シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

6月の販売3割急減、中国で三重苦の現代自動車

2015年07月29日 22時06分56秒 | Weblog
 「とても苦しい局面に陥っています」
 現代自動車グループのある役員は、中国自動車市場で自分たちが置かれた状況についてこう語ります。それもそのはず、現代自動車と傘下の起亜自動車は6月、中国市場での販売台数が約3割も急減したのです。上半期で見ると前年同期に比べ約8%の減少です。販売の減少率が次第に拡大していることが、両社をさらにおびえさせています。
 現代自と起亜自は昨年、中国市場でグループの世界販売台数の22%に当たる176万台を販売しました。しかし、最近は中国メーカーの急成長、日本や欧米の競合メーカーによる値下げ攻勢で大きな打撃を受けています。中国の消費者に人気の小型スポーツタイプ多目的車(SUV)などの新車は、まだ準備が足りず年内に発売できそうにありません。さらに悪いことに、中国の乗用車市場は6月、3.2%のマイナス成長となりました。市場のパイが縮小し、価格競争は激しくなる一方なのに新たな武器がない、まさに三重苦の状況です。
 こうした中、現代・起亜自は先ごろ、中国国内のディーラー数を現在の1700から来年には2000に増やし、特に中部・西部と小都市でディーラーを集中的に確保して中国の販売網を大幅に強化する方針を固めました。23日にソウルの本社で開かれた上半期の業績に関するカンファレンスコール(電話会議)では、起工式を終えた中国第4、第5工場の生産量調整も可能だという対策まで打ち出しました。しかし、こうした策で現代自動車グループが中国で元気を取り戻せるかどうかは疑問です。すでに各国の競合メーカーが先を争って値下げやインセンティブ拡大に乗り出しているため、現代・起亜自がこれに追いつこうとしても限界があるためです。
 そんな現代・起亜自に対し、専門家らは「新車競争力を強化すべき」と口をそろえます。「向こう3年以内に中国で多様な新車を出せなければ、現代・起亜自の未来は暗い」と警鐘を鳴らしています。日本や中国のメーカーが善戦しているのも、中国に特化した低価格で良質な中型・小型SUVなどの新車を出した結果なのです。「いい車がなければ絶対に生き残れない」中国市場で、現代自動車グループの発奮を期待したいと思います。
李仁烈(イ・インヨル)記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年7月26日記事抜粋


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