シニア花井の韓国余話

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二極化する雇用機会、若者の就職難深刻化

2012年01月24日 15時07分41秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 12.1.21記事抜粋)
 大企業のインターンとして働く地方大学の大学院生、イ・ソンミンさん(29・仮名)は、勤務時間の合間にインターネットでニュースを読み、批判的なコメントを投稿することが多くなった。大半は政界に対する不満をぶちまける内容だ。
 イさんは「インターンを終えても、大企業への就職は難しく、周囲からは中小企業を当たってみろと言われるが、10年近く勉強した知識が惜しい。ネットの書き込みでもしないとすっきりしない。親戚に名刺を出しても恥ずかしくない職場がいつ見つかるのか分からない」と言ってため息をついた。
 なぜこうした状況が生まれるのか。本紙が現代経済研究院と共同で雇用状況を分析した結果、その原因は「雇用機会の二極化」にあった。過去10年間で、上位層と下位層の働き口が増えた一方、中間層の雇用機会は伸びが鈍いことが分かった。
■リボン型の雇用市場
 本紙と現代経済研究院は過去10年間における雇用機会の構造の変化を調査するため、職業を171職種に区分した上で、さらに1時間当たりの平均賃金(2001年現在)によって、5段階(上位、中上位、中間位、中下位、下位)に分類した。
 例えば、通信業種の事務職の平均賃金は上位に該当し、製造業技能職は中下位に分類された。
 それを昨年の雇用状況と比較したところ、上位と下位の就業者数はそれぞれ101万1000人(37.5%)、105万3000人(37.6%)増えた。中上位も94万7000人(37.4%)増えた。
 これに対し、中下位と中間位の就業者数はそれぞれ32万5000人(11.7%)、60万5000人(22.1%)の増加にとどまった。働き口は給与水準が高いか低い両極端だけが増え、図表化すると「リボン型」の構造に変化したことになる。
 ほかの基準で分析しても、雇用機会の二極化が進んでいることが分かる。給与所得者のうち、中間所得者(所得中位の66-133%)の割合は、01年の43.5%から11年には35.4%に減少した。これに対し、下位所得者は同じ期間に23.2%から26.7%に、上位所得者は33.3%から37.9%にそれぞれ増えた。
問題は、新たに創出される上位層の雇用機会を、経験職や少数の青年層が独占していることだ。このため、大多数の青年層は中間層の職場を狙うが、そういった職場は少ないため、結局は下位層に就職するしかないといった状況に陥っている。
 現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ研究委員は「青年が社会の上位層に浮上するためのはしごが取り除かれている」と指摘した。
 大学でホテル調理学を専攻したキム・イソンさん(29)は「大型ホテルで調理の仕事に就きたかったが、2年間も仕事が見つからず、今はフランチャイズ外食チェーンで調理補助をしている。雇用状況が良好だという報道を目にするたびに腹が立つ」と話した。
■ワーキングプアを量産
 雇用機会の両極化は、所得と社会の二極化につながるため、深刻な問題だ。01年以降、韓国では高所得層と貧困層がいずれも増えた一方、中産階級は減り続けている。その根本原因は雇用機会の二極化にある、というのが分析の結果だ。
 現代経済研究院のキム・チョング先任研究員は「中間層の雇用機会の割合が低下し、中産階級が減少するにつれ、勤労者が仕事を通じ、経済的地位を高めることもだんだん難しくなっている」と指摘した。
 経済協力開発機構(OECD)によると、韓国の中産階級の割合は、00年の71.7%から10年には67.5%に減り、貧困層は19%から20%へと増加した。
 韓国政府は全体の数字だけを見て「雇用状況が改善した」と判断するのではなく、雇用の質に関心を向けるべきとの指摘にさらされている。
 匿名を希望する国策シンクタンクの関係者は「働いても所得が少ないと感じ、働いても貧しいワーキングプアは深刻な問題だ。政界は働くことが国民の福祉につながるという『働く福祉』を叫んでいるが『働けば暮らしが楽になる』という考えが定着しなければ、状況は改善しない」と語った。
(投稿者注)
韓国は日本以上にミスマッチがひどい。
メンツやプライドが必要以上に高いために、中小企業に行きたがらない。




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