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議員の逮捕同意案を否決するだけの国会など無用【社説】                    

2014年09月05日 18時30分00秒 | Weblog
韓国大手新聞 朝鮮日報14年9月4日記事抜粋
 与党セヌリ党の宋光浩(ソン・グァンホ)議員に対する逮捕同意案が、9月3日の国会本会議での採決の結果、否決された。採決にはセヌリ党から127人、新政治民主連合をはじめとする野党から96人の計223人が参加し、無記名の投票の結果、逮捕賛成が73票、反対118票、棄権8票、無効が24票で、賛成は3分の1にも満たなかった。宋議員は鉄道施設公団に鉄道車両の部品を納入する業者に便宜を図った見返りに、問題の業者の社長から11回にわたり総額6500万ウォン(約670万円)を受け取ったとされている。
 国会では事有るたびに激しく対立する与野党だが、国会議員の逮捕同意案が採決されるときだけは、いつも驚くほど団結してきた。大韓民国憲法制定後、これまで開かれた国会で議員の逮捕同意案の採決は53回行われたが、そのうち可決(逮捕を認める)されたのはわずか12件だ。今回の問題はセヌリ党に1次的な責任があるが、新政治民主連合の側も批判を免れない。
 セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表はこれまで「防弾国会(逮捕同意案を否決することを防弾チョッキに比喩)はない」と明言し、機会あるたびに「革新」を強調してきた。ところがこの日の国会でのセヌリ党の動きを見ると、金代表は本当にこの約束を守るつもりがあるのか甚だ疑問だ。採決の結果、セヌリ党と金代表がこれまで主張してきた政治改革は予想通りごみ捨て場に捨てられたような形となってしまった。新政治民主連合はもっとひどい。収賄疑惑がささやかれている金才允(キム・ジェユン)、申渓輪(シン・ゲリュン)、辛鶴用(シン・ハクヨン)議員に対する検察の取り調べを「政府次元での野党弾圧」などと批判し、これを阻止するための対策委員会まで立ち上げているのだ。
 与野党はセウォル号特別法の制定に向けた交渉で、いずれもその無能さを国民の前にさらけ出した。またここ4カ月間、経済関連など国民生活に直結した法案についても1件も成立させることができなかった。9月1日に開会したばかりの通常国会の日程もまだ決まっておらず、しかもやっと開会した国会も、ふたを開けてみると与野党とも仲間の議員に対する逮捕同意案を否決することばかりに力を集中させている。このように犯罪行為に走った疑いのある人間をかくまってばかりいるようでは、本当のマフィアよりもしつこく悪質な「国会マフィア」と批判されても返す言葉がないだろう。
 秋夕(中秋節/お盆、今年は9月8日)の連休を控えたここ数日間、国会議員会館には議員らに贈られたギフトがあふれかえり、流通業者の物流センターを思わせるような光景が見られるという。国会議員たちはここ4カ月間、本来の使命である立法に向けた活動は一切やっていないが、それでも毎月1000万ウォン(約103万円)の歳費だけはしっかりと受け取ってきた。仕事をしなくても給与が支払われ、名節(秋夕と旧正月)の時には整理もできないほどギフトがあふれかえるような職業は国会議員のほかにない。
 与野党の執行部もここ数日間、本来の職場である国会には姿を現さず、視察を口実にした全国各地のツアーに出ている。通常国会が破綻しかねない状況にあるにもかかわらず、ツアーにうつつを抜かす与野党執行部に対して国民が理解を示すはずなどない。しかも違法行為を犯した疑いのある議員に対する逮捕同意案を否決したことで、ただでさえ深刻な状況にある国民の政治不信に油を注ぐ形となった。国民の間からは国会無用論が叫ばれているが、このような状況ではそれもやむを得ないだろう。与野党の執行部は自分たちに向けられた国民の不信を本当に理解しているのか甚だ疑問だ。





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