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北朝鮮人権問題、国連が解決に本腰

2012年05月31日 14時26分14秒 | Weblog
  韓国大手紙・ 朝鮮日報12年5月30日記事抜粋
国連が北朝鮮の人権問題解決に本格的に乗り出している。国連は中国に滞在する脱北者の送還問題に注目しているほか、先ごろには、韓国出身の申淑子(シン・スクチャ)さんとその娘2人が「北朝鮮に強制的に拘禁されている」との判断を下した。このほか、ダルスマン国連北朝鮮人権問題担当特別報告者をはじめ、拷問、飢餓、健康などの分野の特別報告官5-6人が連携し、北朝鮮に対する特別声明を発表する動きもある。一連の動きは、国連レベルで北朝鮮の人権問題解決に本腰で取り組み意向を表明したものと言える。
■覆された判定
 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)傘下の「恣意(しい)的拘禁に関する作業部会(WGAD)」による今回の判定は、1995年の「申淑子氏とその娘が拘禁されたという結論には至ることはできない」とした国連の判断を事実上覆したものだ。国連レベルで北朝鮮の人権問題を本格的に扱う姿勢があってこそ可能となった立場変更だ。WGADは北朝鮮に「即時解放と適切な賠償」も求めた。
 申淑子氏とその娘の救出運動を支援してきた与党セヌリ党の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員は「世界人権宣言に基づけば、『解放』とは居住移転の自由、旅行の自由も指す。韓国への送還も含まれる」と指摘した。
■国連内部「北朝鮮人権問題の対応不十分だった」
 国連レベルでの積極的な動きについて、ソウルの外交筋は「最近国連では、これまで北朝鮮の人権問題にあまりに無関心だったという反省の声が高まっている。これまでとは異なる解決策を探るため、北朝鮮人権問題担当特別報告者だけでなく、他の特別報告者も共に声を上げることを決めたと聞いている」と述べた。
 国連が本格的に北朝鮮の人権問題を取り上げ始めたことから、国際世論も北朝鮮にさらに不利となる見通しだ。申淑子さんとその娘は「拘禁状態にある」という国連の公式見解が明らかにされたことから、各国の政府・議会が申さん母子の解放を求めるさまざまな決議案、声明を出す可能性も高まった。
北朝鮮がそれを無視し、国連の特別報告者による連帯行動にも反応を示さなかった場合、国連レベルで反人道犯罪調査委員会が設置される可能性も開かれる。そこで北朝鮮の政治犯収容所などの人権侵害が反人道犯罪に当たるとの結論が下されれば、北朝鮮の人権問題が国連安全保障理事会の議題になることもあり得る。
 河泰慶議員は「(国連安保理常任理事国の)中国が賛成するかどうかが鍵だが、少なくとも棄権してくれれば、国際刑事裁判所での審理が可能となる」と指摘した。
■申さん母子救出運動に弾み
 昨年初め、申さんの故郷、慶尚南道統営市で始まった救出運動は、全国に広がりを見せており、今後さらに弾みが付きそうだ。国連の判断を受け、国内外で北朝鮮人権問題に取り組む運動家、専門家ら約200人による「統営の娘送還対策委員会」が6月にも正式に発足する。「統営の娘」は申さん母子を指す。
 対策委は申さん一家がかつて滞在していたドイツを訪れ、ドイツ政府が申さんの安否確認に乗り出し、申さん母子の送還要求を行うよう公式に要請することにしている。また、8月から3カ月間、ニューヨーク、ジュネーブ、ベルリンにある北朝鮮の在外公館前で大規模な抗議デモを計画している。
 対策委のホ・ヒョンジュン事務局長は「国際刑事裁判所への提訴も検討する」と述べた。申さんが拘禁されたという国連判断と申さんが死亡したとの北朝鮮の説明を総合すると、北朝鮮は死亡したと説明した申さんを放置したことになり、国際法に基づき提訴対象となり得るためだ。
■国際刑事裁判所(ICC)
 人道に反する罪や戦争犯罪を裁く世界唯一の常設司法機関。特定国が起訴をためらう場合でも、国際刑事裁判所が訴追権を行使し、人道に反する罪を裁くことができる。北朝鮮の人権問題をめぐっては、国連の反人道犯罪調査委員会で扱った後、同裁判所に最終判断を委ねるべきではないかという世論が生まれている。


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