シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

管理ずさんな韓国の保育施設、その実態とは

2011年08月20日 21時35分41秒 | Weblog

(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.8.16記事抜粋)
育児、喜びから苦痛に
6年前に出産し、共働きを続けてきたキム・ミファさん(35)=ソウル市在住=の「育児戦争」は、娘が生まれた瞬間から始まった。当初は済州島に住む夫の親に娘を預け、毎週金曜日になると飛行機で娘に会いに行っていた。
 娘は1年6カ月にわたり祖父母の元で育ったが、その後近所の保育園に通い始めた。だが、娘は全身に傷ができ始め、高熱を出して家に帰ってくる日が増えた。保育園は「大勢の子どもたちと一緒に過ごしているから、そういうこともある」と繰り返すばかりだった。娘は「保育園に行きたくない」と駄々をこねては泣くようになった。
 キムさんは結局、月110万ウォン(約8万3900円)でベビーシッターを雇った。派遣業者が「経験豊富だ」として紹介してくれたベビーシッターだったが、おむつを小まめに変えてくれず、子どものお尻はひどくかぶれた。それでも、すぐにベビーシッターを変えることはできなかった。「面倒を見る人が頻繁に変わると、子どもにとって精神的によくない」と思ったからだ。ベビーシッターを雇って1年になるが、子どもには次第に対人恐怖症のような症状が現れ始め、精神的に不安定になった。ささいなことでも激しく泣いた。キムさんは「私は娘の面倒も見ずに何してるんだろう」と自責の念にかられ、2008年に会社を辞めた。
 韓国では、働く親のほとんどが保育園(43.5%)かベビーシッター(22.1%)に子どもを預けている(2010年、サムスン経済研究所が働く母親1308人に対し実施した調査の結果)。誠意を持って子どもの世話をする保育園やベビーシッターも増えているが、管理がずさんなケースも依然として多く、不安を抱いている保護者も少なくない。
■消費期限を2年も過ぎた食べ物を提供
 学校教諭で現在は育児休業中のAさん(34)は少し前、復職の日が迫っているため、1歳7カ月になる息子の預け先を探そうと保育園5カ所を回った。評判のいい国公立の保育園2カ所はすでに空きがなく、民間の保育園3カ所は、とても子どもを預ける気になれないような所だった。ある保育園は子どものすぐ横にごみが山積みになっており、壁にはカビが生えていた。別の保育園は保育士の資格を持たない職員が子どもの保育に当たっていた。なんとか無難に思える保育園に預けることにしたが、全く安心できない。キムさんは「給食用のランチプレートを持たせているが、持ち帰ってくるプレートに残っている料理を見ると、献立表にない料理が頻繁に出ているようだ。監視カメラで確認したい気持ちだが、子どもが不利な扱いを受けるのが怖いので、ぐっと我慢している」と話す。
 給食の内容がひどい保育園も珍しくない。京畿道は今年6月、消費期限を過ぎた食材を使用していた保育園8カ所、実際と異なる原産地を献立表に書いていた保育園21カ所など、違法行為が確認された保育園72カ所を摘発した。この中には、消費期限を2年も過ぎたチーズや、1年2カ月も過ぎたポップコーンの豆を使用していたケースもあった。カタツムリが混じったご飯やクモが混入したスープを出しているケースも発覚し、この保育園は行政処分を受けた。
■「高い金を払ってくれる家に移る」と脅迫することも
 ワーキングマザーのBさんは、3カ月の産後休暇が終わると、生後100日もたたない子どもを、人材派遣センターで紹介されたベビーシッターに預けた。だが、問題が起きたのは1度や2度ではない。ベビーシッターは何度も熱いミルクを飲ませ、子どもの唇の周りには水ぶくれができた。熱い湯で風呂に入れ、子どもの体が真っ赤になったこともある。子どもが泣いてもそのまま放置し、自分は部屋で寝ていたりもした。そのベビーシッターは雇って4週目に、何の予告もなく突然辞めた。だがBさんは仕事に行かなければならないため、切羽詰まって地方にいる親戚に子どもを預けることにした。ベビーシッターを派遣した業者によると「そんなにしょっちゅうあるケースではない。ほかのベビーシッターを紹介する」と主張するだけだった。
 息子と娘の2人の子どもを持つキムさん(38)=中小企業代表=は今年初め、外出先から家に電話をかけて3歳の息子と話した際、非常に驚いた。電話の向こうではベビーシッターが、5歳の娘に対し「そんなに言うことを聞かないなら、捨ててやる」と叱りつけていたのだ。キムさんが「捨てるという言葉はひどすぎる」とベビーシッターに抗議すると「だったら今すぐ辞めてやる。ほかの人を探せばいい」と反発した。結局キムさんは、子どもの預け先がなくなるのは困るため、月給を20万ウォン(約1万5000円)値上げしてそのベビーシッターを引き続き雇うことにした。

(投稿者注)
写真の保育園は記事とは関係ありません。




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