twitterで紹介する。また、今月号からはこれまで取材でお世話になった方々にもメールでお知らせすることにした。

連載の前半、第5回まではCLTの概論として、各分野の第一人者の方々に寄稿いただいてきた。後半は事例ベースで図面や写真情報を増やし、僕自身の取材を通してテーマを掘り下げていくつもりである。取り上げる事例とか、取り上げ方とか、答えが1つではないフェイズに連載が入って来た。企画構成執筆内容に自分のオピニオンも入り始める。これまで以上に色々な方に読んでいただき、意見も聞きたいと思ったのである。

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これまで連載にご協力いただきました皆さまにBCCにてお送りしております。
記事作成にご協力いただき、ありがとうございました。

『新建築』7月号が明日発売されます。CLT連載第6回のテーマは「接合」です。

χマーク表示金物から継手まで様々な接合部の可能性と事例を紹介できるよう努めました。
http://mailchi.mp/japan-architect/0t0o4es4lg-1536485?e=7586f7eec9

また、事例に絡めて秋田県立大学木材高度加工研究所所長の林知行さんとBC WOOD日本代表ジム・アィバンオフさんにインタビューしました。
新しいマーケットの創出など共通する部分もあり、読み比べることもできるようになっております。

今月号の連載記事は37-40ページです。
『新建築』をお手にとる機会がありましたらぜひご一読いただき、ご意見・ご感想をいただけましたら幸いです。

「英国」「環境」「国策」「加工・施工」「活用」と残り5回、連載は続く予定です。
今後も皆様にご協力をお願いすることもあるかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
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滋賀へ

2017-06-29 23:59:59 | 群馬/東京・設計と博論
東京へ向かう電車の中でSコミュニティ施設計画の打合せ資料を作製し所員さんに託す。上野のキンコーズで印刷物を受け取り、東京から東海道新幹線で滋賀へ。行きの車中でSコミュニティ施設計画の環境解析用モデリング。最新の矩計図と展開図を反映できたところで川島くんに送信。

米原で金子さんと合流し、滋賀県立大学へ。永井さんとも研究室で合流。S社の方々を迎え、共同研究の計画について打合せ。こちらからいくつか研究テーマを提示し、おおむね賛同をいただく。思っていた以上に積極的な動きができそうなので、秋以降が楽しみだ。終了後、彦根まで送っていただき、業績リストを作成し送信してから新幹線を乗り継いで前橋へ戻る。帰りの車中で今週末からの英国視察の手配を進める。春からロンドンで働き始めた後輩から駆け込みでとても有益な情報が届く。終電で帰宅後、すぐに就寝。
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